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このブログを更新するのは久しぶりです。

ブログ容量がほぼいっぱいになったため、現在はChikaTravel 2.0で続きを書いているのですが、今日はお知らせがあり、わずかに残った容量を使ってこちらに書いています。

旅を記録することに加え、新しい活動を始めました。「旅を通して地球の成り立ちを知り、楽しむ」ための情報に特化した旅行者のためのデータベースの構築です。

「マニアックでディープな旅」をコンセプトに、雑多なテーマで始めたこのブログですが、旅を重ねるうちに、地形や地層、岩石、化石など、地学への情熱が高まっていきました。数年前からは地元の地学サークルに所属し、活動しています。

地学の知識が少しづつ増えていくにつれ、旅がますます楽しくなりました。つくづく思うのは、地球の面白さって、異常!ということ。

旅にでかける際には地質的な見どころ、いわゆるジオサイトを探すことが多くなりました。嬉しいことに、近年は世界各地で、地形や地質の魅力を楽しみながら、その価値を学び、保全にもつなげていこうという「ジオツーリズム」の考え方が広がっていて、各地でジオパークの設立が進められています。ジオパークでは、説明パネルやビジターセンターの展示などを通じてその地域の地形や地質について、わかりやすく解説されていて、ワクワクします。また、ハイキングルートやサイクリングルートが整備されていることも多く、自然の中で体を動かしながら同時に地球について学べるというのも最高です。私はすっかりジオパークファンになりました!

そんなわけで、「次はどこへ行こうか?」「〇〇国へ行ったら、どんな風景が見られるのだろうか?」「化石があるところは?」などと、頭の中は常に「ジオ旅行」のことでいっぱい。面白い場所は、きっと世界に数限りなくあることでしょう。でも、行き先を決めるのは、なかなか大変なんです。なぜなら、世界のジオサイトの情報は、ネット上に分散しているから

UNESCO Global Geoparkや日本ジオパークのリストなどのように、特定の認証基準を満たしたジオサイトの情報は、まとまったかたちで公開されていますし、それぞれのジオパークの公式サイトの内容も充実しています。でも、それら以外にも魅力的な場所、貴重な場所はたくさんあり、なかなか見つけられないものも多い。

世界中のジオサイトを1箇所にまとめたデータバンク的なサイトがあったらいいのになあ

そこで、AIを活用して、自分で作ってみることにしました。名付けて、GeoTravelAtlas。世界のジオサイトをマップとリストで見ることのできるサイトです。

試行錯誤しながら進めていて、まだまだ完成にはほど遠いのですが、これまでにできた分をプロトタイプv0.1としてGitHubPagesで公開しました。2026年7 月31日時点で、日本、ヨーロッパ、カナダ、米国のジオサイト290件を登録しています。

以下のリンクからアクセスできます。

GeoTravelAtlas

 

使い方をスクリーンショットで簡単にご説明します。

マップビューでは、ジオサイトの位置が地図上に表示されます。

 

リストビューでは、それぞれのジオサイトの写真が表示されます。

 

マップビューのマーカー、またはリストビューのジオサイト(ジオパーク)パネルをクリックすると、情報が現れます。

ジオサイトについての概要と見どころ、そして「地球の物語」を画面上で見ることができます。「地球の物語」とは、その地域の地形や地質がどのようにしてできたのか、そしてそれは地域の人々の暮らしをどうかたち作ったのかというストーリーです。もちろん、詳しい情報はジオサイトの公式サイトを見るのが一番ですから、公式サイトのリンクを貼っていますが、海外のサイトは日本語パージがないことがほとんどなので、まずは日本語でどんな場所なのかをざっくりと知るためのものです。

GeoTravelAtlasのこだわりポイントは、ジオサイト情報を単純に並べるのではなく、ジオサイト同士を地形、地質学的プロセス、岩石の種類や化石の有無、保護ステータスで結び、繋がりを可視化することで、地球を全体として把握するための仕組み。特徴(フィーチャー)を選ぶと、それに該当するジオサイトがマップ上に表示されます。遠く離れた国のジオサイト同士の地質学的な繋がりを可視化したいと考えました。

 

フィーチャーメニューから特徴が選べます。

フィーチャーで絞り込むと、該当するジオサイトだけが表示されます。

でも、旅先の風景に感動して、その地形や地質について知りたいと思っても、説明に耳慣れない地質学用語がたくさん出てくると、ピンと来ないかも知れません。私自身が最初の頃、そうでしたし、今も新しい用語に遭遇すると、そのたびに「どういう意味だろう?」となってしまい、理解がなかなか進みません。それを少しでも解決したくて、簡単な辞書機能をつけました。

日常生活ではあまり触れることのない地質年代やテクトニックプレートについても、説明をつけています。

 

そして、地質学的特徴とか難しいことはとりあえずいいから、気分で旅先を選びたいという場合には、「気分で選ぶ」の6つのカテゴリー、「壮大なスケールに圧倒される」「地球のダイナミズムを体感する」「人の暮らしとの繋がりを知る」「化石から太古の地球を知る」「自然の造形美を味わう」「地球史のビックイベントに触れる」で絞り込むこともできるようにしました。

GeoTravelAtlasは日本語、英語、ドイツ語の3言語で構築しています。なぜ、その3言語なの?と思われるかもしれませんが、理由は単純で、私がドイツに住んで主にドイツ語で地学を学んでいる日本人だから。旅先では英語の情報がメインとなるから。つまり、自分の勉強のためなのですが、多言語対応にすることで、多くの人に使ってもらえたらという思いもあります。

少しづつ対象地域を広げていきますので、ご覧になっていただけるととても嬉しいです。

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世界で最も高く吹き上げる冷水間欠泉、Geysir Andernach

もう7年も前になるが、ドイツ西部の火山地帯を訪れたことがある。一般に、ドイツには火山のイメージがないと思うけれど、アイフェル地方は現在も火山活動が続いている地域だ。ただし、山頂から噴煙が上がったり、溶岩が流れ出したりという、視覚的にわかりやすい火山活動ではなく、森の中で静かに水をたたえるマール湖や地層の中の岩石にその痕跡が見い出し、湧き出る美味しい炭酸水に火山活動の恩恵を感じるという、わりあい地味なものである。 でも、それはそれで意外性があって、とても面白いのだ。アイフェルの火山地帯については、こちらの過去記事シリーズに詳しく書いている。いろんな角度から楽しむことができたけれど、このとき一つだけ、見そびれたものがある。それはコブレンツ近郊アンダーナハにある間欠泉、ガイジール・アンダーナハ(Geysir…
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北海の高潮から陸地を守る巨大防潮ゲート アイダー・シュペアヴェルク(Eidersperrwerk)

年間約1,000万羽以上の渡り鳥が訪れるユネスコ世界遺産ワッデン海。その自然の豊かさには本当に魅了される。しかし、ズィルト島、ハリヒ・ホーゲの記事に書いたように、北海の一部であるこの地域の海岸線は、常に風と水との戦いの舞台だった。激しい嵐や満潮に乗って押し寄せる高潮は、ときに人々の暮らしを一瞬で飲み込んでしまう。そんな自然の猛威に立ち向かうため、さまざまな防潮の技術が発展してきた。 今回、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の西端、アイダー川河口に築かれた巨大な防潮施設「アイダー・シュペアヴェルク(Eidersperrwerk)」を見学して来た。 1973年に完成したアイダー・シュペアヴェルクは、高潮時に海水の流入を遮断し、高潮や嵐による洪水からアイダー川流域の低地を守るために作られた。きっかけは、1962年2月に起きた「北海高潮災害(Nordseesturmflut)」。猛烈な嵐が北海沿岸を襲い、ドイツ、特にハンブルク周辺に甚大な被害をもたらした。堤防が決壊し、浸水により多くの命が失われ、都市機能が麻痺した。大きな高潮が来ると、それまでの堤防や小規模な水門では高潮の力を防ぎきれない。そうした危機感から、アイダー川の河口に大型水門を設け、それを開け閉めすることで海から川へ流れ込む水の量を調整するという大胆な構想が生まれた。 水門の上には歩道が整備されていて、防潮堤の上を歩いて渡ることができる。 海側と川側に幅40mの水門がそれぞれ5つ並ぶ二重構造で、水門はそれぞれ独立して動作する。 天候や潮の状態に応じて、水門の開け方を変えることで川と海の水をコントロールする。運転モードは主に以下の4つ。 ①…
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ズィルト島のタイムマシン 〜 モールズム崖を歩く

ドイツ最北端の島、ズィルト島。ドイツに住んでいる人でズィルト島の名を知らない人はいないだろう。でも、私は一度もズィルト島へ行ったことがなかった。高級ビーチリゾートのイメージが強くて、私の路線じゃないなあと敬遠していたのだ。気が変わったのは、モールズム崖(Morsum…

ワッデン海の生き物  フリードリヒスコークのアザラシ保護センター

前回の記事に引き続き、テーマはワッデン海。今回はワッデン海の生き物について知ったことを記録しよう。 ワッデン海には多くのアザラシが生息している。世界には34種のアザラシが存在する中、ドイツのシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州沿岸で見られるのは、主にゼニガタアザラシ(Seehund,…
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気候変動の影響を肌で感じる旅──北海の“沈む島”ハリヒ・ホーゲに上陸

ドイツ最北の州、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州は、北海とバルト海という二つの海に挟まれている。州の東側には穏やかな内海のバルト海、西側にはダイナミックな北海。二つの海はとても対照的で、両方を味わえるなんて贅沢な州だなあと思う。どちらにも魅力を感じるが、今回は北海側へ行った。 北海のオランダからデンマークにかけての沿岸には世界最大の連続する干潟、ワッデン海(Wattenmeer)が広がっている。そのうち、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州北部の沿岸海域は、地形が複雑だ。大小の島々があり、成り立ちによってバリアー諸島(Barrierinseln)、ゲースト島(Geestinseln)、ハリゲン(Halligen)など、いくつかのタイプに分類される。その中でハリゲンと呼ばれる島々に特に興味があった。ハリゲンとは、海抜が極めて低く、限りなく真っ平で、強い高潮が来るとほぼ水没してしまう小さな島々だ。堤防らしい堤防はなく、人々は「ヴァルフト(Warft)」と呼ばれる盛土をした小高いエリアに住んでいる。 北フリースラント・ワッデン海にはそんなハリゲンが10島存在する(ちなみに、ハリゲンというのは複数形で、一つ一つの島はハリヒまたはハリクと呼ばれる)。そのうち、もっともアクセスの良いハリヒ・ホーゲ(Hallig…
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トイトブルクの森でゲルマン人について探る⑤ エクスターンシュタイネ岩塔群

トイトブルクの森でゲルマン人について探る旅、ラストはパダボーン近郊のエクスターンシュタイネ(Externsteine)。砂岩の岩塊が塔のように垂直にそびえる景勝地なのだが、ゲルマ…