友人とベルリンのコンピューターゲーム博物館(Computerspielemuseum)へ行って来た。
旧東ドイツ時代にCafé Warschauというカフェだった空間を改装し、1996年にオープンした。この博物館は楽しい!歴代のコンピューターゲームが展示されているのだが、ゲームで実際に遊ぶことができる。
70年代から今日までの主なゲームを紹介する壁。コントローラーで任意のゲームの名前の書かれたタイルをクリックすると、上部のモニターに説明が表示される。ゲームに疎い私も知っているゲームがいくつかあった。自分自身はほとんど遊んだことがなくても家族(弟、夫、息子)がハマっていたものはBGMに聞き覚えがあり、当時の記憶が蘇って来る。一緒に展示を見たT氏は私とは年齢ギャップがあるので、「あ〜、これ知ってる!」「懐かしい〜」の対象が異なっているのも面白い。
1972年にアタリが発表した卓球ゲーム、PONG。
後ろを見て大笑い!
特に楽しいのは80年代前半のゲーセンへとタイムトリップできるこちらの空間だ。
スペースインベーダー。懐かしいね〜と言いつつ私もちょっとやってみたら、30年以上のブランクの後ではもうまるっきりダメだった。
こういうテーブル式のゲーム台、サテン(とかつては呼んでいた)にあったのだけど、中学生にはなんか背徳感があったよなあ。そういえばパックマンゲームには忘れられない思い出がある。私は1982〜3年に米国へ高校留学したのだが、1983年に米国ではパックマンが大流行していた。日本ではもうマリオブラザーズが発表されていたので、「え、今頃?」と戸惑った。生まれて初めて体験したタイムギャップだった。
古いゲーム(1979)ながら魅力的だなと感じたのは「アステロイド」。写真ではわかりづらいけど、画面が3D風でちょっとワクワクする。そういえば「ギャラクシアン」というのもあったなあ。
ゲーム機のある家庭風景を再現したコーナーも面白い。
ゲームは娯楽として楽しいだけではなく、学習用のゲームや特殊な訓練のためのシミュレーションゲームなど特定の効果を期待して作られているものも多いのは周知の通りだが、トラウマの治療にもゲームが使われていることを知って興味深かった。
これは2005年にVirtually Better社が発表したPTSD治療用のゲーム、Virtual Iraq。認知行動療法に基づくセラピーでトラウマを克服することを目的に作られた。
展示は多岐に渡るが、この博物館の目玉展示物はなんといってもこのゲームだ。
ペインステーション。18禁。
どういうゲームかというと、単純な対戦型の卓球ゲームなのだが、失敗すると体罰が与えられる。
右手でラケットを操作しつつ、左手はゲーム中ずっとこの金属板の上に置いていなければならない。球を打ち返すのをミスると「電気ショック」「熱」「鞭打ち」のいずれかの刑に処される。なにそのマゾゲーム?
意味がよくわからないが、何事も体験だと遊んでみることにした。刑のレベルを一番低く設定し、卓球を開始。どんくさい私はすぐにミスった。すると、左手を置いていた金属板の下から突然熱風が吹き上げられた。「うわ、熱い!」反射的に手を離してしまう。一番下のレベルだから火傷をするほどではないが、最高レベルだとどのくらいなんだろう?写真に写っている緑色の管は鞭打ちの刑の鞭に違いない。まあ、こんなプラスチックでペチッと叩かれるくらいならたいしたことないよねと思ったが、鞭の先をじっと見てT氏は、言った。「でも、これ先端に何か硬いものがついていた形跡があるよ」。怖い、、、。
いったん離れ、他の展示を見て回った。館内を一巡した後、せっかくだからもう一度やってから帰ろうかとペインステーションに戻ると、なぜか機械はオフになっていて使えなかった。そんなわけで私は「熱の刑」の一番マイルドなレベルしか体験していないのだけれど、家に帰ってからネットで検索したら、ペインステーションで負傷した人たちの画像が出て来てギョッとした。実際に怪我するんだ、、。最高レベルで遊ばなくて良かったかな。
YouTube上に遊んでいる人たちの動画があったので貼っておこう。 重要なのはゲーム中、痛くても熱くても我慢してずっと手を離さないことのようだ。手を離したら負け。男性の方はゲームが終わったら手が真っ赤になっている。
2001年に発表されたというこのゲーム、一体なんでこんなの開発した?(ペインステーション のHP はこちら)
展示物で遊べるこのコンピューターゲーム博物館、ゲームに疎い私でもとても面白かったので、ゲーム好きの人ならより楽しめるだろう。入館料9ユーロを払えば遊び放題なので子ども連れでのお出かけにもいいかもしれない。VRゲームもあるよ。