5月27日に始まった、シジュウカラの今年2度目の営巣。その後の状況をまとめておこう。前回の記事はこちら

1度目よりも営巣に慣れたのか、サッサと手際よく巣を作り、6月5日に7個の卵を産み終わったシーちゃん。今回は気温も高くなっているから卵が孵るまでの日数も少な目なのかなと思っていたが、前回とほぼ同様、11日かかって6月16日に最初のヒナ3羽が孵った。

その翌日に1羽、3日目にさらに1羽。前回の子達と比べて、すごく元気がいい印象だ。小さな体が激しく動いている。

右の子、まるで駄々っ子のようで可笑しい

ところで、この動画で背後にコンコンと気を叩くような音がしているのが聞こえるだろうか。庭ではときどきアカゲラの姿を見ることがある。きっと、同じ木にアカゲラが止まって木をつついているのだろうと思い、カメラを手に外に出た。音がしているあたりを探すと、なにやらいる。けっこう、大きい。

えっ、、、、、?

あれは、、、、。

クマゲラ!?

この辺りで目にするキツツキというと、大抵はアカゲラ(Buntspecht)である。自然保護団体NABUのサイトによると、ドイツにアカゲラは68万〜90万ペア生息するとされている。だから、うちの庭にいてもそう不思議はないけれど、木の高いところにいるからなかなか写真が撮れない。ちょうどこの日の前の日についに撮影に成功したばかりだったのだ。

アカゲラ

これだけでも、バンザーイ!という気分だったのに、今度はクマゲラ(Schwarzspecht)だとぉ?クマゲラは日本では天然記念物、環境省レッドリストに絶滅危惧II類として記載されているというではないか。そんな希少な鳥がうちの庭にいるって、なんか話が出来すぎていやしないか?驚きと興奮でその場で固まってしまった。

調べてみたところ、クマゲラはドイツではそこまで珍しいわけではないらしい。でも、アカゲラよりはずっと個体数が少なく、個体数は3万1000〜4万9000ペアほど(情報ソースはこちら)。だから、見ることができたのはやっぱりすごくラッキーだ。考えてみれば、我が家は森の縁に位置しているので、鳥たちにとって庭は森の一部のようなものだ。いろんな鳥が来てもおかしくないのだなと、自分の住んでいる環境をあらためて認識した。

今の家にはもう14年も住んでいるのに、身近で起こっているこんな素敵なことをほとんど知らないまま生活して来たのかと思うと、なんだか軽くショックでもある。興味を持たないということは、楽しみを得るチャンスを逃すということでもあり、もったいないよねえ。バードウォッチング、始めてよかったよかった。

さて、シーちゃんと子どもたちに話を戻そう。

生後4日目。白黒なのは、早朝だからカメラがまだナイトモードなのだ。ヒナたちの巣からはみ出しぶりがすごいね。シーちゃんも子供たちを覆おうともしていない。前回の営巣時はまだ涼しい日が多かったけど、今は随分気温も上がっているから、ヒナたちは裸ん坊でも寒くないのかもしれない。