当ブログ「まにあっくドイツ観光」ではドイツ全国の面白スポットを紹介しているが、紹介スポットのセレクトは完全に私の独断と偏見によるものである。一般ウケは放棄しており、私にとって面白ければそれでいいのだ、と開き直っている趣味ブログだ。取り扱うテーマがあまりに雑多なせいか、検索で当ブログに辿り着いてくださる方たちの検索ワードはものの見事にバラバラで、コアな読者はいるのかいないのか。多分いないんだろうなあ〜。
なにしろ、私の場合、まず見たいものがあって出かけるというよりも、「まず行ってみる、話はそれからだ」という感じなので、自分でも何を基準に動いているのかよくわからない。何があるか知らないけれど、行ったことのないところへ行ってみたい。つまりは探検なのである。
ドイツに移住して30年近くの歳月が経過したが、その間に行ってみた場所はこんな感じだ。
印のついているのがこれまでに行った場所。未踏のエリアもまだあるけど、結構行ったと自負している。これらのうち半分くらいは一人で出かけて行った場所。残りは夫と一緒。青と赤で色分けしているが、赤いスポットはブランデンブルク州内のスポットだ。住んでいるのがブランデンブルク州なので、必然的にブランデンブルク州の密度が高くなる。ブランデンブルクの部分を拡大してみよう。
首都ベルリンをぐるりと取り囲むブランデンブルク州は観光地としての認知度が低い。ブランデンブルク州に何があるのか全く知らない、という人も少なくない。でも、私はその知られざるブランデンブルクを愛していて、暇さえあれば探検しているのだ。何があるのかわからないからこそ、探検のしがいがあるというもの。
こんな物好きは自分くらいだろうと思っていたら、なんと仲間がいた。ベルリン在住のライター、久保田由希さんもブランデンブルクを探検するのが好きだという。そこですっかり意気投合して、「ブランデンブルク探検隊」を結成してしまった。今のところ、隊員は私と由希さんの二人しかいない。由希さんはベルリンにお住まいなので一緒に探検するのはときどきだけ。普段の探検活動はバラバラだけれど、互いに活動報告をし合って楽しんでいるというわけである。
探検のテーマは多岐に及ぶが、目下、熱中しているのは給水塔巡りである。かつて飲料水や工業用水の供給に不可欠だった給水塔がドイツ各地に残っている。ブランデンブルク州にも数多くあるようだ。州内に散らばる給水塔を探し当てるというプロジェクトである。しかし、なぜ給水塔なのか?私の給水塔熱に火を付けたのは、ほかでもない由希さんであった。由希さんは以前から給水塔を含む塔がお好きで、ベルリンを中心に給水塔巡りをしているという。2018年の12月に私のポッドキャスト「まにあっくカフェ」で由希さんに塔の魅力をたっぷりと語ってもらったことがきっかけで、それまでそれほど関心のなかった塔が気になるようになったのだ。
さて、前置きが長くなったが、いざ給水塔巡りを始めてみると、いろいろなことがわかって来た。給水塔には様々な外観のものがあり、それが建設された時代の建築の流行が反映されていること、給水塔の用途はいろいろだったこと、そして給水塔というものがほぼ使われなくなった後、それぞれの給水塔がどんな運命を辿ったのか、など。なかなか奥が深い。
でも、給水塔巡りはそれなりに大変だ。ブランデンブルク州は広く、給水塔はアクセスが良いとは限らず、なかなか探し当てられなかったり、あるはずの場所へ行ったら取り壊されて消えていたりする。
ここに挙げたのはごく一部、給水塔はバラエティ豊かだ。給水塔を巡る冒険。その成果をなんらかのかたちでまとめられたらなあと思っている。