久しぶりに一人の日曜日。家族がいないと、なんだか暇だ。どこかに出かけることにしようか。しかし、近場はもう行きつくしてしまった感がある。知っている場所でもいいかなあと思いながら、いつものようにGoogle Mapを眺める。

すると、、、ん?ここになんかあるぞ?白アスパラの名産地ベーリッツ近くの小さな村、Borkheideの外れに「Hans Grade Museum」と書いてある。こんなところに一体何の博物館だろうか。地図上の博物館マークをクリックすると、航空関係の博物館であることがわかった。よし、早速行ってみよう!

Borkheideは南北の長さが2kmにも満たないような小さな村だが、電車の駅はある。駅から線路沿いの未舗装の道を200mほど西に向かって進むと、広大な原っぱにしか見えない飛行場があり、その横の空き地の真ん中に飛行機が鎮座していた。

博物館はここに違いない。飛行場と博物館の間はフェンスで仕切られ、向こう側に回ると入り口があった。

ほー。これは旧東ドイツの航空会社、インターフルーク(Interflug)の旅客機だね?説明看板を読むと、ソ連製のイリューシン18(Il-18)という飛行機だと書いてある。

よくわからないが、ターボプロップエンジンというものらしい
DDRと大きく書かれていて目立つ
下から見上げたところ

この日は博物館の係員は見当たらず、見学者は私を含めて数名のみだったが、ときどきイベントもやっているようなので、その際にはタラップを上がって飛行機の中を見ることができるのかもしれない。

こちらはドイツ機の修理工場としてチェコのクノヴィツェに設立された航空メーカーLET製農業用小型飛行機Z-37。1960年代から主にDDRの森林および農地への農薬散布に使われた。ブルガリア、フィンランド、英国、インド、イラク、ユーゴスラビア、ポーランド、ハンガリーおよびモンゴルにも輸出されていたそうだ。

その他には、、、

おおーっ。ヘリコプター!(実はヘリコプター好き)これはソ連のカモフ設計局が開発した多目的ヘリコプターKamov Ka 26。1966年から 1985年にかけて850台が製造された。

これは言わずと知れた東ドイツのトラバント。何も書いてないのではっきりわからないけど、P60かなあ?

ツヴィッカウ工場のステッカーが貼ってある
これは特定できなかった。ご存知の方がいたら教えてください

ちなみに博物館名のHans Gradeは、1879年に旧東プロイセンのコシャリンに生まれの空港パイオニア。ベルリンのシャルロッテンブルク工科大で学び、自動車および航空機メーカーGrade Motor Werkeを設立した。軍用飛行場のあったこのBorkheideに拠点を移し、軍用飛行機を修理及び自動車の生産を行なった。

Borkheideのメインストリート脇の変電ボックスはHans Grade柄に色が塗られている

なかなか面白い博物館だ。我が家から片道わずか25kmほど。家の周辺にもまだ知らないものがあるものだなあ。

飛行機やトラバントに興味のある方は、是非、以下の過去記事も合わせてどうぞ。

ライト兄弟にインスピレーションを与えたドイツの航空パイオニア 〜 アンクラムのオットー・リリエンタール博物館

ベルリン軍事史博物館 (Militärhistorisches Museum Flugplatz Berlin-Gatow)

Google マイマップでドイツ航空関連スポットマップを作った

ツヴィッカウのトラバントミュージアム、Intertrab