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ベルリン新博物館でミステリアスな金の帽子Berliner Goldhutを見る

復活祭の連休だったのに、風邪を引いてしまった。だるくてまともなことができないので、ウダウダとベッドの中でドキュメンタリーでも見て過ごすしかない。公共放送局ZDFのサイトにアップロードされている過去の放映番組の中から面白そうなものを探す。すると、私の好きな学術ジャーナリスト、Harald…
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住んでいる地方について知る。ブランデンブルク州考古学博物館

先日、ミュンヘンへ行った帰りにアウトバーン沿いの考古学博物館、Kelten Römer Museum Manchingに寄り、現在、頭の中がプチ考古学ブームである。この「まにあっくドイツ観光」で過去に考古学的観光スポットをいくつか取り上げているが(カテゴリー「考古学」)、私は以前は実はそれほど考古学に興味があったわけではなかった。単なる博物館好きで、「考古学の博物館だから見よう」というよりも、「博物館だから見よう」というノリだ。でも、博物館とは面白いもので、全く知らないジャンルの博物館を一つ二つ見ただけでは今ひとつピンと来なくても、数をこなすに従って「あ、これ前に見た〇〇と関係あるやつだよね?」「前に行ったことのあるあの場所のことでしょ」などと次第にそのテーマが自分ごとになっていく。自分には関係ないと思っていた世界が自分に関係ある世界に変わっていくのだ。 ってことで、今回は自分の住むブランデンブルク州の考古学博物館へ行ってみよう! ブランデンブルク州の考古学博物館、Archäologisches…
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オッピドゥム跡の残るマンヒンクのケルト・ローマ博物館(Kelten Römer Museum Manching)

先日、家族の用があってミュンヘンへ行った。ミュンヘンには友人がおり、また見所も多い町なのでじっくり観光をしたかったが、残念ながら諸々の事情でゆっくりしていられずトンボ帰りすることになってしまった。せっかくバイエルンへ行ったのに残念!せめて帰り道にサクッと見られる面白い場所がないものかと車の中からアウトバーンの看板に目を凝らしていた。親切なことにドイツのアウトバーン上には「近くにこんな観光名所がありますよ」という看板がたくさんかかっているのだ。(もしかして日本もそうだっただろうか。すっかり忘れてしまった) すると、インゴルシュタット近郊に「ケルト・ローマ博物館(Kelten…
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兄弟揃って多彩過ぎ。オットー・リリエンタールの弟、グスタフの世界

ここのところ仕事が立て込んでいたり、珍しく風邪を引いたりでちょっと間が空いてしまった。前回の記事ではドイツの航空学パイオニア、オットー・リリエンタールを取り上げた。記事でも触れたように、オットー・リリエンタールは航空学の分野で類を見ない功績を残しただけでなく、蒸気機関やボイラーを始めとして数多くの特許を取得するなど、マルチタレントだった。しかし、オットーの溢れる才能の開花には幼少期から一心同体だったとされる弟グスタフも大きく貢献した。オットーの業績のかなりの部分はグスタフとの活動によって生み出されたものだ。グスタフもオットーと並ぶ航空学のパイオニアである。 しかし、前回の記事では主にオットーにスポットを当て、グスタフについてあまり触れなかった。というのも、オットーほどは知られていないが、グスタフもまた、驚くほど才能に恵まれ、その守備範囲の広さではむしろ兄を凌いだのではないかと思われる非常に魅力的な人物なのだ。私はオットーにも感銘を受けたが、より強く惹かれるのはむしろグスタフの方かもしれない。そこで、オットーとセットではなくグスタフはグスタフとして個別に取り上げたかった。   兄と同様、アンクラムのギムナジウムを卒業したグスタフは、ベルリンの建築学アカデミー(現在のベルリン工科大学の前身)に進学した。普仏戦争の勃発のためアカデミーは中退したが、その後、発明家、教育者、建築家、社会改革者など複数の顔を持ち幅広いキャリアを築いた。兄のオットーが蒸気機関やボイラーなど工学分野で活躍したのに対し、グスタフは芸術的な方面で優れた業績を残した。代表的なのは「アンカー石積み木(Anker…
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ライト兄弟にインスピレーションを与えたドイツの航空パイオニア 〜 アンクラムのオットー・リリエンタール博物館

しばらく前にベルリンにあるドイツ技術博物館を久しぶりに訪れた。 何度も行っている博物館だが、規模が大きいので一度に全てを見ることはできず、行くたびに発見がある。前回特に興味を引かれたのは航空技術に関する展示だった。その中でドイツの航空パイオニア、オットー・リリエンタールについて知った。 オットー・リリエンタールは一歳違いの弟グスタフと共に知られる19世紀の発明家である。二人は幼少期から空を飛ぶことに強い憧れを持ち、鳥の飛行をつぶさに観察してハングライダーを設計し、無数の飛行実験を行なったことで知られる。緻密な研究と実験の結果をまとめたオットー・リリエンタールの「飛行技術の基礎としての鳥の飛翔(Der…
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女性の生き方について考えさせられるベルリン工芸博物館の服飾史展示

去年の10月にMeyenburgという町の服飾博物館を見に行った。そこでは1900〜1970年代の女性の服装の歴史を知ることができ、面白かった。似たようなものが他でも見られないかなと検索したところ、ベルリン工芸博物館(Kunstgewerbemuseum…