変態?ではなく大真面目で面白いドレスデンのドイツ衛生博物館(Deutsches Hygienemuseum Dresden)

この週末、夫は出張で不在。それを利用し、一人でドレスデンへやって来た。

美しきザクセン王国の都、ドレスデン。見所が非常に豊富な、とても魅力的な町だ。訪れるのはこれで3回目で、観光客にとってマストスポットのツヴィンガー宮殿の側に宿を取った。

しかし、チェックインを済ませた私が向かったのは、ツヴィンガーではない。一般的にはあまり知られていないが、知っている人は「すごく面白い!」と口を揃えるマニアックなミュージアム「ドイツ衛生博物館(Deutschen Hygienemuseum Dresden)」である

 

 

衛生博物館の建物は、旧市街の壮麗なバロック建築とは対照的だ。

 

そもそも「衛生博物館」とはなんぞや。ドレスデンは昔から多くのサナトリウムを持ち、19世紀には「特に健康的な町」として国内外から高い評価を得ていた。1892年、Odolというマウスウォッシュがドレスデンで開発されて大ヒット商品となり、公衆衛生の改善及び人々の衛生に関する意識の向上に大いに貢献した。そのような背景のもと、1912年に設立された「ドイツ衛生博物館」は、100年以上の長きに渡って生命と健康について国内外の人々を啓蒙する極めて有意義で伝統的な博物館なのである。

 

衛生博物館の常設展示では、人体の模型や標本、近代医学の黎明期に開発され、使われた様々な医療器具が公開されている。

 

初期のレントゲン機。

しばらく前からドイツのテレビでベルリン医科大学、Charitéを舞台にした歴史ドラマをやっていて、北里柴三郎とか出て来て面白いのだが、そのドラマにも出てきた結核患者用の痰壷が展示されており、嬉しくて(なぜ?)思わず写真を撮った。

 

義足や人工関節、人工内耳など様々なインプラントともに、このようなものが展示されていた。インポテンツ患者用インプラントだそうである。そういえば、女性から男性へ性転換した人がこうしたものを体内に埋め込むと聞いたことがある。

 

「食・栄養」に関する展示ルームもある。世界の様々な食文化に関する展示や栄養に関するクイズなど、多岐に渡り、とても興味深い。

 

腸内細菌ゆるキャラ。

 

個人的に最も好きなのは神経学ルーム。インタラクティブな展示がとても興味深い。

 

しかし、この博物館において最も目を引くのは、なんといっても「セクシュアリティ」のコーナーである。

このコーナーでは性に関する様々な側面を、極めてどぎつく、しかし極めて真面目に啓蒙している。

セックスにはこのように様々な体位があり、男性及び女性における人気度は何パーセントとか、啓蒙してどうするのかよくわからないのだが、示してある。

 

勃起の仕組みをカラー図解。

 

変態と誤解されると嫌なので、マイルドなものだけいくつかカメラに収めたが、実際の展示はもっともっとすごく直接的である。インポテンツお助けグッズとか性病に罹患した性器モデルまで並べてある。医学的には非常に有意義だが、繊細な人は食欲&性欲減退してしまうかもしれない。

性についてもタブー化せずにオープンに見せ、真面目に学ぼうとするのはとてもドイツ人らしく感じる。私の息子は小学校5年生のとき、学校の社会見学でこの博物館へ来たそうだ。小学生にはあまりに刺激が強いのではないかと思うが、ドイツでは普通のことのようだ。

 

ミュージアムには常設展示の他、いくつかの特設展示もある。現在、「恥」というテーマの特設展示をやっているのだが、そこで何か見覚えのある黄色いカヤックが展示されていて、よく見ると日本人アーチスト「ろくでなし子」さんの作品である女性器をかたどったカヤックだった。(ちなみに特設展示ルームは写真撮影禁止)ろくでなし子さんのアートに関する話題はネットで知っていたが、実物にこんなところで遭遇するとは想像していなかったのでびっくり。

 

とにかく、ドレスデンにあるドイツ衛生博物館は医学好きな人、健康に興味のある人にオススメの素晴らしい博物館だ。

 

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