まにあっくドイツ観光ニーダーザクセン編、ブラウンシュヴァイクで恐竜展を堪能した後はハノーファーへ移動した。ハノーファーでミュンヘンの友人と合流し、一緒にDörverdenという村へ行くことになっていた。せっかくだからハノーファーでも何か見ていこうということで、ニーダーザクセン州立博物館へ。

この博物館の特徴は自然史博物館、考古学博物館、文化人類学博物館、美術館、コイン博物館という5つの博物館がシームレスに合わさって一つの博物館になっていること。外観の写真を撮り忘れてしまったが、マッシュ湖に面した壮麗な建物である。展示物の非常に充実した3階建ての博物館の入館料はわずか5ユーロ(特別展は除く)。私たちが訪れた日はたまたま3階の美術館部分が改装中で、4ユーロに割引になっていた。従って、見たのは1階の自然史部門(Naturwelten)と2階の考古学・文化人類学部門(Menschenwelten)のみだけれど、それだけでも十分に満足できた。

まず自然史部門(NaturWelten)。水中世界の展示から始まっている。

天井のパネルは波を表している。それぞれの水槽には世界の様々な地域の水界生態が見られる。一見、普通の水族館なのだが、この博物館の展示には他の博物館にはない特徴がある。それは、「生き物と一緒に化石を展示している」ことだ。

古生物と現生生物を一緒に展示することで、生物について知ることができるだけでなく、同時に進化や地球の歴史に触れることもできる。これはすごく面白いコンセプトだと思った。

長尾類のAeger tipularius。ゾルンホーフェン石灰岩から発見されたもの

英国、サマセットで発掘されたイクチオサウルス(Ichthyosaurus communis)。

私の好きなベレムナイト化石も珍しいものが展示されていて嬉しかった。

大きい〜!

これはオパール化したもの。綺麗だなあ。

深海コーナーも面白かった。

シギウナギ (snipe eel)

深海の展示で興味深かったのは、マンガン団塊やメタンハイドレートなどの海中資源とその採掘による環境負荷に関する説明やブラックスモーカーとその周辺に棲息する生き物に関する展示など。

自然史部門の展示は水中から始まり、干潟→海岸→陸へと移動して行く。

白亜紀のニーダーザクセンは赤道近く(現在のリビアのトリポリあたり)に位置し、島の連なる環境だった。空には翼竜が飛び、水中や陸にはワニや恐竜、亀が棲息していた。写真の化石は2種類の異なる恐竜の足跡が重なったもの。片方は肉食性の恐竜でもう片方はイグアノドン類のものだそう。出土地はハノーファーから西に20kmほどのMünchhagenという場所。今調べてわかったのだけど、Münchhagenには恐竜テーマパークがある。

プラテオサウルス

古生物がマイブームだからってそればかり紹介するのも偏るので、そろそろ2階のMenschenWelten(ヒトの世界)にも目を向けよう。

ここから人類が登場。これまた面白い。

そしてそのまま考古学の展示へと続いて行く。

石器時代から青銅器時代、鉄器時代へと時系列なのは他の考古学博物館とほぼ同じ。

これは傑作。6〜7 世紀の金の首飾り。出土地はGifhorn。

 

ローマ時代や中世を経て植民地時代へ。ここからは文化人類学の世界だ。

ペルーの陶器

中国のタイプライター

今回見ることのできなかった美術部門(KunstWelten)には中世から近代までの美術作品やコインが展示されている。古生物から近代美術までを一つの流れの中で見せる工夫が素晴らしい。明るいサンルームのカフェもあるので途中で休憩を挟みながらたっぷり時間をかけて楽しむのも良いし、ハノーファー近郊に住んでいるならその時ごとに重点を絞って何度も足を運んでも良いと思う。年間パスも個人が25ユーロ、家族パス50ユーロと手頃。しかも、金曜日はなんと無料!絶対に損のない博物館だ。