ドイツはもうすぐ復活祭。まだまだ気温は低いけれど、日が長くなり、庭では春のエネルギーが爆発している。冬の眠りから覚めた動物たちが動き回り、野鳥たちが冬超えをしていた南から続々と戻って来て、恋のパートナーを求めて高らかにさえずっている。今、窓の外を眺めながらこの文章を書いている間にも、クロウタドリ、ホシムクドリ、コマドリ、カケス、ズアオアトリ、モリバト、アオサギ、といろんな野鳥が次々に目の前に現れた。

1年のうちで、この時期が一番好きかもしれない。毎日、庭で繰り広げられる野生の生き物たちの活動から目が離せない。裏の家と我が家の庭の境に古い大きなナラの木がある。その木がいろんな生き物の生活の場になっている。

リスが枝の上で器用に毛づくろいをし、

アカゲラが森から運んで来たマツカサを木の隙間に挟んで種を食べ、

アオガラが巣箱で営巣を始めた。古い木が存在することの大切さを強く実感するのも春である。

 

そして、いつものように、春になるとマガモのカップルがなぜか毎日やって来る。

これから初夏にかけて、クロウタドリやシジュウカラ、ゴジュウカラ、アオガラ、クロジョウビタキ、アカゲラなどが一斉に子育てをし、夜にはハリネズミが庭を歩き回り、池にはカエルやヤマカガシが産卵にやって来るのがとても楽しみだ。毎日必ず面白いことがあるので飽きることがない。彼らを観察することが最高のエンタメなのである。サブスク代も払わないのにこんなに楽しませてもらっていいのかな。

(以下は庭にやって来る生き物たちの過去の画像)

とはいえ、今の場所に住むようになって17年になるが、最初から田舎暮らしを楽しんでいたわけではない。もともとは都市育ちで、若い頃は自然にはそれほど興味がなかったし、庭なんて手間がかかって面倒くさいと思っていた。

だけど、今は生き物たちと空間を共有することをとても幸せに感じるようになった。自然がこれほど大きな喜びや心の安定を与えてくれることを、自然の中で暮らしてみるまでは想像できなかった。このブログ、旅ブログとして始めて、今もそのつもりなのだけれど、いろんな理由でかつてのように気軽に旅ができる世の中ではなくなりつつある。自分も歳を取っていくので、いつまでも旅ができるわけではないだろう。たとえ遠くへ行けなくなったとしても、身近にもワクワクするものはいくらでもあると教えてくれたのは生き物たちだ。

今年も忙しくも楽しい春の庭をおおいに満喫したい。