Blog Elements
You can display blog posts in various ways with the “Blog Post” element/shortcode. You can see one example here and even more at the blog main menu item of this demo.
ヨトゥンハイメン国立公園で北欧最高峰ガルフピッゲン (Galdhøpiggen)に登る
ノルウェー旅行記の第二弾は、ヨトゥンハイメン国立公園(Jotunheimen National Park)での山登りについて。
ヨトゥンハイメン国立公園は首都オスロから北西に300kmほど移動したところ…
ノルウェー、ドブレフエル国立公園でジャコウウシ・サファリ
ヨーロッパに住むようになって、34年。ヨーロッパはかなり回っているけれど、未踏の地はまだまだある。今回、初めてノルウェーに行って来た。
せっかく夏のノルウェーへ行くなら、オスロだけでなく自然を楽しみたい。しかし、ノルウェーは広い。いったいどこから手をつけたら良いものか。考えていたら、ノルウェー育ちの若い女性がいくつか提案をしてくれた。そのうちのひとつがドブレフエル国立公園(Dovrefjell-Sunndalsfjella-Nationalpark)だ。ノルウェーに数ある国立公園の中で彼女が特にこの公園を勧めてくれたのは、「野生のジャコウウシを見ることができるから」だという。
ジャコウウシと聞いて、飛びついた。実は、半年ほど前から探検家の角幡唯介氏のグリーンランド探検の本にどハマりしている私。角幡さんの本の中で幾度となく登場するジャコウウシに興味を抱くようになっていたのだ。ノルウェーにもジャコウウシが生息しているとは知らなかった。ドブレフエル国立公園はノルウェーで唯一の野生のジャコウウシの生息地だという。公園内にはMusk…
氷河の置き土産 〜 北ドイツの石を味わう(発展編 その1風蝕礫 Windkanter)
迷子石。ずっと昔、1万年前よりももっと昔、スカンジナビアから氷河の流れによって北ドイツに運ばれて来た石。ブランデンブルク州に住むようになって以来、今も北ドイツのあちこちで見られる、そんな不思議な石に魅力を感じている。
2020年に迷子石(より広範囲には…
庭で野鳥の営巣観察2024 その4 アオガラのヒナも2軍のシジュウカラのヒナも無事に巣立つ
こちらの記事に書いたように、庭に設置したカメラ付き巣箱3つのすべてで野鳥が営巣をするという、これまでにない展開になった2024年の春。
ハウス1、2、3のうち、ハウス3からはシジュウカラのヒナ6羽が巣立った(詳しくはこちら)。ハウス1とハウス2についても時系列にまとめておこう。
ハウス2
シジュウカラが作り始め、途中で放棄した巣をアオガラが引き継ぎ、4/13から産卵を始めて全部で5つの卵を産んだ。このアオガラのメスは巣材に大量の鳥の羽を使い、パッと見カオスだったので営巣が下手なのかなという印象だったけれど、ヒナが産まれると全員に満遍なく餌を与え、ヒナの成長の個体差はほとんど見受けられなかった。
シジュウカラの子たちと違って、巣箱の中ではみんな静かで、巣立ちギリギリまでほとんど鳴かない。アオガラのヒナはそういうものなのか、それともこの兄弟の特徴なのか。
5/23、5羽のヒナは元気に巣箱から飛び出した。
https://www.youtube.com/watch?v=O-_BTgnxUcs&ab_channel=ChikaCaputh
ハウス1の方は冬の間からずっとシジュウカラが寝床として利用し、4月に一旦営巣を始めるたものの、2日で放棄してしまっていた。この巣箱はもうこのまま今年は使われないのかなと思っていたら、5/16、シジュウカラが営巣の続きを初め、5/19に最初の卵を産んだ。冬の間に寝泊まりしていた個体だろうか。
6/6…
UNESCO世界遺産ドロミテのジオパーク Geoparc Bletterbach
UNESCO世界遺産ドロミテ旅行、前回の記事の続き。
プレダッツォのドロミテ地質学博物館を出るときに館内にあった観光パンフレットの中にブレッターバッハジオパーク(Geoparc Bletterbach)というジオパークのパンフレットがあるのに気づいた。地図で確認すると、そう遠くない。その日はヴェローナ空港からドイツの自宅に帰ることになっていたが、飛行機の時間まで少し時間があったので寄ってみることにした。
パンフレットによると、ブレッターバッハ(Bletterbach)とはコモ・ビアンコ山(ラディン語ではヴァイスホルン)から流れる川が数千年の年月をかけて形成した深い峡谷の名である。ジオパークはいくつかのハイキングルートから成り、峡谷を歩きながら険しい崖の地層を観察することができるらしい。4000年という大きな時間スケールの中でかたちづくられたドロミテ山塊の内部を覗くことができるというわけ。それは是非とも歩いてみたい。
ビジターセンターでハイキングルートについて聞いてみたところ、いくつかのルートがあるが、峡谷を歩くルート(以下の地図の赤いラインのルート)は1周するのに3、4時間かかるという。そこまでの時間の余裕はなかったので、残念ながら諦めることに。でも、谷を見下ろすビューポイントまでだったら1時間あれば往復できますよということだったので、ファミリー向けの短いハイキングルート、the…
プレダッツォ・ドロミテ地質学博物館でUNESCO世界遺産ドロミテの地質について知る
イタリアのドロミテへ行って来た。東アルプスに属する山岳地帯ドロミテは2009年にUNESCO世界遺産に登録され、ハイシーズンにはかなり混雑するらしいが、6月上旬はシーズンには少し早く、滞在したのがPie…
ノルウェーの英雄フリチョフ・ナンセン オスロのフラム号博物館で辿る北極探検の軌跡
フリチョフ・ナンセン (Fridtjof Wedel-Jarlsberg Nansen)の名前を知ったのは15年ほど前になる。当時中学生だった息子が親しくなったクラスメートの名前が「フリチョフ」だったのだ。ドイツでは珍しい名前だなと思ったら、ノルウェーの極地探検家、フリチョフ・ナンセンにあやかって命名されたという。その男子のお父さんは極地研究者なのだった。それでナンセンの存在を知ったのだが、偉大な探検家らしい、ということ以外は知らないままでいた。
今回、初めてノルウェーを訪れることになり、そういえばとナンセンのことを思い出した。首都オスロにはナンセンが北極圏探検に使った船、フラム号が展示されているフラム号博物館がある。見ておかなくちゃ。
毎度のことながら、博物館外観の写真を撮り忘れた。館内に入ると、ナンセン像が迎えてくれる。
館内中央にどーんとフラム号が展示されている。1893年から1896年にかけて、ナンセンはこの船に乗って北極点を目指したのだ。こんな木造の船で?と現代の感覚ではびっくり。しかし、フラム号には特別な設計がなされていた。船体の丸みを帯びたかたちのおかげで、フラム号は北極海に浮かぶ厚い氷に閉じ込められても押しつぶされずに上に持ち上げられるように作られている。実際、フラム号はナンセンによる長期間にわたる航海の間、持ちこたえた。その後、オットー・スヴェルドラップによる第二次北極探検やロアール・アムンセンの南極探検にも使われている。
設計士Colin Archerによるフラム号のモデル
ナンセンの北極探検の構想は、フラム号を氷に閉じ込め、流氷と共に漂流させ、数年かけて北極点に到達するという大胆かつ壮大なものだった。ナンセンはこのアイディアを1881年にシベリア北海岸沖で沈没し、その3年後にグリーンランド沖で発見された米国の探検船ジャネット号から得ている。この探検の途中でナンセンはフラム号を降り、徒歩で北極点を目指したが、結局、北極点に到達することはできなかった。それでも、ナンセンの探検はその後の極地探検の礎を築くことになる、とてつもない業績だったのだ。
展示されているフラム号の中に入ってみた。
ナンセンを含めて13人が5年分の食料を積んだこの船で生活を共にした。中はかなり広いけれど、氷に閉ざされ、真冬は太陽が昇らない北極圏、船の中で何年も過ごすなんて過酷の極みだ。肉体的にも精神的にも極めて強靭じゃなければ無理だろう。想像の域を完全に超えているよ、、、。
発電のための風車
船員の寝室
食堂。フラム号のFRAMの文字が入った食器が並ぶ。
ナンセンの航海道具
当時、ナビゲーションに使われていた六分儀
海洋学者であり動物学者でもあったナンセンは、この探検を通じて海流や北極地域の環境に関する研究を行い、科学の発展に大きく寄与した。ナンセンを探検に駆り立てたのは、誰よりも早く北極点に到達したいという野望だけでなく、未知の世界を知りたいという圧倒的な知的好奇心でもあったのだ。
さらに、ナンセンはヒューマニストでもあった。第一次世界大戦後、国際連盟で難民高等弁務官を務め、数多くの難民を支援した。ナンセンが無国籍者や難民に身分証明書に発行した、いわゆる「ナンセン・パスポート」は難民の移動や再定住を可能にした。この活動により、ナンセンは1922年にノーベル平和賞を受賞している。
すごい、、、、すごすぎる。まさにレジェンド。まちがいなくノルウェー国民にとってのスーパーヒーローだろう。
フリチョフ・ナンセンの圧倒的な人間力に自分のちっぽけさを痛感してしまった。
さて、このフラム号博物館、フラム号とナンセンについてだけでなく、アムンセンなど他の探検家についての展示も充実していて、人類の極地探検の歴史を辿ることができる。ショップの書籍コーナーに置いてある資料も豊富だ。
今回、買って来た資料