この夏、5年ほど前から構想を練っていた旅がついに実現した。どんな旅かというと、北海道のジオパークやジオサイトを回る旅である。これまでに、住んでいるドイツ国内のジオパークを訪れたり、化石を採取したり地質学系の博物館を見たりして、ジオ旅行の楽しさを満喫して来た。数年前の一時帰国時には高知県の室戸UNESCOジオパークに行ったらとても興味深くて(室戸UNESCOジオパークに関する記事はこちら)、日本にも面白いジオサイトがたくさんあるんだろうな、巡ってみたいなと思い始めたのだ。

高木秀雄著「年代で見る日本の地質と地形 日本列島5億年の生い立ちや特徴がわかる」という本には、日本の地質について、こう記述されている。

日本列島は、きわめて多様な地質や地形の特徴を有するが故に、日本列島はどこでもジオパーク、あるいは日本列島まるごとジオパーク、といった言い方をされることがある。

この本には日本の地質や地形の解説とともに各地の魅力的なジオパークが紹介されていて、あちこち行ってみたくなる。2023年9月現在、日本にはジオパークに認定されている地域が46地域あるが(日本のジオパークマップ)、日本は広いので、まずは私の故郷、北海道から回ってみることにしよう。レンタカーを借りて夫と二人で約3週間かけてできるだけ多くの、なるべくバラエティに富んだジオサイトを巡るという企画を立てた。札幌を起点に、主に道央を回る。

ルートを考えるにあたっては、各ジオパークのウェブサイトや、去年の一時帰国時に買って来た以下の本などを参考にした。

どの資料も良いけれど、特に役立ったのは北海道新聞社から観光されている前田寿嗣著「地形と地質」シリーズ。エリアごとに無理なく回れるルートが提案されていて、各スポットはカラー写真付きでわかりやすく解説している。地学を専門的に学んだことはないけれど興味があるという人におすすめ!

夫は日本語がほぼ読めないので、訪れるスポット選びは私の独断。回る順番はきっちり決めず、お天気を見ながら移動することに。その結果、訪れたスポットは以下のマップのようになった。

幸い、全行程で悪天候に見舞われたのは1日だけ。見たいものはほぼ見られたし、道中で道の駅に立ち寄って美味しいものを食べたり温泉に入ったり、知的刺激いっぱいのとても楽しい旅になった。持ち帰った資料や撮った写真をもとにこれから一つ一つのジオサイトについてまとめて行こう。