過去旅風景リバイバル、米国編その7はアリゾナ州グランドキャニオン国立公園(Grand Canyon National Park)。言わずと知れたメジャーな観光地で世界中の旅行者に語り尽くされているけれど、アリゾナ州を旅するなら、やっぱり外せない。なぜなら、あれほど巨大でダイナミックな自然の造形に旅行者が簡単にアクセスできる場所は世界中にそれほど多くないと思うから。
南縁、サウスリムからの眺め。この写真は2013年のものだが、グランドキャニオンを訪れるのはこのときが初めてではない。私は大昔、二十歳のときに同じ場所に立ち、同じ風景を目にしていた。でも、そのときには、是非とも見てみたいと思って行ったグランドキャニオンなのに、目の前に広がる景色があまりにも不思議で現実のものだという実感が湧かず、感動的なのかどうかもよくわからなかったのを覚えている。それから何十年もの月日が経過し、その間にいろいろな場所でいろいろな風景を見て来たからか、2度目に訪れたこのときには、そのとてつもない規模を実感することができた。
さまざまな種類の堆積物がレイヤーとなり、岩肌に縞模様を作っている。ここはかつて浅い海だったときもあれば、乾燥した砂丘地帯だったときもあった。この風景には20億年にも及ぶ環境変化が記録されている。そして、このような深い谷をその上から一望することができるのは、およそ7000年前、この一帯が地殻変動によって隆起してコロラド高原という台地となったからだ。高いところでは海抜3000メートル以上もある。そこを流れるコロラド川が勢いよく流れて岩盤を削り、深い峡谷を作った。そういえば、規模はこれよりも小さいけれど、似たような景色がカナリア諸島のグラン・カナリア島にもある。グラン・カナリアでは谷に道路が通っていて、ドライブしながら渓谷の驚くべき地形を眺めることができた。
Mather Pointからの眺め。
グランドキャニオンへは2度行ったことになるが、いずれのときもメジャーなサウスリムのみ。いつかまた行く機会があったら、そのときにはノースリムに行ってみたいな。
参考: National Park Serviceウェブサイト