北バイエルンのバンベルクに用があり、行って来た。

バンベルクはユネスコ文化遺産に指定されているとても美しい観光地で見どころも多い。しかし、今回は自由時間が数時間しかなかったので、まにあっく観光は自然史博物館のみ。

かつてのイエズス会コレギウムの建物がバンベルク大学の自然史博物館だ。

この博物館は規模はそう大きくないが、歴史ある美しい「鳥の間 (Vogelsaal)」が有名である。

 

バンベルク大学の付属施設として作られ、1810年に完成した床面積約200平米メートルの鳥の間。陳列棚には1255体、約800種類の鳥類の剥製が展示されている。まだドイツに動物園も存在していなかった頃、自然科学の学生達の学習のために集められたものだ。この鳥の間は現在までの間に壁の塗り替えや補修はされているが、19世紀の博物館の姿をそのまま残していて、それ自体が博物館的価値を持つ。二重の意味で博物館であり、「博物館の中の博物館(ein Museum im Museum)」と呼ばれている。

壁際をぐるりとギャラリーが囲んでいる。

美しい〜〜〜。

展示物のメインは鳥類だが、その他の動植物のキャビネットもある。

博物館キッズ。可愛いね〜。

女の子達はこの棚を見て、「ワーオ!」と歓声を上げていた

鉱物キャビネット

この博物館の目玉展示物の一つは果物モデルのコレクション。18世紀後半から19世紀にかけて作られたとても希少なものだそうだ。様々な種類のドイツ産のりんご、なし、さくらんぼのモデルが並んでいる。

これらモデルの種類の果物の多くは現代では栽培されていない。

こちらは鳥の卵モデルコレクション。

たまたま生物多様性に関するこのような本のサンゴのところを読んでいるところだったので、サンゴの棚はじっくり見た。

クダサンゴ

脳サンゴ

鳥の間のキャビネットはどれも美しく魅力的だけれど、展示物に関する説明がほとんどない(名称と産地のみ)のがちょっと残念だった。

鳥の間以外にも様々な展示物がある。1階フロアのフランケン地方の地質や鉱物に関する展示は説明が充実していて満足。今年(2018)の4月から新しく展示されるようになったものに「バンベルクの驚異の首飾り(Bamberger Wunderkette)がある。さくらんぼの種137個、あんずの種15個を繋いだネックレスで、それぞれの種には繊細な装飾が施されている。約200年前に作られたものらしい。

 

さて、常設展示に関して簡単に紹介したが、バンベルク自然史博物館では現在、とても面白い特別展、「Frankenland am Jurastrand (ジュラ紀の海岸のフランケン地方)」をやっている。この展示は写真撮影が禁止なので画像の紹介ができないのだけれど、すごい化石がたくさんで大興奮!以前、こちらの記事でゾルンホーフェン石灰岩から発掘されるジュラ紀の化石について紹介したが、最近になってフランケン地方のヴァッテンドルフ(Wattendorf)の石灰岩にもジュラ紀の化石の産地が豊富に埋蔵されていることがわかったそうだ。ゾルンホーフェンと比較すると石灰岩地域はずっと狭いが、化石の埋蔵密度はゾルンホーフェン以上だという。ヴァッテンドルフでは翼竜、魚竜、魚やカメの他に爬虫類の化石も比較的多く見つかっている。

どんな化石が展示されているか知りたい方は、以下の動画をどうぞ。化石探しの様子も見られます。(ドイツ語)