ここのところ忙しくてすっかり間が空いてしまったが、ようやく時間に余裕ができたので、久しぶりにまにあっく観光に出かけることにした。晴天の今日は野外の観光スポットが目的地としてふさわしい。そこで、かねてから行きたいと思っていたデッサウ近郊の野外ミュージアム、Ferropolisへ。
FerropolisとはFerro(鉄の) + polis(町)、「鉄の町」を意味する。そこはザクセン=アンハルト州Gräfenhainichen近郊の湖にせり出した細長い半島。東ドイツ時代には褐炭の露天掘り場だった場所である。ドイツが再統一の翌年、1991年に採掘場は閉鎖されたが、使われていた5台の掘削機が陳列されているという。このブログでこれまでにいくつか紹介して来たように、旧東ドイツには閉鎖後の産業施設が観光地されているところがたくさんある。褐炭産業関連のミュージアムが特に多いが、このFerropolisもその一つだ。デッサウ・バウハウス基金の発案により建設された。
国道を降りてFerropolisの案内標識に従って周囲に何もない田舎道を進んで行くと、遠くに掘削機が見えてくる。当時の炭鉱従事者のポートレートが壁面一面に描かれた建物のすぐ向こうがミュージアムだ。
駐車場脇の入り口で入場料を払い、オーディオガイドを首に下げて見学開始。
半島を上空から見たところ。中央のアリーナを取り囲むように5台の掘削機が配置されている。
湖に面した位置にあるのはMad Maxと名付けられたバケット掘削り機。稼働中は1時間に1920立方メートルもの土を運んだという。
Mosquito(手前)とMedusa(奥)。
5つの掘削機のうち、最大規模のGeminiには上ることができる。
上からアリーナを見下ろす。
バケットホイールエクスカベーター、Big Wheel。
敷地には小さなミュージアムもある。しかし、展示からはあまりやる気が感じられなかった。
採掘中に氷河時代のマンモスの骨が出て来たらしい。
「戸籍課」と書いてある部屋。
中はかつてのコントロール室。ここで入籍式が挙げられるらしい。ドイツ人は変わったところで結婚するのが好きなようだ。
この野外ミュージアム敷地ではライブコンサートや蚤の市などの催しが頻繁に開催される。
こんな感じにライトアップされるらしい。野外コンサートの会場としてはかなり良さそうである。
正直なところ、展示室の展示は充実していないので、この野外ミュージアムは学びの場というよりもイベント会場として捉えた方が良い。子ども連れであれば蚤の市などの昼間のイベントに、大人は夜のイベントが楽しめそうだ。