今年初めて庭のナラの木に赤外線カメラを取り付けた鳥の巣箱を設置したところ、シジュウカラのメスが巣作りをした。シーちゃんと名付けたその雌鶏が育児をする様子をカメラの映像を通してハラハラドキドキと見守り、「シジュウカラの育児観察記録」としてこのブログに連載したが、5月23日、寒空の中、ヒナたちは無事に巣立った。それを見届け、私のシジュウカラの観察は(一旦)幕を閉じたのだった。

コロナウイルスによる外出制限下、6週間にわたって毎日なんどもなんども巣箱を覗いていたので、いつの間にかシジュウカラのシーちゃんとそのダンナ、子どもたちは私にとってすっかり大きな存在になっていたようだ。ああ、とうとう行ってしまったか。嬉しいけど、寂しい、、、。空の巣を覗いてはしんみりする私。いつの日かまた戻って来ることもあろうかと、掃除した巣箱をふたたびナラの木に設置した。

4日後。

「もういないとわかってはいるけど、つい巣箱を覗きたくなるんだよね」と苦笑しつつ、アプリを開いた。すると、どうでしょう!

“Hallo. Ich bin wieder da!” (帰って来たよ〜ん)。なんと、シーちゃんがカメラに向かって微笑んでいるではないか!

え、え、え!?もう戻って来た?しかも、なんですか、周りにあるその素材は?もしかして、また巣作りするの?

慌てて調べたら、シジュウカラは1年に2度、3度と営巣をするのが珍しくないらしい。いや、でも、子ども達もまだまだ手がかかろうに、たった3日の育休でもう次の子を産む準備って、すごくない?シーちゃん、体力ありすぎである。

ということで、どうやらふたたび営巣を観察させて頂けるようだ。びっくりするやら嬉しいやらで笑いが止まらない。

一度営巣から巣立ちまでを一通り観察しているので、プロセスはこちらも把握している。今回は前回ほど興奮せずに落ち着いて見守ることができそうだと思ったのだが、2度目でシーちゃんも慣れているからだろうか、今回はスピードがやたらと速い。

前回は営巣に10日ほどかけていたのに、今回はちゃちゃちゃっと手際よくやって、営巣開始から2日目にはもうほぼ完成したのか、すでに巣箱の中で寝ている。はやっ!!

わっ、もう産んだっ。営巣開始からわずか3日目である。

それからはマニュアル通り、毎朝1個づつ卵を産んだが、全部産み終わってから温めモードに入った前回と異なり、今回は温めながら産み足していく方針らしい。

おなじみの抱卵姿

今回は全部で7個。前回よりも2つ少ないが、前回は9つのうち1つ孵らなかったのがあったし、孵ったヒナのうち2羽が巣立ち前に死んでしまったので、今回は少なめでむしろほっとする気分。卵までスピード孵化ということはさすがになさそうだから、ヒナが生まれるのは6/20くらいかな。

ところで、前回巣立ったヒナ達は大きくなって、元気に庭を飛び回っている。巣立ち直後のようにぽけーとはしていないので、近寄って写真を撮るのは難しくなった。どれがマルちゃんでどれがチビちゃんなのかはもう識別できないが、今朝数えたら全員いることが確認できた。池に落ちてしまって大騒動を起こしたチビちゃんも無事で良かった。

あと1ヶ月もすれば第二期生たちが加わって、我が家の庭はいっそう賑やかになるだろう。楽しみだなあ。