Latest News
Everything thats going on at Enfold is collected here
Hey there! We are Enfold and we make really beautiful and amazing stuff.
This can be used to describe what you do, how you do it, & who you do it for.

5ユーロで大満足なハノーファーのニーダーザクセン州立博物館
まにあっくドイツ観光ニーダーザクセン編、ブラウンシュヴァイクで恐竜展を堪能した後はハノーファーへ移動した。ハノーファーでミュンヘンの友人と合流し、一緒にDörverdenという村へ行くことになっていた。せっかくだからハノーファーでも何か見ていこうということで、ニーダーザクセン州立博物館へ。
この博物館の特徴は自然史博物館、考古学博物館、文化人類学博物館、美術館、コイン博物館という5つの博物館がシームレスに合わさって一つの博物館になっていること。外観の写真を撮り忘れてしまったが、マッシュ湖に面した壮麗な建物である。展示物の非常に充実した3階建ての博物館の入館料はわずか5ユーロ(特別展は除く)。私たちが訪れた日はたまたま3階の美術館部分が改装中で、4ユーロに割引になっていた。従って、見たのは1階の自然史部門(Naturwelten)と2階の考古学・文化人類学部門(Menschenwelten)のみだけれど、それだけでも十分に満足できた。(2026年3月追記: 入館料は値上がりして10ユーロになっています!)
まず自然史部門(NaturWelten)。水中世界の展示から始まっている。
天井のパネルは波を表している。それぞれの水槽には世界の様々な地域の水界生態が見られる。一見、普通の水族館なのだが、この博物館の展示には他の博物館にはない特徴がある。それは、「生き物と一緒に化石を展示している」ことだ。
古生物と現生生物を一緒に展示することで、生物について知ることができるだけでなく、同時に進化や地球の歴史に触れることもできる。これはすごく面白いコンセプトだと思った。
長尾類のAeger tipularius。ゾルンホーフェン石灰岩から発見されたもの
英国、サマセットで発掘されたイクチオサウルス(Ichthyosaurus communis)。
私の好きなベレムナイト化石も珍しいものが展示されていて嬉しかった。
これはオパール化したもの。綺麗だなあ。
深海コーナーも面白かった。
シギウナギ (snipe eel)
深海の展示で興味深かったのは、マンガン団塊やメタンハイドレートなどの海中資源とその採掘による環境負荷に関する説明やブラックスモーカーとその周辺に棲息する生き物に関する展示など。
自然史部門の展示は水中から始まり、干潟→海岸→陸へと移動して行く。
白亜紀のニーダーザクセンは赤道近く(現在のリビアのトリポリあたり)に位置し、島の連なる環境だった。空には翼竜が飛び、水中や陸にはワニや恐竜、亀が棲息していた。写真の化石は2種類の異なる恐竜の足跡が重なったもの。片方は肉食性の恐竜でもう片方はイグアノドン類のものだそう。出土地はハノーファーから西に20kmほどのMünchhagenという場所。今調べてわかったのだけど、Münchhagenには恐竜テーマパークがある。
プラテオサウルス
古生物がマイブームだからってそればかり紹介するのも偏るので、そろそろ2階のMenschenWelten(ヒトの世界)にも目を向けよう。
ここから人類が登場。これまた面白い。
そしてそのまま考古学の展示へと続いて行く。

石器時代から青銅器時代、鉄器時代へと時系列なのは他の考古学博物館とほぼ同じ。
これは傑作。6〜7 世紀の金の首飾り。出土地はGifhorn。
ローマ時代や中世を経て植民地時代へ。ここからは文化人類学の世界だ。
ペルーの陶器
中国のタイプライター
今回見ることのできなかった美術部門(KunstWelten)には中世から近代までの美術作品やコインが展示されている。古生物から近代美術までを一つの流れの中で見せる工夫が素晴らしい。明るいサンルームのカフェもあるので途中で休憩を挟みながらたっぷり時間をかけて楽しむのも良いし、ハノーファー近郊に住んでいるならその時ごとに重点を絞って何度も足を運んでも良いと思う。年間パスも個人が25ユーロ、家族パス50ユーロと手頃。しかも、金曜日はなんと無料!絶対に損のない博物館だ。
スピノサウルスの謎。ブラウンシュヴァイク、ダンクヴァルデローデ城「騎士の間」で恐竜展
前回の記事に書いたように、ブラウンシュヴァイク自然史博物館ではスピノフォロサウルスやイチクロサウルスの化石などを見たが、スピノサウルス展を見るためダンクヴァルデローデ城へ移動した。
ダンクヴァルデローデ城の外観を撮り忘れてしまったが、こんな感じ。
受付でチケットを見せると、「スピノサウルス展なら二階の騎士の間です」と言われ、階段を上がる。
わっ。なんか凄そうな広間!入り口に「スピノサウルス 〜 謎の巨大恐竜」と書かれた大きなパネルが置かれている。このスピノサウルス展はナショナルジオグラフィックとシカゴ大学による移動展覧会であるらしい。
「騎士の間」の内装は素晴らしく、それ自体が拝観に値するが、そこに大きなスクリーンが設置され、スピノサウルス発掘ドキュメンタリー動画が流れている。これから何が始まるんだろうという期待感が高まる空間演出だ。
中世の広間と恐竜は一見ミスマッチだが、ブラウンシュヴァイクでスピノサウルス展が開催されているのは偶然ではない。なぜなら、スピノサウルスを初めて学問的に描写したのはブランシュヴァイク出身の古生物学者、エルンスト・シュトローマー男爵だったからだ。1912年、シュトローマー男爵を含むドイツの化石発掘調査隊がエジプトで巨大な生き物の化石を掘り当てた。シュトローマーはこの生き物を「スピノサウルス(Spinosaurus aegyptiacus)=エジプトの棘のあるトカゲ」と命名した。
発掘された恐竜の骨とシュトローマー。
シュトローマーによるスピノサウルスの描写
化石の分析の末、シュトローマーはスピノサウルスはティラノサウルスをも超える巨大な肉食性恐竜だったと結論づけた。発掘した化石の全てをドイツに運ぶことはできなかったが、シュトローマーの持ち帰ったスピノサウルスの骨の一部はミュンヘンの博物館に保管された。しかし、第二次世界大戦におけるミュンヘン空爆で焼失してしまう。
シュトローマーにより再現されたスピノサウルスの棘
失われ、忘れ去られていたスピノサウルスだが、シュトローマーの発見から約100年経過した2013年、再びその化石が発見され、古生物学界にセンセーションが巻き起こった。新たな発見者はドイツ生まれのシカゴ大学古生物学研究者、ニザール・イブラヒム(Nizar Ibrahim)氏。イブラヒム氏のスピノサウルス発掘物語はまるで推理小説のようだ。2008年、博士論文の調査のために赴いたモロッコで同氏はベドウィンの商人からいくつかの「恐竜の骨」を見せられた。そのうちの一つがイブラヒム氏の関心を引く。巨大な棘のかけらのように見えるその化石には赤い特徴的なラインが入っていた。
そしてその数年後、イブラヒム氏はミラノの自然史博物館でモロッコで見たものとそっくりな恐竜の骨に遭遇する。その骨にもやはり赤いラインが入っていたのだ。「あのとき見た骨はこの骨と同一の恐竜のものでは!?」
こうしてイブラヒム氏のスピノサウルスを探す旅が始まった。勢い勇んで再びモロッコへ飛んだものの、あの時の商人の名前も住所もわからない。ほとんど手掛かりの無いまま数ヶ月間探し回ったが、なしのつぶてだった。しかし、諦めて往来の茶屋でミントティーをすすっていると、なんという偶然か、くだんの商人が通りかかったという。「あのときの骨はどこで見つけたんだ?場所を教えてくれ!」2013年、イブラヒム氏率いる発掘調査隊はモロッコへ向けて出発した。そしてベドウィンの男に教えられたケムケム層から、幻のスピノサウルスを含め、数々の恐竜化石が見つかったのである。
すごい話だなあ。このスリリングな冒険物語をワクワクしながら読み終わり、パーティションで仕切られた広間の反対側へ出た。すると、、、、。
これがスピノサウルスだ。シュトローマーの研究から100年を経て、イブラヒムの再発見によりスピノサウルスの全骨格標本復元が実現したんだね。
口はワニのように細長い。鼻の穴は小さく、口の先端からはかなり距離がある。スピノサウルスは水棲で、水中の獲物を捕らえる際に息がしやすいように頭部がこのような形に進化したと考えられるそうだ。魚のようなヌルヌルした獲物をしっかりと掴めるよう、指は長く、鋭い爪が付いている。後ろ足の短さも水棲生物の特徴だという。
この長い尻尾と大スクリーンのサハラ砂漠!ただただ圧倒されるのみ。
スピノサウルスの他にもカルカロドントサウルスや、
デルタドロメウス、
アランカ・サハリカなどが展示されている。
これは相当に面白い展覧会。とにかくロケーションが素晴らしい。9月9日までなので、見たい方はお早目に。
イブラヒム氏のTED動画
ジュラシック・ハルツ!恐竜研究の重要拠点ブラウンシュヴァイク自然史博物館
ニーダーザクセン州へ週末旅行に行って来た。バイエルン州に住む友人とハノーファーで待ち合わせていたが、ハノーファーまでただまっすぐ行くのではなんだかつまらない。途中でどこか立ち寄ろうかと地図を眺めたら、まだ行ったことのない都市、ブラウンシュヴァイクが目についた。軽く検索したら、「ブラウンシュヴァイク自然史博物館」がある。現在、スピノサウルスの特別展を開催中だという。よし!ではそこへ行ってみることにしよう。
州立自然史博物館はブラウンシュヴァイク大学の建物に隣接している。
博物館の前で大きな恐竜が迎えてくれた。これはスピノフォロサウルス(Spinophorosaurus nigrensis)のモデル。名前が似ていて紛らわしいが、スピノサウルスではない。ブラウンシュヴァイク自然史博物館の発掘調査隊が2005年にナイジェリアで発見した植物食の竜脚類のモデルだ。スピノフォロサウルスが発掘されたことにより、2010年に同博物館に恐竜の間(Dino-Saal)が新たに設けられたそうだ。
こちらの小さい恐竜は1998年にハルツ地方のゴスラー付近で発掘されたエウロパサウルス(Europasaurus holgeri)の実物大モデル。モデルの手前に見えるのは恐竜の足跡のついた砂岩の板。また、スピノフォロサウルスとエウロパサウルスの周りには周辺地域で採れた種類の異なる石が配置されている。というのも、ブラウンシュヴァイクはドイツ国内で地質学的に特に興味深いエリアに位置しているのだ。隣接するハルツ地方を中心とする東西約100km、南北120kmのエリアはユネスコ・グローバルジオパーク(UNESCO-Geopark Harz. Braunschweiger Land. Ostfalen)に認定されており、ドイツ最大のジオパークだという。そしてこのジオパークの特色は、古生代から新生代までのほぼ全ての地質年代の岩石が観察できることなんだって。そんなすごい地域だったとは!(詳しい情報はこちら)
そのような自然条件の地域に位置する自然史博物館だから、当然、見応えがある。
まずは標本室。素晴らしい〜!
標本室が大好きな私はうっとり。でも、爬虫類などの標本は苦手な人もいるかもしれないね。
でもほら、標本ってこんなに美しい。
哺乳類の剥製は見るとかわいそうな気にもなるけれど、でも、こんな生き生きとした剥製、すごいなあ。
標本室以外にも見所はたくさんだ。フェルディナント・アルブレヒト1世のお宝コレクションを展示したSchatzkammerには珍しいものが並んでいる。
装飾を施したオウムガイとか、、、。
背中の穴で卵を孵化させるコモリカエル(ピパピパ)。ちょっと気持ち悪いけど、あまりに不思議なのでついじーっと見てしまう。こういうの苦手な方、すみません。
2011年にブラウンシュヴァイク付近(Hondelage)で発見されたジュラ紀の魚竜化石2体。ステノプテリギウスの全骨格にユーリノサウルスの骨の一部が重なった状態で埋まっていた。
こちらはプシッタコサウルス。中国で発見されたもの。
これもまた珍しい展示物。ステラーカイギュウと呼ばれる絶滅した海棲哺乳類の骨格だ。1741年にドイツの自然史学者、ゲオルク・ヴィルヘルム・ステラーによりベーリング海で発見された。
まだまだ続々と出て来るが、写真を貼っていたらキリがないので、「恐竜の間」についてはオープン当時の紹介動画を貼っておこう。
思いつきで立ち寄ったブラウンシュヴァイクだったので、実はそれほど期待していなかった。来てみてびっくり。ブラウンシュヴァイクからほど近いニーダーザクセン州ハルツ地方は「ジュラシック・ハルツ」とも呼ばれ、ドイツの恐竜研究の重要拠点であることがわかった。機会があればジオパークも訪れてみたいな。
と、すっかり満足して、うっかりしてこのまま帰ってしまうところだった。そういえばスピノサウルスの特別展示をやっているはずだけれど、肝心のスピノサウルスは一体どこに?スピノフォロサウルスは見たけれど。
受付で聞くと、「スピノサウルス展はここではなくて、ダンクヴァルデローデ城でやっています」とのこと。ダンクヴァルデローデ城は旧市街にあるという。えー、なんで別の場所でやっているの。移動しなきゃならないなんて面倒臭い!と思いながら、せっかく払った入館料を無駄にするのももったいないとシブシブ城へと移動することにした。
ダンクヴァルデローデ城で物凄い光景が私を待ち受けているとはこの時点では思いもせずに、、、、。
(次回に続く)
リューゲン島の白亜の崖とチョーク博物館 (Kreidemuseum Rügen)
週末にバルト海に面するリューゲン島へ行って来た。リューゲン島は広い島で保養地ビンツやナチスの海水浴場プローラなどいろいろな見どころがあるが、今回は白亜の崖とブナの原生林が残る世界自然遺産、ヤスムント国立公園方面へ 直行した。そこに目当ての博物館、「チョーク博物館(Kreidemuseum Rügen)」があるからだ。白亜の崖の「白亜」というのはつまり白亜紀に堆積した地層を意味している。そして白亜とは何かというと、円石藻などの化石から成る未固結の石灰岩、つまりチョークのこと。そのチョークの博物館に行ってみたかったのだ。
海岸沿いの町、Saßnitzに取った宿に到着し、早速レセプションの人に「ここからチョーク博物館へは何分くらいかかりますか」と聞くと、「チョーク博物館って?」と聞き返された。地元のホテルの人でも知らないとは、かなりマイナーな博物館のようだ。
Saßnitzからは車で約20分で着いた。
チョーク博物館は現在は閉鎖されているかつてのチョーク採石場の敷地内にある。
建物に入ってすぐはリューゲン島のチョーク産業史の展示室。
チョーク採石の様子。リューゲン島のチョーク産業の歴史は古い。ハンザ同盟によってバルト海沿岸の貿易が栄えた時代には、リューゲン産のチョークは主に色素や肥料、燃料などとして使われた。現在は化粧品や医薬部外品、タイルなどの床材として使われるほか、環境分野でも様々な用途に使われている。「チョーク」と聞くと真っ先に思い浮かべるのは白墨だけれど、現在使われている白墨はチョークではなく石膏(ギプス)を固めたものなんだそう。
様々なチョーク製品
かつてチョークの採石が行われていた博物館の裏手は現在、こんな風景だ。
そして、少し離れた場所にあり現在も採集が行われている石切場の風景。
チョーク博物館は定期的にこの石切場へのガイドツアーを提供している。
ツアーの目的は化石探しである。このチョークは化石を豊富に含んでいる。ドイツには化石ハンターがたくさんいるようで、全国の多くの石切場が特定の日にハンターに場を開放している。有名なところでは、私と夫が先日行ったゾルンホーフェンなどがある。
リューゲンのチョークの中に見つかるのは、たとえばベレムナイト。白亜紀に絶滅したこの頭足類は現生のイカのような形状をしていた。化石として残るのは写真のような先端部分のみ。
ベレムナイトの他にも貝やウニなど、いろいろな化石が埋まっているけれど、白いチョークの中にチョークにまみれた化石を見つけるのはなかなか難しい。
チョークの地層は白亜紀の浅い海に微小な原生生物の石灰質の殻(円石藻)が堆積してできたもので、それ自体が化石である。写真の丸いのが円石藻(Cocolith)。リューゲン島のチョーク層には1㎤あたり約8億個もの円石藻が含まれているんだって!!
そして、このコッコリスの山の中には、しばしばフリント(Feuersteine)が形成されている。白い地層の中に帯のように黒く光沢のある石が並んでいるのが見えるだろうか。フリントは火打ち石とも呼ばれるもので、非常に硬い上に簡単に剥離するので石器時代の人類はこれを加工して道具や武器を作っていたんだよね。私はフリントが好き。外から見ると白いのに割ると中が艶々と黒くて不思議。考古学博物館ではフリントで作った石器をよく見かける。だから、フリントを手にするとなんだか自分が過去の世界と繋がったような気がするのだ。
私の手持ちフリント。リューゲンやデンマークの白亜の崖で拾ったもの。(注: 左下の丸くて黒い、斑点のある石はフリントではありません)
チョーク博物館にはいろいろなタイプのフリントが展示されている。海岸などで見かけるフリントはこういう感じに白と黒がぶちになっているタイプが多いんだけど、
縞々タイプとか、
でも、そもそもフリントってどうやってできるんだろう?「Geologie Deutschlands(ドイツの地質)」という本のリューゲン島のページを見たら、フリントとは潜晶質石英が長い時間をかけて地層の中で塊になったものであると書いてあった。チョークは湿っていれば柔らかく、モロモロとしてすぐに崩れるが、中にフリントが入っているとずっしりと重い。
博物館内にはいろんな化石の標本も見ることができる。化石には、古生物自体が残っているもの(体化石)と痕跡だけのもの(生痕化石)があルガ、生痕化石には古生物の内側の空洞に詰まった堆積物がその生物の形に固まったSteinkern(石核)と呼ばれるものも含まれる。こんな見事な石核を見てびっくり。
すごくない、これ?
地元のボランティアらにより運営されているというこのチョーク博物館、マイナーだけれど私にはすごく興味深かった。でも、まだまだ地学分野の素養が乏しくて理解が不十分。少しづつ学んでいこう。
チョーク博物館でチョークの展示を見た後、Saßnitzからチョークの崖に沿って歩いた。
岸辺の石はフリント。
崖に斜めの帯状のフリント層があるのが、わかるかな?
目に見える化石が埋まっていないか探したけれど、残念ながらほとんど見つけられなかった。大雨が降って土砂が崩れると探しやすくなる。今年のドイツは日照りで雨がほとんど降っていないからなあ。たまたま親族に円石藻の研究者がいて、私が「化石が見つからなかった」と報告したら、「私にとってはその地層の全てが化石」だと言った。なるほど確かに。そう知ると、もともとロマンチックな白亜の景色がますます魅力的に感じられるね。
Googleマイマップでドイツ植物園・植物関連施設マップを作った
Googleマイマップを使った「まにあっくドイツ観光マップ作りプロジェクト」。第一弾は「ドイツ考古学スポットマップ」、第二弾は「ドイツ自然史博物館マップ」だった。第三弾として今回は「ドイツ植物園・植物関連施設マップ」を作った。
マップのサブカテゴリーは「植物園」「ハーブ園」「バラ園」「日本庭園」「その他の植物関連施設」とした。
植物園だけを表示したところ。ドイツの植物園の大半は各地の大学の付属施設で、各州の大学都市にはほぼ必ず植物園がある。花のアイコンは庭園タイプの植物園で木のアイコンは樹木園などのパークタイプと一応分けたけれど、厳密ではない。(分けるのが難しいので、、、、)
これはハーブ園マップ。薬草学は中世に修道院で発達した(修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの薬草学が有名)ので、ハーブ園は修道院との関連性が高い。ほぼ全ての修道院がハーブ園を持っていると思われるが、ごく小さいものまで入れると膨大な数になるのでとりあえず主要なハーブ園を反映している。
これはバラ園。いくつかあるが、バート・ナウハイムのバラ園はドイツ最古、ザンガーハウゼンのバラ園は世界最大らしい。どちらもまだ行ったことがないので、行ってみたい。
日本庭園マップ。庭園はまた別のカテゴリーなのでこのマップには含めなかったのだが(お城の庭園などを含めると尋常ではないので)、例外的に日本庭園のみ入れた。まだまだあると思うので見つけたら随時追加していく。ちなみにアイコンが赤くなっているのはうちの近所の日本庭園、「Japanischer Bonsaigarden Ferch」である。田舎にあるこじんまりとした庭園だけれど、本格的で日本茶や和菓子が楽しめる喫茶コーナーもある。桜や紅葉の時期はとても綺麗でまるで日本にいるかのようだ。
「その他の関連施設」には主に植物関連の博物館を反映した。
情報を集めていたらマニアックで面白そうなものがたくさんあって嬉しくなってしまった。私は植物に疎くて、まだ植物関連博物館はほんのいくつかしか行っていない。行ったことがあるのは、エアフルトにあるドイツ最古のサボテン園と、
ベルリンの「ヘンプ博物館」。特定の植物に特化した博物館は面白い。これから少しづつ行ってみようと思う。
「ドイツ植物園・植物関連施設マップ」はこちらのリンクから見られるように設定したので、植物の好きな方、よかったらどうぞ利用してください。
これまでに3つのマップを作成した「まにあっくドイツ観光マップ作りプロジェクト」、まだまだ続けていくつもり。「こんなマップが欲しい」というリクエストがあればTwitterで投げて頂ければ作るかもしれません。また、すでに作ったマップも更新して行くので、「こんなスポットもあるよ」というご指摘も歓迎です。
ベルリンのヘンプ博物館 (Hanf Museum Berlin)で大麻の利用史を知る
ここのところ、「まにあっくドイツ観光マップ」作りにすっかりハマっている。ドイツ全国にある観光スポットのテーマ別マップを作成しようという試みで、これまでに「ドイツ考古学スポットマップ」と「ドイツ自然史博物館マップ」を作った。第三弾として植物園・植物関連施設マップを作成中である。ドイツ全国にある植物園の他、植物に関する博物館や学習施設の情報を集めていたら、ふと以前訪れたベルリンのヘンプ博物館を思い出した。大麻に関する博物館で、この「まにあっくドイツ観光」ブログを始める前に行ったので記事化していなかった。でも、写真とメモはあるので思い出しつつ記事にしておこう。これが、なかなか面白い博物館なのである。
ヘンプ博物館入り口
ヘンプ(大麻)はマリファナなどの違法な嗜好品の原料にもなることからなんとなくタブー視されていて、植物としてのヘンプについて詳しく知っている人はあまりいないのではないか。私もよく知らなかった。ヘンプはその部位ごとに用途が異なる。花は医薬品原料や嗜好品として使われ、種からはオイルが採れる。茎の繊維はテキスタイルや断熱材、建材などに利用できる。産業革命による近代化以前、ヘンプは生活のあらゆる場所で使われていた。ヘンプから採れる繊維は縄や布の原料となり、オイルは食用や石鹸の原料として使われた。
館内に展示されているヘンプの苗
ヘンプを原料とする様々なもの
しかし、近代化にともなって多くの労働力を必要とする大麻の栽培は衰退して行った。また、戦後、学生運動が盛んになると嗜好品としてのマリファナ消費が広がり、その撲滅キャンペーンの流れの中で大麻は産業用も含め全面禁止された。
しかし、1990年代からエコロジカルな建材としてヘンプが再び見直されるようになる。ドイツでは1996年に規制が緩和され、一定の条件のもとで産業用ヘンプの栽培が許可されるようになった。とはいえ、栽培許可が得られるのは専業農家のみで、使用できる種も認証を受けたもの(薬理効果を持つ成分、テトラヒドロカンナビノール、THC濃度が0.2%以下の種類)に限られる。また、栽培が禁じられていた20年ほどの間に栽培技術の継承が途切れてしまったため、ノウハウを持つ農家がいない。ヘンプは丈夫で生育が早く、わりあいどこでも育つのであまり世話は必要ないらしいが、収穫はかなり大変で人手がかなり必要なことや、せっかく収穫しても加工業者がいないなど、ヘンプ栽培に踏み切るために農家が超えなければならないハードルは多いようだ。
ヘンプの食料としての利用
農作物としてヘンプを栽培する際にはもう一つ厄介な問題がある。茎から採れる繊維の質が最高の状態になるのは種が熟する8〜12日前なので、昔は収穫してからしばらく置いておき、種が熟すのを待っていた。しかしそれでは工程が多くて効率が悪い。現代では繊維を利用するか種からオイルを採るかのどちらかに特化しなければ採算が取れない状況である。今後、ヘンプ栽培を拡大していくためには、繊維と種の両方を同時に利用する方法の確率が必要だとのこと。
私がこの博物館を訪れたのは平日の昼間だったが、中学生グループが来ていた。展示を見ながらメモを取っていたので、「学校の課題?」と話しかけると、「はい、そうです」と返事が帰って来た。
展示の前半はヘンプの様々な用途や利用の歴史についてだったが、嗜好品としてのヘンプ消費(つまりマリファナ)についても少なくない情報が提示されている。
大麻文化を描いた絵のギャラリー
水パイプなど
この博物館は別に怪しい博物館ではなく、ヘンプという植物に関する総合的な情報が得られる場所なのだが、大麻の合法化を求めるデモ「Hanfparade」参加者の集いの場にもなっているそうで、博物館内に「合法化しようよ」という空気が漂っていないと言えば嘘になる。ちなみに、ドイツでは医療用は2017年に合法化された。
ミュージアムショップにはいろいろなヘンプグッズが売っている。もちろん、薬理作用を持つTHC成分を含まない合法な商品ばかりだ。
ヘンプに関する書籍もいろいろ
ヘンプコンドーム
せっかく来たから何か買っていこうと、いくつか選んでみた。買ったのはヘンプ茶、ヘンプチョコレート、ヘンプドリンク。(念のためもう一度言うけど、THC成分は入ってないので、摂取してもハイにはなりません)
ヘンプチョコレートは甘さ控えめで独特の食感で美味しい。ヘンプ茶はそれほど美味しくはなかったが、飲めないこともない。しかし、ヘンプドリンクは強烈な味だった!あまりにもまずくて、どうしても飲みきれなかった。