イースター休暇も過ぎたというのに、相変わらず寒い日が続いていたが、日曜は春らしい天気になった。このチャンスを逃してはもったいない。晴れている日には野外観光スポットのリストから目的地を選ぶことにしている。今回は、ベルリン東部、Rüdersdorfにある北ドイツ最大の露天掘り石灰鉱山に隣接した野外ミュージアムMuseumpark Rüdersdorfを訪れることにした。

 

 

結論から言ってしまうが、この野外ミュージアムはかなり楽しめる!しかも、万人向けである。というのも、内容が盛りだくさんなのだ。

 

13世紀から稼働している石灰石の露天掘り鉱山と、隣接する17ヘクタールの公園は「欧州産業遺産の道」上の観光スポットの一つ。過去に紹介したブランデンブルク産業博物館もこの観光ルート上にある。

公園内では焼成炉を中心に、多くの石灰岩採掘・加工・運搬施設が見学できる。

 

この鉱山では13世紀の初めより採掘が行われていたが、生石灰が生産されるようになったのは17世紀に入ってからのことである。19世紀初頭に、温度調整の可能な画期的な石灰窯が建設された。この窯は発明者のRumford氏にちなんでRumfordofenと呼ばれている。

 

窯の内部も見学できる。お城の中のようで、ちょっとワクワクする。

 

窯の内部はかつて、鉱山労働者の住居としても使われていた。当時の労働者の生活の様子を伺い知ることができる。

 

竪窯(シャフトキルン)と呼ばれる石灰窯。

 

 

公園内にはポニーなどに触れ合うことのできる小さな動物園もあり、また、いろいろなタイプのクレーン車が設置されたクレーンパーク区画もあるので、子どももたっぷり楽しめると思う。

 

 

ガイドツアーに参加すれば、鉱山施設の歴史を詳しく知ることができる。しかし、この野外ミュージアムの目玉はなんといっても、露天掘り場をジープで1時間かけて回るツアーだ。もちろん、私たちはジープツアーに参加した。運転手兼ガイドさんが鉱山についての詳しい説明をしてくれる。

 

広大な採掘場。

 

 

 

よく見ると石灰岩の地層の厚さがまちまちなのだが、それはその地層年代の気温の違いから来るものだという。暖かいとそれだけ生物が繁殖するので、堆積物の量が多くなり、層が厚くなる。

 

と、ここまでたいした説明もせずに写真だけ貼ってしまったが、それには理由がある。このミュージアムには、さらに見所があるのだ。

 

というのも、このミュージアムは産業遺産であるだけでなく、同時にジオパークでもある。氷河の移動が終わった後、このあたりにはエンドモレーンと呼ばれる土砂の山が形成された。このため、Rüdersdorfは非常に重要な地質学研究のフィールドなのである。上述のジープツアーの他、化石掘りツアーにも参加することもできる。ガイドに「化石が見つかる確率って、どのくらいなんですか?」と聞くと、「100%ですよ」という返事が返って来た。

 

ミュージアム敷地内には岩石資料館があり、地質学的説明や岩石や化石お展示を見ることができる。これがかなり面白かった。この資料館を見るだけでもここに来る価値があると思う。

 

 

うまく写真が撮れなくて残念。

 

岩石資料館の前には氷河によって運ばれて来た様々な迷子石が展示されている。

 

マニアックなものが好きな人はもちろん、産業遺産にも化石にも興味ないよ!という人でも、ただ公園内を普通に散策するだけでも楽しいはず。週末や祝日には様々なイベントもやっていて、家族レジャーにも最適と、満足度の高い観光スポットだ。