こちらの記事に書いたように、庭に設置したカメラ付き巣箱3つのすべてで野鳥が営巣をするという、これまでにない展開になった2024年の春。
ハウス1、2、3のうち、ハウス3からはシジュウカラのヒナ6羽が巣立った(詳しくはこちら)。ハウス1とハウス2についても時系列にまとめておこう。
ハウス2
シジュウカラが作り始め、途中で放棄した巣をアオガラが引き継ぎ、4/13から産卵を始めて全部で5つの卵を産んだ。このアオガラのメスは巣材に大量の鳥の羽を使い、パッと見カオスだったので営巣が下手なのかなという印象だったけれど、ヒナが産まれると全員に満遍なく餌を与え、ヒナの成長の個体差はほとんど見受けられなかった。
シジュウカラの子たちと違って、巣箱の中ではみんな静かで、巣立ちギリギリまでほとんど鳴かない。アオガラのヒナはそういうものなのか、それともこの兄弟の特徴なのか。
5/23、5羽のヒナは元気に巣箱から飛び出した。
ハウス1の方は冬の間からずっとシジュウカラが寝床として利用し、4月に一旦営巣を始めるたものの、2日で放棄してしまっていた。この巣箱はもうこのまま今年は使われないのかなと思っていたら、5/16、シジュウカラが営巣の続きを初め、5/19に最初の卵を産んだ。冬の間に寝泊まりしていた個体だろうか。
6/6 、6羽のヒナが生まれる。12日後の6/18には目も開いてすっかりシジュウカラらしくなった。しかし、気になったのは1羽、明らかに発達の遅い子がいたことだった。羽毛がまだあまり生えておらず、他の子達よりも少なくとも3、4日分は発達が遅れているように見える。特に弱々しいというわけではなく、餌をもらおうと一生懸命、裸の首を伸ばしてがんばってはいたが、兄弟たちと一緒に巣立てるだろうかと心配になった。そしてその子を含めても巣箱の中には5羽しか見当たらない、6羽目は?
巣箱の中でヒナが重なり合ってカメラ越しには全員が見えないことがよくあるので、きっとそのせいだろうと思ったが、その翌朝見たら、巣箱には4羽しかいない。前日に必死に生きようとしていた5羽目のヒナの姿もなかった。力尽きたのか、それとも元気な兄弟たちの下敷きになって潰れて死んでしまったのだろうか。残念だけれど、しかたがない。過去数年にわたって野鳥の営巣や巣立ちを観察する来た中で、卵が孵らないことや、ヒナがみんな死んでしまうことは珍しくないのだと諦めがつくようにもなった。もちろん、みんなが無事に巣立てば、それ以上嬉しいことはないのだけれど。
6/23、気の早い最初の1羽が巣立った。生まれてから2週間と3日。今まで観察して来た営巣では巣立ちまで平均で3週間くらいかかっていたから、成長が早目である。営巣開始の時期が比較的遅かったから、その分、気温が上がっていて、育ちがよかったのかもしれない。残る3羽も何度も羽ばたきを試みたが、その日は巣箱から飛び出せず、翌日早朝、迎えに来た親鳥に誘導されて次々と大空へ。
そんなわけで、今年はシジュウカラ10羽、アオガラ5羽、合わせて15羽のヒナが巣箱から巣立つことができた。2020年から観察を始めて5年目の今年がこれまでで最高。素晴らしい春だった。
でも、外の世界に出たらもっと危険があって大変。
庭に大きなヘビが来ることもあるし、大家としてはハラハラが続くのであった。