長年の趣味の博物館巡りに加え、近頃、熱中していることがある。それは野生動物の観察。私が住んでいるブランデンブルク州は首都ベルリンをぐるりと取り囲む面積3万㎢弱の地域だが、大都市ベルリンとは対照的に周辺は人口密度が低く大きな産業もないので、よく「何もない場所」と言われる。そのブランデンブルク州に住むようになって14年。何もない場所に住んでいて退屈かって?いやいや、住めば住むほど、いろんなものがあることに気づいてどんどん面白くなる。正確には「いろんなものがいる」というべきかな。ブランデンブルク州は人は少ないが、その代わりに人間以外の生き物が多い。つまり、野生動物でいっぱいなのだ。
上の地図の通り、ブランデンブルク州は森林(緑色の部分)や湖(水色の部分)の面積が広く、その多くは自然保護区に指定されている。日常的にシカ、キツネ、リス、ウサギ、イノシシ、ハリネズミ、テン、アライグマ、野ネズミなどいろんな野生動物に遭遇するし、自然保護区ではオオカミ、ヘラジカ、野生ネコなど稀少な動物も確認されている。
せっかくそういう環境にいるからには、楽しまなければ損!
というわけで、カメラを持って野生動物探しに熱中する今日この頃である。野生動物は動きがすばやくてなかなか良い写真が撮れないが、外を歩けばほぼ確実になにかに遭遇するので楽しい。外を歩くので健康にもいいし、お金もかからない。
首都の周辺がこの環境って、凄くない?ブランデンブルク州では大都市ベルリンと野生の王国のコントラストを満喫できるので、とても気に入っている。もちろん、ブランデンブルク州に限らず、ドイツは全国に自然保護区があり、野生動物の保護活動も盛んなので、都市から少し郊外に出ればいろんな生き物を観察することができる。これも1つのマニアックな観光ジャンルではないかな。ドイツにおけるネイチャーツーリズムについても、これからシリーズとして少しづつまとめていくつもり。
追記:
野生動物への興味が高じて、2022年、アニマルトラッキングの本格的な講座を受講した。野生動物そのものの姿が見られないときでも、動物の痕跡は至るところにあることに気づき、ますます楽しくなった。
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