今回の旅行のテーマは火山だったので、エオリエ諸島滞在中は火山にばかり注目していたが、シチリア島の北に連なるエオリエ諸島にあるのは火山だけではない。リーパリの町を歩いていたら、グリェルモ・マルコーニ通り(Via Guliermo Marconi)脇の空き地のようなところに、なにやら気になるものが並んでいる。
博物館を全部回る時間がなかったので、気になっているネクロポリスに関する展示と地質学のセクションのみを見た。
敷地の奥にディアナ考古学公園とは別の考古学公園があり、そこにも棺が並んでいる。
こちらの公園では、半円を描くように棺が配置されている。
なるほど、石の棺桶だと思ったものは土器の棺を入れる容器だったのだな。岩だらけのエオリエ諸島では地面に穴を掘って棺を埋めるのは大変だから、頑丈な石の入れ物に入れて地上に置いておいたのだろうか?
棺桶や墓石ばかり見ていたが、この博物館には重要な展示物が他にもたぶん、たくさんある。時間がなくて全部の展示室を回れなかったし、もし全部見たとしても、予備知識がなさ過ぎて大量の情報を処理できそうになかった。家に帰って来てからそれなりに調べようとしたのだけれど、イタリアについてはやはりイタリア語の情報が圧倒的でなかなか難しい。もう二度と行けないかもしれない場所だから、せっかくの貴重な機会だったのにと思うと残念。いつか何かのきっかけでここに展示されているものについて知り、「ああ、あのとき〇〇を見てくればよかった!」と悔しく思うのかなあ。
まあ、そんなことを言ってもしかたがないので、わからないものだらけの環境に身を置いたときには、何か一つ、気になるものを見つければ良いとしよう。そして、そのときにはうまく把握できなくても、いつか別方向から近づけることがあるかもしれないから、少しでも気になることはわかる範囲で書いておこう。
さて、そろそろエオリエ諸島滞在も終わりだ。これからシチリア島へ戻り、さらに旅を続けよう。