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マニアックなドイツ・ドライブ一人旅(テューリンゲン編)の二日目はワイマールで過ごした。ワイマールはイエナ(前回前々回の記事で紹介)から車で30分ほどの距離にある。満開のセイヨウアブラナの花で黄色に染まった丘陵地帯を抜けて行く。絶景ドライブだった。

ワイマール(正確な発音は「ヴァイマー」に近い)は歴史の授業で習ったワイマール共和国やワイマール憲法により、日本でもその地名はよく知られているだろう。また、ゲーテやシラーの町として有名だ。街並みは古典的でとても優雅である。

 

まず、ワイマールへ行ったら是非見たいとかねてから思っていた、アンナ・アマリア図書館のロココの間を見学した。このあまりに美しい図書館は2004年に大火災に見舞われており、そこからの大掛かりな復元のプロセスについてもドイツ国内ではよく知られている。ワイマールの必見観光スポットであるが、すでにこちらの日本語の記事に詳しく紹介されているので、ここでは紹介を省く。

 

私は日本の大学では文学部だったので文学にも大いに興味があるのだが、今回の旅のテーマはなんといっても「マニアック」である。なので、定番的なものよりもマニアックなものを探すことにした。しかし、ワイマールにはあまりマニアックな要素が見当たらない。そこで、観光客があまり訪れなそうなスポットということで、先史博物館、Museum für Ur- und Frühgeschichte Weimarに行ってみることにした。

 

 

建物の入り口はこんな感じ。

 

実はそこまで期待していなかったのだが、とても面白かった。テューリンゲン地方の人類の歴史がよくわかる博物館である。

 

 

実は、テューリンゲン地方というのは地理的・地質学的にドイツ全国で特に興味深い地域なのだそうだ。ここにはドイツ国内で見られるほぼすべての地形や土壌の種類が存在する。海洋性気候帯と大陸性気候帯の境界に位置していることも特徴的である。動植物の多様性が非常に高く、人類の狩猟生活、そしてその後の農耕生活にも好条件な土地だった。

 

テューリンゲンにはトラバーチンと呼ばれる地下水の炭酸カルシウムが沈殿してできた堆積岩が多く見られる。

 

 

トラバーチンは主に建築材などの用途に使われるが、中にはそれが生成された地質時代の動植物が閉じ込められて化石化したものがあり、当時の自然環境を知ることができる。

 

左は柏の葉、右は野生のリンゴ。過去記事でバルト海の琥珀博物館も紹介したが、こういう天然のタイムカプセルって、なんだかすごく感動してしまう。

 

地学的な展示も興味深いが、さらにこの博物館ではテューリンゲン地方における40万前からの人類の歴史を見ることができるのだ

 

 

それぞれの考古学的時代ごとに当時の人々の生活の様子が展示されていて、これがまた面白い。道具や装飾品など、保存状態の良いものが豊富で見ごたえがある。

 

青銅器時代のアクセサリー。

 

時代ごとの死者の埋葬の習慣も展示されている。

 

各コーナーに白骨剥き出しの状態でお墓の内部が再現されているので、そういうものが苦手な人には向かないかもしれない。

 

この博物館には1時間半ほどいたのだが、時間が全然足りなかった。展示の説明はドイツ語のみなので、外国人観光客はほとんど訪れない観光スポットなのではないかと思う。先史博物館はドイツ各地にあるので、これから他の町のものも是非訪れてみたい。