Googleマイマップを使ったまにあっくドイツ観光マップ作りの第四弾は「ドイツ灯台マップ」。

今回は自分のアイディアではなく、灯台ファンの方に「灯台マップを作ってみては」と言われてやる気になった。灯台マップと聞いたとき、「それは簡単だ。ドイツは北にしか海がないから、灯台の数なんてたかが知れているだろう」と甘く見ていたのだが、とんでもなかった。

まず、自分は灯台の定義をそもそも分かっていないということが判明。「灯台って、あの岬に立ってる赤と白のシマシマのやつでしょ」くらいの認識しか持っていなかったが、そのようなわかりやすい灯台は世の中に数多くある灯台のうちのごく一部。一口に灯台といっても機能は様々で、その機能により立地も高さもまるで違う。灯台と聞いて私がイメージするものは「沿岸灯台」というもので、その他に「防波堤灯台」「灯標」「灯浮標」「照射灯」「堂塔」「指向灯」などがあると分かった。(参考資料: 不動まゆう著「灯台はそそる」)

マッピングそのものも難航した。沿岸灯台とその他の関連灯台が距離的に近く、GoogleマイマップではGPSデータでの登録ができないのでマップ上に灯台らしきものを見つけても、どれがどの種類の灯台なのかを見極めるのが異常に難しい。一般的に「灯台」はドイツ語ではLeuchtturmと呼ぶのだが、Leuchtfeuerという言葉もある。両者は同じものなのか、違いがあるのか、または重なりがあるのか?さらには、Molenfeuer、Richtfeuer、Leitfeuerなどの用語はそれぞれ日本語の何に当たるのか調べるのが大変、、、。

次のハードルは分類である。見つけた灯台を片っ端からマップに登録したが、全国に120近くある(もっとあるかもしれない)灯台をただベタベタ貼るだけでは特殊マップとしての意味があまりないので、なんらかの分類をしなければならないが、どう分類したものか悩んだ。機能で分けるのか、それとも外観タイプ(レンガ造り、石造り、赤白タイプ、等)で分けるのか、あるいは、、、、。搭載しているレンズの種類や塔の高さ、建築年、現在も使われているかなど、それぞれの灯台に関する情報は多くあり、どこに焦点を当てたら良いのか。

散々迷った末、カテゴリーはシンプルに「登れる灯台」と「その他」に分けることにした。実は私はドイツの灯台はこれまでほんのいくつかしか見たことがない。視界に入ったものを数えるなら10基ほどあるような気がするが、意識的に見たのは3つくらいである。そのうち、バルト海の海岸に立つ灯台、Darßer Ortには登ったが。灯台マッピングをしているうちにドイツには魅力的な灯台がたくさんあることに気づき、いろいろ見に行きたいと感じ始めた。せっかく行くなら登れる方が良い。そこで「登れる灯台」をまとめることにした。以下がその結果。

登れる灯台は31基見つかった。見ての通り、ドイツの灯台は北海とバルト海に集中しているが、河川や湖に建てられたものもいくつかある。青いアイコンは現在も使われている灯台で、黒いアイコンは今ではもう使われていない灯台だ。ナビゲーション技術が進化するにつれ、航路標識としての役目を終える灯台が増えて行く。

灯台アイコンをクリックすると関連情報と画像が出るようにした。塔の高さや外観タイプ、その他の特徴など。それぞれの灯台の関連サイトをリンクしたので技術データや見学可能な時間など、すぐにチェックできて便利(だと思う)。宿泊できる灯台は6つ見つかった。結婚式のできる灯台も15基ほどある。泊まれる灯台にもぜひ泊まってみたいが、私が気になるのはやはり、博物館になっている灯台だ。その意味で一番行ってみたいのはLeuchtturm Wangarooge Alter Turm。

こんなわけで、作業を開始してから随分時間がかかってしまったがどうにかまとまった。(マップはこちらから見られます)シェアついでに面白い外観の灯台の画像をいくつか貼っておこう。

Image: Wikipedia

これはLeuchtturm Neuwerk。塔高39メートル。

 

Image: Wikipedia

Leuchtturm Travemünde。塔高31メートル。

 

Image: Wikipedia

この可愛い灯台、Leuchtturm Moritzburgは「中国のパゴーダ」と呼ばれているそう。

 

Image: Wikipedia

ボーデン湖の湖畔に建つLeuchtturm Lindau。美しいねー。

 

Image: Wikipedia

でもやっぱり灯台は赤と白がいい。Leuchtturm Amrum。

 

Image: Wikipedia

Leuchtturm Warnemünde。シックで素敵。

 

灯台マップづくりはかなり難しかったが、苦労した甲斐があって灯台を見る目が少しは養われた気がする。灯台には通り名や番地のような住所がなく、先に書いたようにGoogleマイマップではGPSによる登録ができない。だから、すでにマップ上にあるスポットに頼らずを得ず、位置がどこまで正確なのかわからないのが難点なのだけれど、今後、灯台に実際に行った際、または新たな情報が得られたら随時追加していきたい。