2022年がもうすぐ終わる。

2017年3月に始めたこのブログ、開始当初とはずいぶん方向性が変わったなあと自分で思う。探索を記録したいというのは変わっていないけれど、続けているうちに興味の対象や目的が少しづつ変化していっている。自分が住んでいるドイツ国内のマニアックな観光スポットを巡ろうというモチベーションから始まったので、「まにあっくドイツ観光」と名付けて面白そうな観光スポットを手当たり次第、回っていた。あちこちで知らないもの、未知のテーマに触れ、多少なりともその背景を調べていくうちに、この世の中は自分の知らないことばかりだとつくづく感じるようになった。面白い場所は当然ドイツだけではないので、途中から「ChikaTravel」とタイトルを変えてドイツ以外の国についても体験を記録するようになった。

そして、興味深いことが無限に存在する中で、詳しく知りたい、学びたいと感じるいくつかのテーマが浮かび上がって来た。幅広くいろんなものに触れたいと思う一方で、特定のテーマについて深めていきたいという気持ちが少しづつ強くなっている。

「深める」ことについて、今年は貴重な機会を得た。YouTubeチャンネル「ベルリン・ブランデンブルク探検隊」を一緒に運営しているライター、久保田由希さんと二人でドイツの建物についてまとめた本が、『ドイツの家を町並み図鑑』というタイトルで11月にエクスナレッジ社から出版されたのだ。

 

由希さんと私がそれぞれ撮影したドイツの魅力的な住居の写真を、それらが建てられた背景の説明とともに紹介したもの。書籍にまとめるにあたって膨大な資料にあたり調べるのは思った以上に難しい作業だったけれど、このプロジェクトを通じてドイツの住居建築について掘り下げることができてとても楽しかった。私がこのプロジェクトに参加できたのは、ドイツに関する本を過去に十数冊も出しているベテランのライターである由希さんが「一緒にやろう」と誘ってくれたからである。由希さん、ありがとう!そして、ドイツの一般住居建築というマイナーなテーマの本を企画し、世の中に出してくださったエクスナレッジ社の担当者さんにも感謝の気持ちでいっぱい。

 

「広げる」に関しては、今年の春から半年間、野生動物の痕跡を追うアニマルトラッキングの訓練を受けた。過去数年、コロナ禍で長い間遠出ができなかったこともあって、身の回りの自然について知りたい気持ちが強くなったのである。思いつきで受講を決めて飛び込んだアニマルトラッキングの世界は、まったく想像が及ばないほど深くて、少し手解きを受けただけで目に見える景色がすっかり変わってしまった。つくづく、新しい視点を得る喜びは大きい。アニマルトラッキングという視点を得たことで、ドイツ以外の場所を訪れるときの体験も変わっていく。これからもっと深めていきたい。

新しい体験をすると、それについてもっと知りたい欲が出て来る。それで関連書を読んだりして調べる。多少なりとも知識を得ると、それが次の体験に繋がる。無限ループだ。そんなわけでこのブログに記録する内容が今後どんなふうに展開していくのか、自分でもよくわからないけれど、興味の連鎖反応が途切れない限り、体験し、調べ、記録することを続けていこう。