ドイツでもコロナウイルスの感染が広がり、10日ほど前から外出が制限されている。大好きな博物館もすベて閉まってしまった。しばらくの間は「まにあっく観光」もお預けである。幸い、健康維持のための散歩は許可されている。散歩なんかいつでもできると思っていたけれど、こんな状況下では散歩の時間がとても貴重に思えて来る。
冬の間、「鳥活」と名付けたバードウォッチングにハマっていた私。外に出ると鳥を探して上ばかり見ていた。でも、春になって植物が芽吹き出したら、今度は地面も気になる。そこで、鳥活に加え、花活も始めることにした。散歩の際には植物識別スマホアプリ、Flora Incognitaで路傍の花を調べまくるのだ!
マックス・プランク研究所とイルメナウ工科大学が開発したこのアプリ、素晴らしいのよ。散歩が数倍楽しくなる。たとえば今日は、うちの近所の湖のほとりを歩いた。
この花はBusch-Windröschenという花だとわかった。このアプリは日本語には対応していないけど、学名(Anemone nemorosa)も一緒に出て表示されるから、和名も調べやすい。和名は「ヤブイチゲ」だって。
で、説明が詳しいのよ。植物学的分類や特徴、植生の他、毒性や用途、受粉、保護されている植物かどうか、個体数は増えているか減っているか等まで知ることができ、ドイツ全国の分布マップも見られる。キンポウゲ科イチリンソウ属のこのヤブイチゲの葉はリュウマチの外用薬として使われるんだって。ありふれた野草で、ドイツ全国いたるところで見られるようだ。
漢方では古くから鎮痛剤として使われて来た。ギックリ腰にもいいらしい。
アプリで調べた植物データは「私の観察」として保存されるので、後から見直すにも便利。撮影した場所も自動的に記録される。姉妹アプリ、Flora Captureで撮影した植物の写真を送信するとデータバンクに登録され、学術研究への貢献にもなるって、ちょっといい気分だよね。
こんなわけで、散歩のたびに目についた草花の写真を撮って調べている。一緒に散歩に出る夫も「なにそれ?面白そー」と早速アプリをダウンロードしていた。外出制限措置がいつまで続くかわからないけれど、解除になる頃にはちょっとは野の草花に詳しくなっているかもね。