およそ3週間に渡るコスタリカ旅行が終わろうとしている。最後の滞在地に選んだのは、コスタリカ北部に位置するポアス火山国立公園(Parque Nacional Volcán Poás)だった。その中心となるポアス火山は、標高2,697mの成層火山で、コスタリカの火山のうちで最も噴火活動が活発な火山である。火口を間近に見られる数少ない活火山の一つだが、2017年4月の大噴火時には近隣住民や旅行者が避難するほどの事態となり、公園はしばらく閉鎖されていた。2018年9月からまた入場可能になっているので行ってみようと思ったのだ。

ところが、コスタリカに来てまもなくの頃、ローカルな食堂で食事をしていたら、店内のテレビがついていて、たまたまニュースが流れていた。なんと、ポアス火山の映像とともに、「ポアス火山は昨年12月より、断続的に噴火活動が続いています。危険防止のため、近々、公園は閉鎖されるかもしれません」と言っているではないか。すでに宿は予約してしまっているので、公園に入場できない事態になったら、予定を変更しなければならない。以来、ヒヤヒヤしながらこちらのサイトの情報をこまめにチェックしていた。

幸い、滞在予定日直前になっても公園は閉鎖されていなかったので、予定通り、向かうことにする。それまで滞在していたロス・ケツァーレス国立公園(Parque Nacional Los Quetzales)からは国道2号を北上し、首都サン・ホセを経由してさらに北上する。ロス・ケツァーレスからしばらくの間は山道を登るので、標高が高くなるにつれて視界に霧がかかり始めた。そしてそのうち、霧は厚い雲となった。

分厚い層雲が広がっている。これは、もしかして雲海というものでは?

さらに北上すると、ラ・チョンタ(La Chonta)という集落に国道沿いのサービスエリア的なものがあったので、休憩することにした。コーヒーを注文してレストランのテラス席につくと、目の前に広がっていたのはこの景色!

これぞ「雲海テラス」!雲海は、様々な気象条件が揃わないと見ることができない稀な自然現象だと思っていたので、予期せずに見られて感動した。コーヒー一杯でこんな景色が見られて、得した気分。間違いなく、これがこの日のハイライト。

 

と思っていたら、なんとまだ続きがあったのだ。ポアス火山国立公園近くの宿に着き、公園入り口の近くにサンセットスポットがあると知ったので、日の入り少し前に行ってみた。

 

首都サン・ホセを見下ろす山の上で見たものは、夕陽でオレンジ色に染まりゆく空の下、ゆっくりと広がる雲海だった。

こんな日ってある?