4月22日の朝、9つの卵を無事産み終わったシジュウカラのシーちゃん。抱卵体勢に入った。抱卵日数が平均12〜14日間ということは、最初のヒナが孵るのは5月の頭ということになる。じっと卵を温め続けなければならないシーちゃんは大変だが、赤ちゃんが産まれたら、その瞬間から異次元の忙しさになるから、せめてそれまではのんびりして体力を維持して欲しい。

抱卵期に突入したらシーちゃんのダンナがお食事ケータリングサービスをするのだろうと思っていたのだけれど、ダンナは一向に食べ物を運んで来る様子がなく、シーちゃんは度々自ら巣箱を出て行っている。もしかしたら、私が見えないところで妻を助けているのかもしれないけど、どうも不安だ。まさか、ヒナが孵ったらシーちゃんのワンオペ育児になってしまうのではあるまいね?

抱卵中、ときどき巣の窪みに頭をグイグイ押し入れる動作をしていた。卵が満遍なく温まるように回転させていたのだろうか。

シーちゃんの抱卵を見守っている間にも、引き続きいろいろなハプニングがあった。あるとき、窓から巣箱の方をぼんやりと眺めていたら、ちょうど巣箱にシーちゃんが入ろうとしているのが見えた。ところが、頭を穴に入れたものの、お腹がつっかえてなかなか中に入れ図、尾をバタバタさせてもがいているのだ。おかしいな?なぜスムーズに入れないのだろう?もしや?と思ってモニターを見ると、ちょうど鳥が巣箱に入った瞬間だったが、またもや違う鳥!シジュウカラよりもひと回りサイズの大きな鳥が無理やり巣箱に入って来たのだ。前にも別の鳥に侵入されたが、今回はそれとは違う種類の鳥だった。(詳しくは以下の記事に書きました)

そうかと思えば、2日連続でどこからともなくよその猫がやって来て、巣箱のある木に登ろうとするのを目撃して大焦り。夫が即席で木にワイヤーフェンスの切れ端を巻きつけ、猫ガードにした。野生動物の繁殖は危険がいっぱいで本当に大変だ。

さて、そうこうしているうちに10日ほど過ぎた。そろそろかな。

5月4日。朝起きて、いつものように巣箱をチェックする。画面を見た瞬間、「キャーッ!」

うま、産まれてる〜〜〜〜〜!ついに!!

ハート型の小さなお口がパックリと上を向いているではないか。下の方にもヒナがいるようだ。全部で3羽孵った?私の叫び声を聞いて、夫と娘もドタバタとキッチンに降りて来た。産まれたてのヒナを見て、みんなで歓声を上げる。いやー、今日は良い日。シーちゃん、おめでとう!

早速お腹を空かせた赤ちゃんにシーちゃんは餌を与えなければならない。でも、まだ残りの卵を温める作業もあるから、巣箱を出たり入ったりの大忙しになった。ああ、可哀想に、やっぱりワンオペなの?

と思ったら、突然、シーちゃんダンナが餌をくわえて巣箱に飛び込んで来た。おお、ダンナ、やっぱり父親の自覚はちゃんとあったんだね。疑ってごめん!

さあ、これからますます巣箱の観察が楽しくなるよ。どうか、残りの卵も全部無事に孵化しますように。

4月9日から1週間かけて巣作りをし、14日の朝からは毎朝1つづつ(なぜか初日のみ2つ)、順調に卵を産み続けて来たシジュウカラのシーちゃん。22日の朝に卵は全部で9つになった!

卵を産み続けながらも、日中は動物の毛などをせっせと追加で運び入れ、巣を整えていた。

卵を置いた部分の周囲にグイグイグイ〜と頭を押し込んで丸い窪みを作っている。

これまでのシーちゃんは、朝、卵を産み落とすとすぐに巣箱から出て行き、何度か巣材を持って戻って来る以外はどこかへ行っていて、夕方に巣箱に戻りそのままバタンキューと眠るというパターンだった。巣作り作業をする以外の時間はたくさん食べてエネルギーを蓄えていたのかもしれない。ところが、昨日はちょっと違った。頻繁に巣箱に戻って来ては座ってしばらく過ごす。そしてまた出て行くというのを繰り返している。

もしかして、抱卵モードに突入か?

と、判断を早まってもいけない。明日の朝、卵が増えているかどうかでわかることだろうと、確認するのを楽しみに私も寝た。

そして今朝(4/23)。朝8時半を回っても、普段ならとっくに出かけているシーちゃんはまだ巣に座っている。ってことは、ってことは?

ふとシーちゃんが動いた隙に卵の数を確認すると、前日と変わらない9個だった。つまり、卵は全部産み終わったのだろう。いよいよ抱卵期だ。シジュウカラの抱卵日数は12〜14日だそうなので、これからシーちゃんも約2週間、コロナで外出制限の私たち同様、#StayAtHomeなのである。でも、あんな狭いところに一羽ぼっちで2週間も退屈なのではないかと余計な心配をしてしまう。

見ていると実際、シーちゃんは退屈そうだ。

いやー、ほんとヒマそう。Zoomミーティングでもどう?って誘いたいけど、私からはシーちゃんが見えるけど、シーちゃんからこっちは見えないんだもんね、残念。

と思ったら、なんと、

シーちゃん、出てっちゃった。ノンストップで抱卵するんじゃなかったの?

シーちゃんダンナは何をやってるんですかね?シーちゃんの抱卵中はダンナがお食事ケータリングサービスをやるものだと思ってたのに、今のところ一度も現れないよ!ちょっと先行きが心配だ。

天気のせい何か、昨夜から巣箱に取り付けたカメラの接続が不良で、モニターに何も映らなくなっていた。夜11時頃になってようやく映像が映し出され、シーちゃんが無事、巣に戻って寝ていることが確認でき、ほっとして私も寝た。

今朝、シーちゃんはいつものように6時半に目を覚まし、ちょっとの間モゾモゾしてから巣箱を出ていったが、卵を覆って行ったので新しい卵を産んだかどうかはわからない。でも、毎朝1個づつ産むとしたら今日は5つになっていることだろう。

その後、再びカメラの不具合で映像は映ったり消えたりを繰り返していた。今日はうまく観察できそうもないなと思い、あまり真剣に見ていなかったのだが、午後、本を読んでいたら、テーブルの上のモニター画面の色が変わった。シーちゃんが巣箱に出入りする際、巣箱の穴を塞ぐので、一瞬画面が暗くなるのだ。「あ、戻って来たな」と画面に目をやった。

エッ?

今のは何?鳥が入って来て巣の中をうろついたと思ったらすぐに出て行ったのだが、何かがおかしい。

今のはシーちゃんではない。

一瞬の出来事だったので、スクリーンショットを取り損ねてしまった。でも、頭の丸いシーちゃんとは別の、もっとシュッとした体型でモノトーンの羽をした鳥を見たような気がする。いや、まさか。たぶん気のせいだよね?

そう思っていたら、数分後に再び鳥が入って来て、3秒ほどいてまた出て行った。間違いない、あれは別の鳥だ。どうしよう。シーちゃんに知らせなきゃ!でも、どうやって?

オロオロしていたら、シーちゃんが巣箱に戻って来た。

よ、よかった。と思ったのも束の間、シーちゃんの様子がおかしい。しきりに上を見ながらソワソワしている。背伸びして巣穴から外を覗くような仕草をしたり、外からの音に耳を澄ましている。モニター越しに巣箱の外から鳥の鳴き声が聞こえて来るが、シジュウカラの鳴き声とは違う。もしかして、さっき侵入して来た鳥はまだ近くにいるのでは?

これはなんとかしなくては!

急いで庭に出ると、いたいた!巣箱付近の枝に知らない鳥が止まって餌箱を狙っている。

餌箱に侵入したのはこの鳥だ!

「すみませ〜ん!その巣箱、もう貸してるんで!」と木の下から叫んだら、一瞬飛び立ったが、またすぐに戻って来た。近くの枝にはもう1羽、そっくりな鳥がいる。どうやらツガイのようだ。シロエリヒタキ かな?彼らも巣作りの場所を探して切羽詰まっているのだろう。

あたりを見回したら、かなり上の方の枝にシーちゃんのダンナがいて、遠くから文句を言っている。

シーちゃんのダンナ

縄張りを見張っていたダンナが他の鳥が侵入したことに気づいてシーちゃんに連絡したのかもしれない。でも、体を張って敵と戦う気はないようだ。私が何度かわざと大きな物音を立てて侵入者夫婦を追い払ったが、なかなかしぶとい。そのうちシーちゃん自らが巣箱から出て来て、そのタイミングで侵入者夫婦はその場を去った。

私はドキドキしっぱなし。邪魔者がいなくなってくれてよかったけど、シーちゃんのダンナはちょっとだらしがないんじゃ?ふっと一息ついて、モニターを見る。とりあえず、巣は大丈夫そうだ。そして機を見上げると、どこへ行ったのか、シーちゃんもダンナも姿が見えなくなっていた。

あの鳥夫婦、また巣箱を乗っ取りに来るだろうか?もう2度と来ないといいなあ。っていうか、うちの庭にはあと2つ、巣箱を設置してあるんだよね。そのうちのどちらか、好きな方を選んでご入居頂ければと思うのだけど、オークの木に取り付けた巣箱はロケーションが良いのか、希望者が集中してしてしまうようだ。とにかく、私としてはシーちゃんにオークの木の餌箱で安心して卵を産んでヒナを育ててもらいたい。モニタリングを強化せねば。

今日はハラハラさせられる日だったが、いつものようにシーちゃんは7時半に帰って来た。ああ、よかった、よかった。ぐっすり寝て、明日も元気に卵を産むんだよ。見守ってるからね。

観察記録その2を書いた4月14日(観察開始から6日目)の夜9時頃、シーちゃんが巣箱に姿を見せた。それまで巣作り作業は主に午前中に集中していて、夕方5時以降に巣箱に来ることはなかったので、あれっ?と驚いた。

こんな時間に何をするんだろう?と思ったら、シーちゃんは自分の作った巣の中に突っ伏してすぐに寝てしまった。帰宅してベットに直行、バタンキュー、という感じ。膨らませた背中の羽が掛け布団のよう。これからは巣箱に寝泊まりするのだろうか。ということは巣はもう完成?

翌朝、起きて画面を開けると、シーちゃんはまだ寝ていた。「鳥=早起き」のイメージだけど、意外と遅くまで寝ているんだなあ〜なんて思って眺めていたら、目を覚ましたシーちゃんがモゾモゾと動いて、その数秒後に巣穴から外へ出ていった。次の瞬間、私の目に入ったものは、、、

卵が2つ!

わおっ。もう卵を産んだ!すごい。

感動しつつしばらく卵を鑑賞。あれ、でもシーちゃんはどこへ行ったんだ?朝ごはんを食べに行った?なかなか巣に戻って来ない。おーい、せっかく産んだ卵、温めなくていいのかーい?

そのうち戻って来るだろうと何度も画面を確認するのだが、いつ見てもそこにシーちゃんの姿はない。巣の様子も変化していないので、朝、出て行ったきり、一度も戻って来ていない模様。卵、このままで大丈夫なの〜?心配になって調べたところ、シジュウカラは卵を全部産み終わってから抱卵することがわかった。ああ、よかった。

夜7時半。シーちゃんはようやく巣に戻って来たが、またもや瞬時に眠りに落ちた様子である。

翌朝(巣作りから7日目)。この日も私の方がずっと先に目が覚めた。なにか違う気がするけど、シーちゃんは妊婦だからたくさん寝る必要があるのかもしれない。そう思って納得することにする。

しばらく観察していたらようやく目を覚まして巣箱から出て行ったが、この日は卵を覆って出て行ったので、新しい卵を産んだかどうかはわからない。この日はシーちゃんは忙しく、何度も新しい羽や毛を運んで来て、巣を整えていた。巣が完成してから卵を産むものとなんとなく思っていたけれど、産みながら調整していくらしいな。夜は前日と同じ7時半に帰宅、そしてすぐに就寝。

今朝は巣作りから9日目。やはり6時半頃まで寝ていて、急にモゾモゾッと動いて巣から出て行った。

卵が4つに増えてる!

フワフワした材料がドーナツ状に整えられ、いかにも鳥の巣という感じになって来たね。シジュウカラは毎朝1つづつ卵を産むと読んだが、初日は2つだった。その後、昨日1つ、今朝1つ産んだのかな。だとしたら順調だね。全部でいくつ産むかなあ。

また卵を剥き出しのまま放置するのかと思ったら、今日は一旦戻って来て卵を覆って行った。ホッ。

前回の記事では、赤外線カメラを入れた鳥の巣箱を庭の木に取り付けたら、早速シジュウカラのメス(シーちゃん)が使い始めてくれたことについて書いた。その話の続き。

巣箱の中の様子はGreen BackYard社の巣箱用カメラ、Wireless Bird Box Cameraのスマホアプリ、iCSeeで24時間観察できる。PC用ソフトウェアもあり、大きい画面でモニタリングすることも可能だ。鳥の巣作りを真上から観察するなんて、初めての経験。もう、気になって仕方なく、初日は画面開けっ放しでしょっちゅう見てしまった。

シーちゃんはコケや枯葉、細い柔らかい枝などを巣箱の中に運び込んでいるが、テキトウに投げ入れているのではなく、適切な位置に配置しているようである。長い枝をクチバシに加えて左右にシュバッ、シュバッと振り、箱の隅に沿うように器用に回して置いているのがすごい。

羽を広げて頭を材料の下に潜らせるようにグイグイグイと押して、枠を作っている。シーちゃんは巣作り何年目なのだろうか。手慣れた様子である(手はないけど)。

実際の動きは以下のような感じ。(PC上で再生したものをスマホで撮ってYouTubeに上げたものなのでクオリティが悪くてすみません)

巣作り2日目。朝8時くらいから巣作りの続きが始まった。

後に卵を抱えて座ることになる真ん中の部分はちゃんと窪んでいる。作業をするのは午前中が多く、シーちゃんは午後にはあまり巣箱に姿を見せない。

4日目。

丸3日かけて土台の部分は大体出来上がったようで、4日目からは綿や羽などフワフワした材料が運び込まれた。うちの庭にはこのような素材はないんだけど、どこから運んで来ているんだろう。巣作りの場所を選ぶときには、必要な材料が周辺にあるかどうかもチェックしてから決めているんだろうね。

ふわふわ材料を取りに行って戻って来たシーちゃん

ちなみに、巣箱を出入りするところをカメラで撮るのは結構難しい。近くの枝にシーちゃんの夫が止まって見張っていることがあり、巣の方に近づくとチチチチ!と大声を出すから。

5日目。

6日目。

だんだん巣らしくなって来た。出産ももう時期だろうか。待ち遠しいなあ。

冬の間、自宅の庭を中心に、バードウォッチングに熱中していた。完全に初心者なのだけれど、テラスに餌台を設置したところ、思いのほかたくさんの野鳥がやって来て、楽しませてくれた。

春になったので、鳥たちは私が餌を提供しなくとも、自力で食べ物を見つけられるようである。そして、春は鳥たちの恋の季節。パートナーを探す鳥たちの歌声で庭はますます賑やかだ。

我が家の自宅バードウォッチングも次のステップに進もう。今度は巣箱を用意するのだ。うまく行けば、鳥の子育ての様子を観察できるかもしれない。

と、思ったものの、どういう巣箱をどこに設置すればいいのか、よくわからない。少し調べてみたところ、鳥の種類によって巣箱の穴の適切な大きさが違うらしい。うちの庭に来る野鳥の中で一番数が多いのはアオガラ(Blaumeise)とシジュウカラ(Kohlmeise)なので、彼らの体の大きさに合わせた巣箱を用意することにした。アオガラ用は穴が直径27mmのもの、シジュウカラ用は32mmである。

しかし、これらをどこに設置すればいいのだろう?とりあえず、庭の中央にある、鳥たちに大人気のチェリープラム の木に取り付けてみる。

こんな感じ。これで2、3 日様子を見たのだが、うーん、、、どうも違う気がする。というのは、この木にはアオガラとシジュウカラ以外にもイエスズメなど他の鳥も頻繁にやって来る。庭の中央に位置することもあり、「中央市場」のような場所である。2つの巣箱が近すぎるのも良くない気がして来た。これではとても落ち着いて子育てをする環境ではないだろう。庭に巣箱を設置している近所の人にアドバイスを求めたところ、「複数の巣箱を設置してるけど、使われるのもあればそうでないのもあるね。まあ、トライ&エラーでやるしかないよね」との返答。そっかあ。そんなに簡単ではないんだね。

巣箱の数が多いほど利用率が上がるだろうからと、3つ目の巣箱を別の場所に設置することに決めた。夫が「どうせなら、赤外線カメラを入れようよ。もし、巣箱を使ってくれたら、中の様子が観察できるじゃん?」と言う。そんなにうまくいくかなあ。ま、ダメもとでやってみるか。

今回は穴の大きさ32mmのものを庭の端のオークの木に取り付けてもらった。高さがあるので、少しは鳥も安心だろう。ちなみに、巣箱の天井部分に取り付けたカメラはGreen Backyard社製のWireless Bird Box Cameraというもの。スマホアプリで巣箱の中をモニタリングできるようで良さそうだ。ちょうどディスカウントになっていたので、これにした。

でも、使ってくれるかなあ、、、。巣作りシーズンはとうに始まっているし、今年はうまくいかないかもね。と言いながら巣箱を眺めていると、夫が「1回、巣箱取り外すね」と言う。中がよく見えるように小さい横穴を開けたいそうだ。「明日にでもまた取り付けるよ。どうせそんなにすぐに使われないから、急ぐことないよね」。せっかく設置した巣箱だが、再び夫の手で取り外された。

ところが、夕方、庭で異変に気付いた私。

「ちょっと、ちょっと。巣箱があったあたりをシジュウカラが飛んでいるよ」

「え、どれどれ?」目を凝らす夫。

「なんか慌ててない?」

2羽のシジュウカラが何かを探すかのようにバタバタとオークの木の枝の周りを飛んでいるのだ。

「も、もしかして、あの巣箱を使うつもりだったんじゃない?なくなってびっくりしてるのかも?」

「ガアーーーーーーン!そんなあ!」

夫は慌てて家の中に飛び込み、巣箱を抱えて戻って来た。

「すぐに元の位置に戻さなきゃ」

そう言いながら巣箱の蓋を開けて中を見た夫は再び叫んだ。

「うわあ、もう最初のコケが投げ込まれてるよ!」

「エエエーッ!」

なんということだ、シジュウカラは夫の設置した巣箱の採用をすでに決め、巣作りを開始していたのだ。早く巣箱を元の位置に戻さなければ。大慌てて巣箱を再設置したが、シジュウカラは戻って来てくれるだろうか。「ここに巣箱があったと思ったんだけど、どっか行っちゃったね。じゃ、他の場所でもいっか」と気が変わってしまうかもしれない。ああ、どうか戻って来てくれますように!その夜は祈るような気持ちでベッドに入った。

巣箱を再設置した時の巣箱の中の様子。左下の端に写っている影が投げ込まれていたコケ

翌朝。起きてスマホを手に取り、メールチェックをした後、巣箱カメラアプリを開けてみた。すると、

コケが増えている!!!

うわーっ。増えているよ。やっぱり使ってくれるんだ!

大興奮で夫を起こす。「アプリを早く開けろ!」。画面を見た夫、一気に目が覚めたようである。「やった!間に合ったな」。こうなったら画面から目が離せない。スマホ画面を睨みながら朝ごはんを食べる。そして、数十分後、、、。

じゃあ〜ん!

巣箱の中にシジュウカラが入っているのを確認!やったあ!

シジュウカラは夫婦で巣作りの場所を探すが、決定権はメスにあり、実際の巣作りもほとんどメスがするそうだ。ということは、このシジュウカラはメスである。これから彼女の子育てを観察させてもらえることになりそうだ。しばらくのお付き合いになるので、他のシジュウカラとは区別して「シーちゃん」とお呼びすることにしよう。

巣箱から飛び出すシーちゃん

いよいよ始まるシーちゃんの子育て。勝手にドキドキしている私たちである。

(次回に続く)

前回の記事で、一見、観光資源に比較的乏しそうに見えるブランデンブルク州は実はネイチャーツーリズムを楽しむのにとても適していることについて書いた。森林をハイキングしたり、広大な景色の中をサイクリングしたり、湖でウォータースポーツを楽しんだりできるだけでなく、野生動物を観察することができる。いろんな生き物がいるが、特に野鳥の種類と数はとても多く、特に冬季は渡り鳥の群れをあちこちで観察でき、その光景たるや壮観である。

でも、もっとお手軽に野生動物を観察する良い方法がある。それは自宅の周りで楽しむバードウォッチングだ。自宅周辺なのに「ツーリズム」と言うのはちょっと違うかもしれないけれど、わざわざ遠くまで出かけなくても視界が変わって新鮮な感覚を味わえて、とても面白いのだ。

実は庭仕事があまり得意ではないので、我が家の庭は荒れ放題とまではいかないが、かなり野性味溢れる庭だ。ご近所さんたちは庭を綺麗に手入れしているのでちょっと恥ずかしく思っていたのだが、自然に近い状態のせいか、うちの庭には結構いろんな野鳥がやって来る。

「いろんな鳥が来る」と書いておきながら、実は最近までどんな種類の鳥がどんな時期に来ているのか、ほとんど把握していなかった。「あー、鳥がいるなー」くらいのぼんやりした認識しか持っていなかったので、「具体的にどんな鳥が来るの?」と聞かれたら、「えーと、クロウタドリ(Amsel)とか、、、」と真っ黒で誰でも簡単に見分けられる鳥の名前しか出て来ない。それじゃつまんないよね。

うちに来る鳥を見分けられるようになりたい!

そこで、積極的に庭に野鳥を呼び寄せることに決めた。具体的には、テラスに餌台を設置したのである。

夫がホームセンターで買って来た、こんな適当な餌台(娘には「ダサい!」と言われた)。これにカラス麦など穀物をのせて、横にはファットボールをぶら下げてみた。すると早速、野鳥がやって来た。これはシジュウカラ(Kohlmeise)だ。

この餌台の他に、野鳥がよく来る桜の木の枝にもファットボールをぶら下げたところ、その日から、入れ替わり立ち替わり野鳥たちが餌を食べにやって来るようになり、あっという間に我が家の庭はちょっとした野鳥園に!

アオガラ(Blaumeise)
ヨーロッパコマドリ(Rotkehlchen)
エナガ(Schwanzmeise)
スズメ(Feldsperling)

ドイツにはスズメは上の画像のような日本でもお馴染みのスズメ(Feldsperling)と頰の黒い丸のないイエスズメ(Haussperling)の2種類がいる。一般的によく目にするのはイエスズメの方だけれど、うちには両方やって来る。

餌台に置く餌は日替わりでいろんなものを試してみた。今のところ、ダントツで人気なのはヒマワリの種で、カラス麦やレーズンもそこそこ好まれる。ピーナツは殻つきのまま置いたら、殻を剥くのが面倒なのか、売れ行きが悪かったので殻を剥いたものを提供したら、急にみなさんの目の色が変わった!笑

カケス(Eichelhäher)

カケスはピーナツをくわえてサッと高い木の枝に飛び乗り、邪魔されないところでゆっくりとピーナツを堪能、、、、のつもりだったようだが、気の毒にもこの直後、うっかりピーナツを落としてしまった。

クロウタドリ(Amsel)は地面から餌を拾うことが多い
モリバト(Ringeltaube)

画像の鳥の他にこれまでにゴジュウカラ(Kleiber)、カササギ(Elster)、カンムリガラ(Haubenmeise)、アカゲラ(Bundspecht)なども確認できた。

これら野生のお客さんを窓の中から眺めるのがすっかり日課になった。今は冬で庭に出るのは寒いからね。それに、バードウォッチングは木々に葉っぱがなくて鳥の姿がよく見える冬だからこその楽しみともいえる。

なにか鳥が来たらすかさず写真を撮り(撮れないことも多いが)、画像をネット上の鳥類図鑑の画像と比較して種類を特定する。ついでにその種の生態や分布も読んでいるうちに、少しづつ野鳥の名前を覚え、多少の知識もついて来る。バードウォッチング、楽しいな。春になったらまた違う種類の鳥たちがやって来るのではないかとワクワクしながら庭を眺める毎日である。

旅行大好き、観光大好きな私だが、必ずしも遠くまで出かけて行かずとも、視点を変えれば住んでいる環境の中でも観光気分を大いに味わうことができる。面白いものはどんな場所にもあるよね。ただ、それに気づくか、気づかないかだけ。

 

長年の趣味の博物館巡りに加え、近頃、熱中していることがある。それは野生動物の観察。私が住んでいるブランデンブルク州は首都ベルリンをぐるりと取り囲む面積3万㎢弱の地域だが、大都市ベルリンとは対照的に周辺は人口密度が低く大きな産業もないので、よく「何もない場所」と言われる。そのブランデンブルク州に住むようになって14年。何もない場所に住んでいて退屈かって?いやいや、住めば住むほど、いろんなものがあることに気づいてどんどん面白くなる。正確には「いろんなものがいる」というべきかな。ブランデンブルク州は人は少ないが、その代わりに人間以外の生き物が多い。つまり、野生動物でいっぱいなのだ。

上の地図の通り、ブランデンブルク州は森林(緑色の部分)や湖(水色の部分)の面積が広く、その多くは自然保護区に指定されている。日常的にシカ、キツネ、リス、ウサギ、イノシシ、ハリネズミ、テン、アライグマ、野ネズミなどいろんな野生動物に遭遇するし、自然保護区ではオオカミ、ヘラジカ、野生ネコなど稀少な動物も確認されている。

せっかくそういう環境にいるからには、楽しまなければ損!

というわけで、カメラを持って野生動物探しに熱中する今日この頃である。野生動物は動きがすばやくてなかなか良い写真が撮れないが、外を歩けばほぼ確実になにかに遭遇するので楽しい。外を歩くので健康にもいいし、お金もかからない。

キタリス(Eurasische Eichhörnchen)

 

ノロジカ(Reh)

ダマジカ(Damhirsch)


アカシカ(Rothirsch)


私の住むブランデンブルクには野生のヘラジカもいるが、まだ遭遇したことはない。

わかるかな、、、野ウサギ(Hase)


アライグマ(Waschbär)



アカギツネ(Rotfuchs)

ビーバーに齧られた木も水場のあちこちにある。でも、ビーバーそのものを見つけるのは難しい


もちろん、野鳥もたくさん。

ノスリ(Mäusebussard)

コウノトリ(Weißstorch)

ニシイワツバメ(Mehlschwalbe)

ハイイロガン(Graugans)の群れ


クロヅル(Kranich)

クマゲラ(Schwarzspecht)

カワアイサ(Gänsesäger)かな?

ホシムクドリ(Star)が木の枝に鈴なりに

渡り鳥の移動が見られるのも気に入っている

首都の周辺がこの環境って、凄くない?ブランデンブルク州では大都市ベルリンと野生の王国のコントラストを満喫できるので、とても気に入っている。もちろん、ブランデンブルク州に限らず、ドイツは全国に自然保護区があり、野生動物の保護活動も盛んなので、都市から少し郊外に出ればいろんな生き物を観察することができる。これも1つのマニアックな観光ジャンルではないかな。ドイツにおけるネイチャーツーリズムについても、これからシリーズとして少しづつまとめていくつもり。