過去旅風景リバイバル、米国編その7はアリゾナ州グランドキャニオン国立公園(Grand Canyon National Park)。言わずと知れたメジャーな観光地で世界中の旅行者に語り尽くされているけれど、アリゾナ州を旅するなら、やっぱり外せない。なぜなら、あれほど巨大でダイナミックな自然の造形に旅行者が簡単にアクセスできる場所は世界中にそれほど多くないと思うから。
過去旅風景リバイバル、米国編の5箇所目はアリゾナ州セドナ(Sedona)のすぐ南に広がるレッド・ロック州立公園(Red Rock State Park)。レッド・ロックという名の通り、赤い色をした岩山がそびえ立つ驚異的な景観の自然保護区だ。赤い岩が朝日や夕日を浴びて一層赤く染まる姿が神秘的だからか、パワースポットとしてとても人気があるようだ。セドナについて事前に調べ他とき、「ボルテックス」という言葉を含むサイトをたくさん目にした。私はパワースポットには興味がないのだけれど、レッド・ロック州立公園の風景は是非とも見たかったし、それ以外にも絶景の宝庫であるアリゾナ州を回る拠点としてセドナに滞在することにした。そしてここで、私たち家族は「ヘリコプターに乗って観光する」という初めての経験をすることになる。これが本当に素晴らしく、忘れられない思い出となった。
手前の山は鐘の形をしたベル・ロック(Bell Rock)。その右後ろに見えるのはコートハウス・ビュート(Courthouse Butte)。上の硬い地層が残って台地になった地形は、その形状によってメサ(Mesa)とかビュート(Butte)と呼ばれる。メサとビュートの厳密な違いはよくわからないが、上部が細く孤立丘になっているものがビュートと呼ばれるらしい。ベル・ロックやコートハウス・ビュートの色はひときわ鮮やかだった。このオレンジががった色の岩はSchnebly Hill Formationと呼ばれる岩で、およそ2億8000年前に形成された。その頃、セドナ一帯は海岸の砂丘だった。ベル・ロックの裾広がりの下部は丸みを帯びた階段状になっている。
レッド・ロック州立公園というくらいなので、圧倒的な迫力で視界に入って来るのは主に赤い砂岩だけれど、ベル・ロックよりも高い山の上の方は白っぽい色をしている。Schnebly Hill Formationの上に乗っかっているのはココニノ砂岩(Coconino Sandostone)。ココニノ砂岩が形成された2億7500万年前にはセドナの南東にあった海が後退し、一帯は内陸の砂丘になっていた。Schnebly Hill Formationよりも砂の粒が大きく均等で、酸化鉄の色がつかなかった。
アメリカの魅惑の風景 その7 グランドキャニオン
過去旅風景リバイバル、米国編その7はアリゾナ州グランドキャニオン国立公園(Grand Canyon National Park)。言わずと知れたメジャーな観光地で世界中の旅行者に語り尽くされているけれど、アリゾナ州を旅するなら、やっぱり外せない。なぜなら、あれほど巨大でダイナミックな自然の造形に旅行者が簡単にアクセスできる場所は世界中にそれほど多くないと思うから。
南縁、サウスリムからの眺め。この写真は2013年のものだが、グランドキャニオンを訪れるのはこのときが初めてではない。私は大昔、二十歳のときに同じ場所に立ち、同じ風景を目にしていた。でも、そのときには、是非とも見てみたいと思って行ったグランドキャニオンなのに、目の前に広がる景色があまりにも不思議で現実のものだという実感が湧かず、感動的なのかどうかもよくわからなかったのを覚えている。それから何十年もの月日が経過し、その間にいろいろな場所でいろいろな風景を見て来たからか、2度目に訪れたこのときには、そのとてつもない規模を実感することができた。
さまざまな種類の堆積物がレイヤーとなり、岩肌に縞模様を作っている。ここはかつて浅い海だったときもあれば、乾燥した砂丘地帯だったときもあった。この風景には20億年にも及ぶ環境変化が記録されている。そして、このような深い谷をその上から一望することができるのは、およそ7000年前、この一帯が地殻変動によって隆起してコロラド高原という台地となったからだ。高いところでは海抜3000メートル以上もある。そこを流れるコロラド川が勢いよく流れて岩盤を削り、深い峡谷を作った。そういえば、規模はこれよりも小さいけれど、似たような景色がカナリア諸島のグラン・カナリア島にもある。グラン・カナリアでは谷に道路が通っていて、ドライブしながら渓谷の驚くべき地形を眺めることができた。
Mather Pointからの眺め。
グランドキャニオンへは2度行ったことになるが、いずれのときもメジャーなサウスリムのみ。いつかまた行く機会があったら、そのときにはノースリムに行ってみたいな。
参考: National Park Serviceウェブサイト
アメリカの魅惑の風景 その6 アンテロープ・キャニオン
過去旅風景リバイバル、米国編その6は前回に引き続き、アリゾナ州北部にあるアンテロープ・キャニオン(Antelope Canyon)。「キャニオン」という名の通り峡谷で、動物の「レイヨウ」を意味する「アンテロープ」は、かつて、この峡谷をエダツノレイヨウの群れが移動していたことによるらしい。砂岩などの柔らかい堆積岩が水の流れによって侵食されてできた狭いV字型の渓谷で、そのような峡谷はスロットキャニオンと呼ばれる。赤い砂岩の地層を川が削り取ってできた細い渓谷に光が差し込むと、岩肌の縞模様が独特な神秘的な風景をつくり出す。
アンテロープ・キャニオンは先住民ナバホ族(Navajo)の居留地「ナバホ・ネイション」内にあり、自由にアクセスすることはできない。最寄りの町、ページ(Page)でガイドツアーに申し込む必要があった。アンテロープ・キャニオンは「アッパー・アンテロープ・キャニオン」と「ローワー・アンテロープ・キャニオン」に分かれていて、私たちが参加したのは「アッパー・アンテロープ・キャニオン」のツアーだ。
公園の入り口でナバホ族のガイドさんと一緒に数名づつトラックに乗り込んで渓谷まで行く。移動時間はそう長くなかったはずだが、ガイドさんが事前に「地面が凸凹なので、移動中、かなり揺れますよ」と言っていた通り、すごく揺れてまるで波乗りのような状態だったので、途中の景色を写真に撮ることは無理だった。GoogleMapの航空写真で見ると、渓谷の入り口あたりはこんな感じである。
分厚い砂岩の地層に割れ目ができているのが見える。ナバホ砂岩層と呼ばれる、砂丘が固まってできたこの地層は、およそ1億8000万年前に形成された。一帯は見ての通り、カラッカラの乾燥地だけれど、夏期には雨が降ることがある。集中豪雨が発生すると、雨水が鉄砲水となって細い谷間を流れる。勢いよく流れる水で地層が少しづつ侵食されてできたのが、このアンテロープ・キャニオンなのである。
赤い砂岩の地層にできた割れ目。岩肌には細かい縞模様ができている。ナバホ族にとっての聖地であるこの峡谷内部をガイドさんが案内してくれた。中は薄暗く、ところによってはすごく狭い。
岩壁は複雑で滑らかな曲線を描いていて、上から差し込む太陽の光が陰影を作り、とても美しい。光の入り具合によって色が変わるので、刻々と変化する岩のマジックをずっと眺めていたら、さぞかし感動的なことだろう。でも、ここに鉄砲水が流れ込んで来たらと想像すると怖くて、とても長居する気にはなれないのだった。
以下、当時使っていた古いコンデジで撮ったものなので、アンテロープ・キャニオンの美しさを十分に捉えられたとは言えないけれど、写真を何枚か。それにしても、自然の造形って本当に面白い。
アメリカの魅惑の風景 その5 ヘリコプターから見たレッド・ロック州立公園
過去旅風景リバイバル、米国編の5箇所目はアリゾナ州セドナ(Sedona)のすぐ南に広がるレッド・ロック州立公園(Red Rock State Park)。レッド・ロックという名の通り、赤い色をした岩山がそびえ立つ驚異的な景観の自然保護区だ。赤い岩が朝日や夕日を浴びて一層赤く染まる姿が神秘的だからか、パワースポットとしてとても人気があるようだ。セドナについて事前に調べ他とき、「ボルテックス」という言葉を含むサイトをたくさん目にした。私はパワースポットには興味がないのだけれど、レッド・ロック州立公園の風景は是非とも見たかったし、それ以外にも絶景の宝庫であるアリゾナ州を回る拠点としてセドナに滞在することにした。そしてここで、私たち家族は「ヘリコプターに乗って観光する」という初めての経験をすることになる。これが本当に素晴らしく、忘れられない思い出となった。
ヘリコプターに乗るなんて、そんなお金のかかるアクティビティをしようという発想はそれまでまったくなく、旅の計画の中には当然、含まれていなかった。それがなぜ乗ることになったのかというと、ドイツからアメリカへの移動に利用した航空会社のオーバーブッキングのおかげなのである。フランクフルト空港からいざ出発という段になって、出発ゲートにあるアナウンスが響き渡ったのである。
「オーバーブッキングのため、ご予約くださったすべてのお客様に搭乗していただくことができません。明日の便に変更しても構わないという方はいらっしゃいませんか?お客様お一人あたり600ユーロを差し上げます」
「え?変更したら一人600ユーロくれるの?ってことは、うちは4人だから、2400ユーロ?」
家族で顔を見合わせた。米国旅行をしようということになったとき、「アメリカは広いから移動に時間が取られる。1週間や2週間の日程では十分に見られないだろう」と思い、思い切って3週間の計画を立てていた。しかし、3週間もホテルに泊まるとなると、さすがに高くつく。それで、4人で一つの部屋に泊まり、1つのベッドに二人づつ寝て宿泊費を半分にするという節約モードの旅になるはずだった。
「3週間もあるんだから、1日くらい減ってもそんなに変わらないよね?」
「2400ユーロももらえるなら、旅行をグレードアップできるんじゃない?」
「2部屋に泊まれるよ」
「いや、それはもったいない!せっかくの臨時収入なんだから、普段ならできないことに使うべきだ」
数分のうちに決めないと、他の人に権利を取られてしまう!飛行機の変更を受け入れて旅程が1日短くなる代わりに普段できないことにお金を使おうというのでみんなの意見がまとまった。そして、1日遅れで出発した私たちは、航空会社から貰ったお金を「レッド・ロック州立公園の上をヘリコプターで飛ぶ」ことになったのだった。
このヘリコプターに乗って空から観光するのだ
助手席に座ったのは私。機体にドアはなく、シートベルトで体を固定するだけ。ドキドキ、、、。
ヘリコプターが上昇を始め、ドアのない機体から眼下に広がる景色を見下ろす感覚は、それまでにまったく体験したことがないものだった。気分は一気に高揚。怖いといえば怖いけれど、興奮がそれを上回る。層を成す赤い岩山、その間に広がる森林、雲の影。息を呑む美しさである。
セドナはコロラド高原の南西の端の断崖、Mogollon Rimに位置している。レッド•ロック州立公園に見られる特徴的な岩山はおよそ3億〜2億7000年前に古代の山から運ばれて来た砂が堆積して固まってできたもので、後に川による侵食を受けて現在のかたちになった。柔らかい地層ほど侵食されやすいので、硬い部分が残った独特のかたちになる。岩が赤い色をしているのは、堆積した砂が鉄分に富む地下水に浸されることで、白い石英の砂粒一つ一つが酸化鉄の薄いレイヤーに覆われているからだ。
ところどころに、帯のような白い層が見える。白い部分の層は砂の粒が他の部分よりも大きく、粒子同士の間の隙間が大きいので水が素早く流れ、鉄分の赤い色がつかなかったそうだ。
手前の山は鐘の形をしたベル・ロック(Bell Rock)。その右後ろに見えるのはコートハウス・ビュート(Courthouse Butte)。上の硬い地層が残って台地になった地形は、その形状によってメサ(Mesa)とかビュート(Butte)と呼ばれる。メサとビュートの厳密な違いはよくわからないが、上部が細く孤立丘になっているものがビュートと呼ばれるらしい。ベル・ロックやコートハウス・ビュートの色はひときわ鮮やかだった。このオレンジががった色の岩はSchnebly Hill Formationと呼ばれる岩で、およそ2億8000年前に形成された。その頃、セドナ一帯は海岸の砂丘だった。ベル・ロックの裾広がりの下部は丸みを帯びた階段状になっている。
ヘリコプターはベル・ロックの周りを旋回した。カーブを描くときには機体が大きく傾く。もちろん、自分の体も一緒に傾くので落ちそうな感覚になる。でも、高いところというのは中途半端に高い方がむしろ怖くて、一定以上の高さになるとそれほど怖くない気がする。現実味が薄れるからだろうか。
レッド・ロック州立公園というくらいなので、圧倒的な迫力で視界に入って来るのは主に赤い砂岩だけれど、ベル・ロックよりも高い山の上の方は白っぽい色をしている。Schnebly Hill Formationの上に乗っかっているのはココニノ砂岩(Coconino Sandostone)。ココニノ砂岩が形成された2億7500万年前にはセドナの南東にあった海が後退し、一帯は内陸の砂丘になっていた。Schnebly Hill Formationよりも砂の粒が大きく均等で、酸化鉄の色がつかなかった。
それにしても、ダイナミックな景色の中をヘリコプターで飛び回るというのは、想像以上に感動的な体験だった。同じ空から眺めるのでも、飛行機の窓から見るのとはまただいぶ違い、もっと鳥のような感覚だと言えるかな。
さて、レッド・ロック州立公園はもちろん、歩いて回ることもできる。公園内にはたくさんのハイキングコース(トレイル)が整備されている。
ベル・ロックからコートハウス・ビュートを背景に撮った写真
Devil’s bridge
カセドラル・ロック(Cathedral Rock)
Oak Creek Canyon
写真はたくさん残っているけれど、公園にはとてもたくさんのトレイルやビューポイントがあるので、どの地点で撮ったのかどうしても思い出せないものもたくさんある。この記事をまとめるためにガイドブックやいろんなサイトを見たが、「こんな場所もあったのか。見ればよかった!」と何度も悔しい気持ちになった。広大な自然保護区のすべてを見ることはもちろん不可能だけれど、、、。家族で行けて本当によかったなあ。
参考図書: Wayne Rainey “Sedona Through Time. A Guide to Sedona’s Geology” (2010)
アメリカの魅惑の風景 その4 バリンジャー隕石孔
「過去旅風景リバイバル」米国編の4箇所目はアリゾナ州北部ウィンズローという町の近郊にあるバリンジャー隕石孔。バリンジャー隕石孔は、約4万9先年前に地球に衝突した隕石によって形成された直径約1.2キロメートルのクレーターで、その縁に上がってクレーター全体を眺めることができる、すごい場所だ。バリンジャー隕石孔の「バリンジャー」は、地面の巨大な窪みを隕石によって形成されたものだと主張した、鉱山技術者ダニエル・モロー・バリンジャー(Daniel Moreau Barringer)の名字である。隕石や隕石孔にはそれが落ちた場所の最寄りの郵便局の名前をつけられることが多いそうで、「ミティア・クレーター(Meteor Creter)」とも呼ばれる(Googleマップ上はメティア・クレーターと表記されている)。他にもいくつかの呼び名があるようだ。
先に行った人から「ただの穴だよ」と聞かされていたので、あまり期待して行くとガッカリするかな?と思ったけれど、実際に見たら、やっぱりすごーい!
ここに隕石が落ちたんだね、ひゃあー。直径30〜50メートルの鉄隕石だというが、それがこんなに大きな穴を作るとは。落下のスピードはThe Barringer Crater Companyのサイトによると、秒速12kmと推定されるらしい。途方もないスケールの話で、実際に地球上に起こったことなのに現実味がなく、怖いという感覚は湧かない。
ちなみに、私が住んでいるドイツにも隕石孔がある。ネルトリンゲンのリース・クレーターは直径25kmもあり、このバリンジャー隕石孔をはるかに超える巨大さだ。でも、全体を眺めるには大きすぎるし、クレーターの中に町ができているから、隕石が落ちた場所と言われてもピンと来ない。(ネルトリンゲン市内には「リース・クレーター博物館」というとても面白い博物館がある。それについてのレポートはこちら)そして、ネルトリンゲンの近郊、シュタインハイムにもリース・クレーターと同時期にできたシュタインハイム・クレーターがある。そちらは小さいので、近くの丘からぐるりと見回すことができるけれど(レポートはこちら)、牧草地なので、よーく見ればなるほど窪地になっているのがわかるものの、知らなければそのまま通り過ぎてしまうだろう。それらと比べ、このバリンジャー隕石孔は窪みが一目瞭然で、一度見たら忘れられない風景だ。
バリンジャー隕石孔はバリンジャーさんの子孫の私有地だというのもびっくりした。ビジターセンターで詳しく説明してもらったけれど、メモを取っていなくて、9年も前のことだから、どんな内容だったかすっかり忘れてしまった。やっぱり、面白いと思ったことは忘れないうちに記録しないとなあ。
UVライトを持って夜の琥珀ハントに出かける
長くて暗いドイツの冬。ここのところ、連日グレーの曇り空で、いつ日が登っていつ沈んでいるのかもよくわからないほどである。21:00頃だと思って時計を見るとまだ17:00だったりして、とにかく夜が長ーい!相変わらずのコロナ禍で夜に町に出ていく感じでもない。暗くても楽しめること、なんかないかなあ?
と思っていたら、Geopark Nordisches Steinreichというジオパークからメーリングリストでエクスカーションイベントのお知らせが来ていた。このジオパークはメクレンブルク=フォアポンメルン州、ニーダーザクセン州、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州そしてハンブルク州という4つの州にまたがり、石の種類が豊富なのが特徴である。以前、なんとなく思いつきでメーリングリストに登録したらお知らせが届くようになった。でも、いずれのエクスカーションもブランデンブルク州の我が家からは遠いので参加したことがなかったのだけれど、先週届いたメールのエクスカーションタイトルに「UVライトを持って夜の琥珀探し」と書かれていて、気になった。というのも、先日、夫がUVライトを買ったばかりなのだ。特に使用目的があるわけではないんだけど、あると面白いかな?というのでネットでポチって、家にある石ころを照らしたりして遊んでいたところ。そうだ、琥珀もUVライトを当てると光るんだよね。
ドイツのバルト海は世界的に有名な琥珀の産地だ。以下の記事にまとめたように、素敵な琥珀博物館もある。
世界有数の琥珀の産地、バルト海の琥珀博物館を訪れる
バルト海の海岸で琥珀探しができたら最高だけど、うちから日帰りで行くには遠い。でも、よくお知らせを見たら、海岸まで行かなくても内陸の砂利の採石場でも琥珀探しができることがわかった。ハンブルクに近いLüttowというところの採石場まではうちから片道2時間ちょっと。これなら参加できる。早速、エクスカーションに申し込んだ。
17:00に石切場の駐車場で集合。参加者は10人ちょっとで、子ども連れの人もいた。地質学ガイドさんの案内で真っ暗な石切場に入って行く。
なんかワクワク〜
採石場には砂利の山がたくさんあって、山の表面を熊手で引っ掻いて琥珀を探す。琥珀以外にもUVライトで光るものがいろいろあるが、黄色く光るのが琥珀だ。
わー、楽しい。大人も子どもも同じ熱量で遊べるのがいいな。参加者同士、ほとんど会話もせずに暗闇の中、黙々と琥珀を探していた。
1時間半ほどでこのくらい拾った。ちっちゃーいのばかりだけど、初めてだから、まあこんなものかな?思ったよりも色のバリエーションがある。
本当に全部琥珀か、塩水に入れてチェックしてみた。一応全部、浮いているので、きっと本物でしょう。
味をしめて、もっと本格的に探してみたくなった。いつか機会があるといいんだけど。バルト海に旅行者用のアパートを借りて、1週間くらい夜の海岸を琥珀を探し歩くという冬の過ごし方も悪くないかもしれない。
ちなみに、ジオパークNordisches Steinreich の琥珀探しエクスカーションはわりと頻繁にやっているようで、ロケーションもいろいろだ。エクスカーションのスケジュールはこちら。このジオパークは他にもハルツ産地やイギリス南部のジュラシックコースト、サルディニア島などへの少人数のジオ旅行も提供していて、とても面白そう。いつまで続くのかわからないパンデミック下、町中での活動を計画するのは本当に難しくなってしまった。自然の中で楽しめることを少しでも見つけていきたいと思う今日この頃。
アメリカの魅惑の風景 その3 デスバレーのメスキート・フラット砂丘
過去旅風景リバイバル、米国編。今回スポットを当てるのは、カリフォルニア州デスバレー国立公園北部にあるメスキートフラット砂丘(Mesquete Flat Sand Dunes)。カリフォルニア州北東部のマンモスレイクス(Mammoth Lakes)からネバダ州ラス・ベガスへ移動する途中に見た風景である。
真夏だったので、デスバレーは迂回した方がいいのではないかと思った。なにしろ、デスバレーは世界で最も暑い場所の一つで、56.7℃という世界最高気温を叩き出している。水をたっぷり積んで走るにしても、途中で車がエンコするかもしれない。外に出て灼けた地面を歩いたら靴底が溶けたという体験談も聞いていた。でも、「デスバレー(Death Valley)」という言葉の響きにはやっぱり興味をそそられる。一目見たかった。夫も、迂回すると遠いから、やっぱりデスバレーを突っ切って行こうと言う。一番暑い時間帯に当たらないようにと、早めに出発することにした。
ところが、家族が朝、なかなか起きないので出発が遅れ、途中でマンザナーにあるかつての日本人強制収容所を見学していたらあっという間に時間が過ぎて、午後になってしまった。オーエンズ湖の東側を通り、州道190号線に入ってしばらく走るとデスバレーに突入する。
車を停めて、少し歩いてみる。暑いが、まだこの時点では耐えられないほどではない。
さらに190号線沿いを進むと、メスキート・フラット砂丘と呼ばれる砂丘地帯に到達した。駐車場があったので、休憩することにした。
恐る恐る、車のドアを開けて外に出る。うわぁ、暑い!まるでドライヤーの熱風を全身に浴びているかのよう。砂丘の奥に向かって、少しだけ歩いてみる。
眩い光にクラクラしながら眺める風景は、なんだか現実感がなく、不思議だった。
デスバレーは広大なモハーヴェ砂漠の北に位置している。砂漠なんだから砂丘があって当たり前な感じがするが、実際にはそうではなく、砂漠には砂砂漠の他に土砂漠、岩石砂漠、礫砂漠などいろんな種類がある。この一帯は山脈に挟まれていて、風上にある山が侵食を受けて砂が運ばれて来るが、風下にある山がバリアとなって砂がそれ以上飛ばされず、この一帯に溜まることで砂丘となった。デスバレーは「バレー」という名の示す通り谷で、一番低いところは海面下マイナス86mととても低い。北西から南北に伸びるデスバレーの真ん中には活断層がある。その断層が水平方向にずれて谷底が広がり、中央部が沈下していったからそんなに低いのそうだ。(参考: 渡邉克晃「美しすぎる地学辞典」)
砂の上を歩いていたのは10分ほどだったろうか。圧倒的で魅力ある風景だけれど、暑くてとてもじゃないけれどこれ以上は外にいられない。急いで車に乗り込み、出発した。
そこから先の景色も凄かった。もう車は降りず、車の窓ガラス越しに撮ったのでのでぼんやりとしているけれど、ネバダ州へ抜けるには、こんな山を越えていく。
冬が観光シーズンの米国最大の国立公園、デスバレー。このときは夏だったので、サッと通り過ぎてしまったけれど、「アーチストパレット」や「サブリスキーポイント」など、驚異的な風景の宝庫だから、いつかまた行くチャンスがあったらトレッキングしてみたいなあ。