前記事ではセイシェルの地理と地形についてまとめた。今回は10泊11日のクルージング中、どのように過ごしていたのかについて書き留めておこう。

初日はお昼頃、マエー島のエデンアイランドのマリーナからヨットに乗り込んだ。エデンアイランドは、2006年、首都ヴィクトリアから3kmのところに作られた人工島である。アパートメントやレストラン、ショッピングモールなどがあり、東京で言えばお台場のようなところだが、もっと規模が小さく、高層ビルなどはない。私には特別面白い場所には思えなかったけれど、マリーナがあるのでボートを所有している人が住むのに適しているのだろう。

乗船する際、余裕がなくてヨットの外観写真を撮り忘れてしまった。乗ったヨットは60フィートのカタマランヨットということだが、カタマランに乗るのは初めてなので、良いヨットか、それとも良くないヨットかと聞かれてもわからない。新しくはないが古さも特に感じないという感じ。実際に乗ってみて、ホテルに比べれば快適度は劣るけれど、私はもともと宿にあまりこだわらないので、まずまず満足かな。

当然ながら、クルージング中は1日の大半、ヨットの上にいるわけである。幸い、お天気に恵まれたので、ほぼいつもデッキで過ごしていた。

食事は3食ともデッキで乗客みんなで一緒に食べる。

室内にもソファーやテーブルがあるが、備品置き場になっていて、また、クルーがここで休むこともあり、私たち乗客はこのスペースは全然使わなかった。

キッチン。窓際に湯沸とトースターと炊飯器が置いてある。

キッチンの前の階段を降りるとキャビンがある。

キャビンには広さ5m2と6m2の2種類あり、うちは夫が高身長なので、広い方にした。クルーズ中は夜はヨットをアンカリングして寝るので、ホテルのようにお掃除の人が部屋を掃除してくれるわけではない。一度だけ、クルーズの半ばにマリーナに寄港した際に、清掃スタッフが入ってタオルやシーツを交換してくれた。それ以外はなるべく汚さないように気をつけて使った。それぞれのキャビンには専用のトイレ・洗面所がついているが、トイレは同時にシャワー室でもあり、シャワーを浴びる際にはシンクのホース付き蛇口を引っ張り出して壁にかけて使う。つまり、トイレの床や壁は常に濡れているし、洗面所の鏡もいつも曇っている。トイレットペーパーが湿らないように気をつけなくてはならない。

ヨットクルージングの宣伝にはよく「豪華」とか「ラグジュアリー」などの枕詞が使われるけれど、別に豪華でもラグジュアリーでもなく、むしろキャンプに近いなと思った。小綺麗な服装のシニアの男女がデッキでシャンパングラスを傾けていたりする広告写真を見るけれど、あれはあくまでイメージであって、実際には全然違うのであった。だって、朝から晩まで海に入ったり出たりしているのだから、髪の毛は常に濡れていて、当然すっぴんだし、服装は水着の上に1枚羽織っただけ。そして船の上では常に裸足である。お洒落からは程遠いのだ。激しく日焼けもするし、美容を重視する人には勧められないかも。

でも、ヨットの上で過ごす時間はとても楽しく、退屈することがなかった。毎朝、8時に朝食を取った後、次のアンカリングポイントへ移動するのだが、その途中にシュノーケルポイントや美しいビーチに寄って泳ぐ。ヨットにはカヤックも積んであるので、カヤックを漕いで遊ぶこともできる。

海に入らなかったとしても、景色を見ているだけでも楽しい。時々、海面に生き物の姿を見つけて、「カメだ!」「サメだ!」「イルカだ!」とみんなで大喜びした。

ウミガメはほぼ毎日、目にした

ある朝起きてデッキに上がったら、繁殖行動中のイルカのカップルを目にして感動。

イルカはヨットのギリギリ側まで来ることもある。

うまく写真が撮れなかったけれど、これはジンベイザメ。

 

そして、これは太字で強調したいポイントなのだが、移動中の大きな楽しみは海釣りである!! 予約したツアーのプログラムには釣りをするとは書いていなかったが、キャプテンの計らいで釣り糸をずっと垂らしながら移動した。お魚がじゃんじゃん連れて、予期せぬおまけに大興奮。

カツオを釣るキャプテン

釣りと釣ったお魚の料理については書くことがたくさんあるので、次の記事で。

 

夕方は暗くなる前にアンカリングする。デッキの上から太陽が沈むのを眺めるひとときは素晴らしい。

雲のないに日は、暗くなってからデッキに立って星空を眺めるのも楽しい。インターネットに接続しないで過ごす時間は思いのほか、気持ちがよかった。自然を体で感じ、今ここにいることを味わうのに集中できる。たまにはネットから離れるのもいいなと感じながら過ごしていた。