アイヒシュテットでジュラ博物館とベルガー博物館を見た後、ベルガー博物館のそばにあるブルーメンベルク採石場(Fossiliensteinbruch Blumenberg)で化石を探すことにした。通常、採石場に一般の人が立ち入ることはできないが、ドイツには化石を採集したい人のために公開されている採石場がいくつかある。ブルーメンベルク採石場はその一つ。それだけでなく、アイヒシュテット、ブルーメンベルク地区は、1875年に2体目のアーケオプテリクスが発見された場所である。その標本はベルリンの自然史博物館に収蔵されているので、「ベルリン標本と呼ばれている」。そんな世界に名だたる化石を生み出した場所で化石ハンティング体験ができるのは、最高というほかはない。

ブルーメンタール採石場。週末なので、家族連れで賑わっていた。

石にノミをあて、ハンマーで軽く叩いて板状に剥がしていく。

開くときはいつもドキドキ

この採石場で一番多く見つかるのは、茎を持たない浮遊性のウミユリ(Saccocoma)の化石。これは至るところにあった。

これは二枚貝の殻?それともアプチクス(Aptycus)?アプチクスとはアンモナイトの体の一部で、口のふた、または下あごの一部ではないかとされている。はっきりわからないので、今度詳しい人に聞いてみよう。

アンモナイトもあった。(背景が違うのは、家に帰ってから写真を撮ったため)

糞化石(Koprolith)。なんの糞かはわからない。
4時間くらい滞在して、小さいものばかりだけど、それなりにいろいろ見つけられたかなと満足。と思ったら、ここで夫が大物を発見!

じゃあ〜ん!お魚である。大きさは8mほど。ここで最もよく見つかる魚、Leptolepides sprattiformisではないかと思われる。最後によいものが見つかって、大満足。
この採石場では、というか、一般公開されている採石場ではほぼどこでもそうなのだが、見つけた化石は採石場を出るときにスタッフに見せる義務がある。まれに、珍しい化石や学術的に価値のあるものが見つかることがあるからだ。そのような場合は、見つけた化石は研究用に献納しなければならない。とはいえ、そういうことは滅多にない。
「このお魚、たいしたものじゃないよね?まさか没収されたりしないよね?」
夫と私はそうヒソヒソ話しながら、その日獲得した化石をスタッフに見せた。
すると、スタッフの男性は魚を見るなり受付小屋に戻り、一枚のQRコードのついたシールを持って戻って来て、それを魚の化石の裏にペタンと貼ったのだった。えーん、没収?
と思ったら、「持ち帰ってもいいですが、このQRコードを通してアルトミュール渓谷自然公園に報告してください」とのことだった。魚などの、大きめの発見物は報告するルールのようだ。
家に帰って来てから、QRコードから自然公園のサイトにアクセスすると、フォーマットが用意されていて、手続きは簡単だった。そして、発見者の名前入りでサイトに登録が完了。

これはなかなか嬉しいぞ。



















