20世紀のドイツ服飾の歴史が見られるMeyenburgのモード博物館

 

どちらかというと硬派な分野のスポットを紹介することの多い、この「まにあっくドイツ観光」ブログであるが、たまには趣向を変えて生活文化を扱ってみよう。今回のテーマは服飾である。

そう思いついたのも、ブランデンブルク州の外れも外れ、メクレンブルク=フォルポンメルン州との県境に「マイエンブルク城モード博物館(Modemuseum Schloß Meyenburg)」というものが存在することにたまたま気づいたからである。

日曜の朝、「本日のプログラムはモード博物館に決定!」と高らかに宣言したが、夫はファッションには興味がない、自分はまだ寝ていたいと言う。そこで今回は一人で出かけることにした。

 

 

行ってみると、Meyenburgは眠ったような町であった。メインストリートを通過しても、何か面白そうなものがありそうには見えない。

しかし、探していた城、マイエンブルク城(Schloß Meyenburg)は確かに存在した。

こじんまりとしているが、素敵なお城である。

 

表に小さな看板が出ている。

しかし、入り口のところで「写真撮影はダメですよ」と言われてしまい、軽くショックを受ける。ファッションのミュージアムなのに写真が撮れないとは。そこで、展示が気に入ったらブログで紹介したいのだがと相談したところ、特別に後から写真を何枚か提供して頂けることになった。よかった、よかった。ということで、ここから掲載する全ての写真の著作権はModemuseum Schloß Meyenburgにある。

 

このモード博物館では、東ドイツFürstenwalde出身の服飾デザイナーでありジャーナリストのJosefine Edle von Kreplさんのプライベートコレクションを展示している。コレクションの内容は1900年代から1970年代までのドイツの女性の衣装とアクセサリーだ。

 

展示は年代順に、1900年頃の衣装群から始まっている。

©Modemuseum Schloß Meyenburg

ヨーロッパでは英国で1881年に”Rational Dress Society”が設立され、女性の服装の改革運動が始まった。きついコルセットで体を締め付けた「女性らしさ」よりも快適さや合理性を重視すべきだという考えが広がりつつあったのだ。しかし、女性たちがそれまでの理想像から解放されるまでには長い時間を要した。1906年、フランスのデザイナー、ポール・ポワレがコルセットを必要としないデザインのドレスを考案したことにより、女性の服装が大きく変化することになる。

モード博物館に展示されているこの時代の衣装は、いわゆる女性的なオーナメントが少なく、男性の服装を連想させるものが多い。

 

©Modemuseum Schloß Meyenburg

1910年頃のサマードレス。この頃、服飾の世界に初めて実用性と美的要素を組み合わせた「デザイン」という概念が生まれた。ドイツ語圏では1911年に「ウィーン工房」が設立される。

 

©Modemuseum Schloß Meyenburg

1920年代のドレス。この頃にはベルリンがドイツのファッションの中心地となっていた。

 

©Modemuseum Schloß Meyenburg

同じく1920年代の服装。この辺りのデザインは現代でも通用しそう。

 

©Modemuseum Schloß Meyenburg

1920-30年代に流行したオリエンタリズム。

 

ナチスの時代に入ると、ドイツはファッションにおいても「アーリア化」を進めた。ヒトラーはウィーンとベルリンをパリに代わるファッションの発信地にしようと計画したが、成功しなかったようだ。

©Modemuseum Schloß Meyenburg

1940年代のドイツの女性の服装。

 

©Modemuseum Schloß Meyenburg

1940年代のバッグ。

 

©Modemuseum Schloß Meyenburg

1950年代のファッションの理想はイタリアのカプリ島のイメージだったそうだ。(といっても、写真のドレスのような服装がカプリ島を連想させるものであるかどうかは私にはよくわからない)

 

©Modemuseum Schloß Meyenburg

 

©Modemuseum Schloß Meyenburg

1960年代の部屋。この時代には技術の進歩により、それまでには使われていなかった素材が使われるようになり、服飾デザインは大きく変化した。ミニスカートのような斬新なアイテムが登場し、ファッション産業のターゲットが若者にも広がった。

 

©Modemuseum Schloß Meyenburg

1970年代。こういう帽子、私も子どもの頃に被っていたなあ。

 

写真で紹介した他にも、多くの衣装やアクセサリーが展示されていて、面白い。まだ行ったことがないのだが、ベルリンにはアール・ヌーボー(ユーゲントシュティール)やアール・デコのインテリアを集めた美術館があるので、このモード博物館と合わせて見ると、より面白いかもしれない。

それにしても感じたのは、女性の服装には実にいろんなスタイルがあるなあということ。現在の流行ではなくても気に入るものはたくさんある。時代など構わずに、みんなそれぞれ好きなものを身につけたらいいのになどと思ってしまった。そんなことをしたらモードというものそのものが消滅してしまうかもしれないが。

 

服飾史に興味のある人は楽しめるミュージアムだと思う。Meyenburgは先に述べたように他にこれといったものがあるわけではないのだが、北に20kmほど行くとメクレンブルク湖沼地帯(Mecklenburg Seenplatte)と呼ばれる大変風光明媚な人気保養地が広がって入る。湖沼地帯での休暇と組み合わせると良いかもしれない。

 

 

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