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パナマ旅行記 その11 ツリーハウスからオオツリスドリの巣作りを観察する
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
コロン島に来るにあたってとても楽しみにしていることがあった。それは森の中のツリーハウス風の小屋に宿泊すること。旅行計画を立てているときに偶然ネットで見つけ、良さそうだったので予約しておいた。コロン島の宿は港のあるボカスタウンに集中しているが、私たちが滞在するのはタウンから少し離れたブラフビーチ付近にある。
壁のない開放的な造りで窓にはガラスもなく、網戸だけなので自然をダイレクトに感じることができそうだ。
ドイツでは聞いたことのない種類の鳥たちがさえずり、虫が鳴いている。海が近いので、潮騒も聞こえる。静寂とはとても言えない賑やかな環境だ。でも、自然の音に包まれながら眠り、朝はホエザルの吠え声で目が覚めた。気分は最高。
高い場所なので鳥たちが飛び回る様子がよく見える。キッチンから尾の黄色い大きな鳥が数羽、忙しそうに何かをしているのが見えた。「見ろ、紐みたいなのを引っ張ってるよ!」と夫が興奮して叫ぶ。
網戸越しなので画像が不鮮明だけれど、黒い大きめの鳥が植物の繊維を引っ張り出して、その繊維で何かを編んでいるようなのだ。ツリーハウスだからいきものが観察できるかな?と期待はしていたが、初っ端からこのようなものを間近に見られるとは。
何の鳥だろう?生き物の種類を特定できるように家から中米用フィールドガイドを持参していた。それによると、どうやらmontezuma oropendoraという鳥だとわかった。日本語名は「オオツリスドリ」。植物の繊維で袋を編んで巣にするらしい。残念ながら葉っぱが邪魔して巣がよく見えない。ネット検索したら、ナショナルジオグラフィックに連載記事を書いていらっしゃる昆虫研究者、西田賢司さんのオオツリスドリに関する記事に巣の画像が載っている。編んだ袋は枝にぶら下げてヒナを入れておくようだ。私なんて、手が2つ指が10本あっても編み物は得意じゃないのに、クチバシだけで編むなんてオオツリスドリは器用だなあ。
他にもいろんな鳥が飛んでいる。「ティリッタラ、ティリッタラ、ティリッタラ」と可愛い声でリズミカルに歌い続ける鳥もいる。何の鳥だかわからないけど、すごく気になる。(残念ながら、最後までその鳥の名はわからなかった)
ツリーハウスから鳥を観察したり、外に出て周辺の植物や虫を眺めるだけでもかなり楽しくてそれだけでも私は満足だ。
でも、家族がじっとしているのは退屈だ、何かしようとうるさい。近くにコウモリの洞窟があるというので行って見ることにする。それについては次の記事で。
パナマ旅行記 その10 スリル満点。霧雲の峠を越えてカリブ海の島へ
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
ボケテ高原に1週間滞在し、ハイキングしたり、温泉に入ったり、動物保護施設を見学したり、ジップラインを楽しんだりした後、私たちはカリブ海の島、コロン島へ移動することにした。
コロン島はパナマ北西部のボカス・デル・トーロ県に属する島である。同県には大小の島があって、コロン島はメインの島なので飛行場もあるが、私たちはレンタカーを借りているのでパナマ本土からカーフェリーを利用しなければならない。フェリーはアルミランテ(Almirante)という小さな町から出ている。ボケテからアルミランテまでは地図で見ると直線距離ではそう離れていない。でも、山道なのでどのくらいの時間がかかるのか、よくわからなかった。ボケテの人に聞くと、4時間ほどらしい。フェリーの運行は朝の7時または正午の一日2回。しかも、乗れる台数が少ないので、出港の1時間前には港に到着していないと乗れない可能性があるという。正午のフェリーに乗ることを目指し、余裕を持って朝6時半にボケテを出発した。
なかなかハードな道のりだった。山道でカーブが多い上に道路は穴だらけ。滞在していたパロ・アルトも雲霧林の入り口に位置しているため始終霧雨が降っていたが、峠を越えるにはさらに山を上らなければならない。つまり、霧で視界が悪いのである。
アルミランテまでの間、町らしいものはなく、ところどころに集落があるだけ。途中で車の調子が悪くなったりなど何かハプニングがあれば完全にお手上げだろう。
道路にいろんな動物がいて、その度によけて通ったり、
壊れそうな狭い吊り橋を渡ったり、なかなかスリルがある。でも、私はこれまでに夫があらゆる国のあらゆる道路を運転するのに同乗して来たので、今では悪いコンディションにもすっかり慣れてしまったというか、まあ今回もきっとどうにかなるさという妙な安心感があった。
そして、村々を通過しながらの移動は楽しかった。パナマシティを出発してボケテ高原へ行く途中やチリキ県で見た民家のほとんどはビビッドな色のペンキを塗ったコンクリートの四角い家が多かったが、ボカス・デル・トーロ県に入ると高床式の木造や茅葺機の家屋が目につくようになった。物干しロープに干してあるカラフルな洗濯物や、お母さんと一緒に通学中の子どもを眺めながらゆっくりと車を走らせる。ある集落では皆で集まって公共スペースの草刈り作業をしている最中だった。男性も女性もマチェテと呼ばれる山刀をブンブン振って草を刈っている。マチェテは農具として不可欠なのか、道ゆく人の多くがマチェテを手に提げて歩いている。
馬とともに川を渡人たち。後ろの人は右手にマチェテを下げている
幸い何事もなく、フェリー出航の1時間前に無事にアミランテに着いた。アミランテはちょっと不潔な感じの町で、あまり長居をしたい雰囲気ではない。フェリー乗り場の看板を探したが見つからない。現地の自称ガイドが何人も自転車でうろうろしている。外国人旅行者を乗り場まで案内してお小遣いを稼ごうということらしい。
高原から来たので、低地は蒸し暑くてたまらない。水をがぶ飲みしながらフェリーを待っていると、ようやく到着して車が降りて来た。しかし、乗り降り口付近の路上に大きな穴が開いていて、降りて来た車があっさりと穴に嵌まってしまった!
なんとまあ、、、。御愁傷様。それにしても、こうなることは予測できることなのに、穴を埋める気はないのだろうか?この車を穴から出すためにフェリーの出航時刻が遅れることになった。ようやく救済作業が終わり、私たちは穴に落ちないように気をつけながらフェリーに乗り込んだ。
約1時間でコロン島に到着。コロン島はボカス・デル・トーロ県にあると先に書いたが、コロン島にある県都の名前もボカス・デル・トーロ(略してボカス)という。県都といっても人口10万人弱の小さなタウンである。ボケテタウンとは異なり、カジュアルな雰囲気の町だ。ボケテおよびその周辺には少数民族ノベ・ブグレ族(グァイミー族とも呼ばれる)が多く住んでいて、カラフルなロングドレスの民族衣装をよく目にしたが、コロン島ではアフロ系住民が多いらしいことに気づいた。また、ボケテ高原には仕事をリタイアした欧米人移住者がたくさん住んでいて外国人の平均年齢が高めの印象だったが、コロン島はサーファーなど若い外国人が多そうである。観光地として人気上昇中なのが見て取れるが、まだマスツーリズムの波は到達していないようで、大型のリゾート施設などはなく、素朴な感じである。現在は雨季でシーズンオフなので、余計そう感じるのかもしれない。
ここまで来るだけでもなかなかの冒険だった。さて、これから1週間、カリブ海の島暮らしを楽しもう。
パナマ旅行記 その9 Volcánの野生動物保護施設、Raquel´s Ark
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
前回に引き続き、私たちがパナマで訪れた野生動物保護施設について。娘がネットで調べたところ、ボケテタウン近隣のVolcánというところにもRaquel´s Arkという保護センターがあることがわかった。ボケテタウンからは車で片道1時間半くらいかかるが、娘が是非とも行きたいと言うので出かけることにした。(結果は行って良かったと思える場所だった)
マップを見ながらたどり着いた場所はこんな場所。左側に民家があり、横の塀にRaquel´s Arkとスプレー書きしてある。ここが動物保護施設?どうやって入ったらいいのかわからない。民家の窓から中を覗くと人がいたので、窓ガラスを叩いた。すると中にいた女性が、ドアは開いているから入って来いと合図するので、建物横のドアを押して敷地内に入った。
ドアを開けるとこのような池があり、その奥がテラスになっている。テラスに向かって進むと、家の中から6歳くらいの女の子が出て来た。スペイン語で「私たちは動物が見たい」と伝えると、女の子は頷いて家の中に入って行った。
そして、まもなく大きなぬいぐるみを抱えて再び出て来た。「はい、どうぞ」とぬいぐるみをこちらに渡そうとする。いや、見たいのはぬいぐるみじゃなくて、、、、と思ったら、えっ?目が動いてる?これって本物?ていうか、これナマケモノじゃないの?
びっくりしていると、オーナーのRaquelさんが出て来た。「よくいらっしゃいましたね。さあ、どうぞどうぞ。ナマケモノを抱っこしてください」といきなり!
予期せぬ展開、なにがなんだかわからない。でも、ナマケモノ可愛い!!今まで何度か野生のナマケモノを目にしたことはあるが、高い木の上にいるので下からフカフカの丸いお尻を眺めるだけで、なかなか全体像を捉えることができなかった。望遠鏡で顔を確認できれば上出来だ。そのナマケモノを間近で見られるだけでなく、抱っこできるとは。ナマケモノは嫌がる様子もなく、腕を絡ませて来る。
Raquelさんが保護しているナマケモノは二匹。私が抱いている方はかなり大きく、ずっしりと重い。もう一匹は小さく、紙おむつを当てていた。「赤ちゃんなんですか?」「いえ、二匹とも同い年で9歳ですが、種類が違うんです。小さい方は雌なので、その違いもありますね。小さい方は今日、ちょっと下痢気味で、それでオムツしてるんです」。「ナマケモノは何年くらい生きるのですか?」「30〜40年生きますよ」
とにかく可愛くてたまらない〜。
他にも動物がいるはずだが、ナマケモノが可愛すぎていつまでも抱っこしていたい。しばらく楽しんだ後、他の動物も見せてもらうことにした。
オーナーの方が二匹のナマケモノを布で包み、ベンチの背もたれに立てかけて置いた。「そろそろ寝る時間だから」。「そうやって寝かせるんですか?」「そうよ」。
ナマケモノを寝かせた後、敷地の奥へ案内してもらった。
初めて見るネコ科の動物がいる。「それはジャガランディ」。光沢のある毛並みが美しい。
家猫のように擦り寄って来た。ジャガランディを撫でていると、ラケルさんが「Don´t touch the jaguar.」と言う。え?え?ジャガーって?と振り返ると、
後ろのフェンスの向こうにはジャガーが!わ、びっくりした。「どういう経緯でジャガーを保護することになったんですか?」「ペットとして飼われていたんですよ。狭いところに閉じ込められていたのをうちで引き取ることになりました」「ペット?ジャガーをペットとして飼うことは違法ではないんですか?」「この国には、それをはっきりと禁じる法律がないのです」。
「それではサル達を見に行きましょう。うちでは若いホエザルとフサオマキザルを保護しています」。サルと聞いて喜ぶ娘。ここではケージの中に入ることができた。
ホエザルの子どもと戯れる娘
娘はエクアドルで主にサルの世話をしていたので、さすが慣れているなあ。と思って眺めていたら、後ろから誰かに髪の毛を引っ張られた。
「ちょ、ちょっと待ってよ、、、」
なぜかやたらと指を舐めたがる。でも、可愛いわ〜。ホエザルはとどろきのような大声で鳴く大型のサルである。以前休暇を過ごしたコスタ・リカのオサ半島では明け方になると怪獣のような恐ろしい鳴き声が森に響き渡った。その体験から、可愛いという存在ではないと思っていた。でも、子どもはやっぱり可愛いね。
夫はホエザル2匹とフサオマキザル1匹にまとわりつかれている。フサオマキザルは夫の頭にシラミがいないか探してくれているようだ。そしてこの直後、夫は彼におしっこをかけられた。笑
その他、ハナグマとアライグマも保護されていた。Raquelさんに「いつから動物保護活動をしていらっしゃるんですか」と聞くと、「もう20年ほどやっています。以前は中南米のあちこちを転々として活動していましたが、6年前からここに定住して保護している動物に尽くしています」と仰った。センター名のRaquel´s Arkはノアの箱舟(Noah´s Ark)をもじったものだろう。
動物保護センターというと専用の敷地や建物があるものだと思っていたので、Raquel´s Arkのように個人の自宅がそのまま保護施設という事実には驚かされたが、その分アットホームで私たちの突然の訪問にも快く対応してくれて感激だった。動物を見せてもらうのは無料だったが、感銘を受けたのでわずかながら寄付金を置いて来た。また、Raquelさん宅はAirBnBを通して部屋も提供している。野生動物と触れ合うことのできる宿なんて最高だよね。
(追記: この訪問から3年経った現在も、FacebookでRaquel´s Arkのページをフォローしている。抱っこさせてもらったナマケモノの他、現在ラケルさんが保護している野生動物についてリアルタイムで知ることができ、いつかまた訪ねていきたいなあと思う日々である)
パナマ旅行記 その8 Palmiraの動物保護施設 Jungla Wildlife Center
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
今回の旅行では娘が滞在地の周辺情報を調べ、行きたいところを連日提案している。この日はボケテタウンに隣接するPalmiraというところにある動物保護センター、Jungla Wildlife Rescue & Rehab Centerを訪問したいと言う。
娘は動物好きで、高校を卒業してすぐ、エクアドルアマゾンにある野生動物レスキューセンター、Merazoniaへボランティアに行っていた。Merazoniaは怪我をしたり密輸されかけ保護された野生動物をケアし、また野生に戻す活動をしている組織で、娘はそこで1ヶ月半、保護されたサルや鳥、ハナグマ、キンカジューなどいろいろな動物の世話をさせてもらった。その経験から、パナマでの動物保護についても知りたいのだという。私も大いに興味があったので、見学に行くことにした。
Jungle Wildlife Center
娘がボランティアをしていたエクアドルの施設は、動物を自然に戻しやすいように施設自体がジャングルの中にあるが、ここは町外れのファームのような場所で、かなり雰囲気が違うと娘は感じたようだ。
建物の中に入ると若い男性が出て来たので、施設を見学させて欲しいと伝える。男性はボランティアスタッフの一人だった。10ユーロを払うと現在保護している動物を見せてくれるとのことで、早速、案内してもらう。どんな動物たちが保護されているのだろうか。
大きなケージではスパイダーモンキーのデイジーとピーターが保護されている。
デイジー
サルのケージには見学者は入ることができず、金網の隙間からピーナツをやるだけ。その他の動物のケージには入らせてもらうことができた。
このアライグマはペットとして飼われていたことがあり、人馴れしている。自然に還してもきっとまた人のいるところに戻って来てしまうだろうとスタッフは説明した。スタッフがドライフードの載ったトレーと水をはった金だらいをアライグマの前に置くと、両手でドライフードを少しづつすくっては水の中に入れて洗って食べていたのが可愛かった。
メガネフクロウ
クロコンドル
トゥーカン
トゥーカンは他の鳥たちと異なり、小さいケージに入れられている。娘が質問した。「この子は野生に戻す予定ですか?」センターのオーナーの女性が「ええ。そうしますよ」と答えると、娘は「飛べるように大きなケージにして、中に枝を置くなど、自然に近い環境にしないのですか?」と突っ込む。「もちろん。この子はたった今、ここに運ばれて来たばかりなの。これからこの子のために良い環境を作りますよ」
キンカジュー
オーナーの女性に案内され、物置小屋の戸をそっと開けると、中にキンカジューが寝ていた。「この子は夜行性で昼間は出かけるんだけど、昼間はなぜかいつもこの物置に入って寝ているのよね。ここが好きみたいで」
この日センターで見た動物たちの他にも、昼間は出かけて夜だけセンターに戻ってくる動物もいると聞いた。また、野生動物の他にもヤギや馬のような家畜、犬や猫もたくさん保護されている。犬は10匹ほど、猫は25匹もいるとのこと。
この馬は目が見えないが、なぜか娘に擦り寄って来た。
この犬も目が見えない。でも、他の犬と元気にじゃれ合って、楽しそうにしている。犬や猫は広い敷地の中で放し飼いになっていて、自由気ままだ。
センターのオーナーの女性はアメリカ人で、動物たちの世話はボランティアスタッフが支えている。保護されている動物たちの多くは怪我をして飛べなくなっていたり、目が見えなかったりと問題を抱えているが、よくケアされていて幸せそうだ。この動物保護施設にはとても良い印象を持った。
次の記事では、翌日見学したもう一つの動物保護施設、Raquel´s Arkを紹介する。
パナマ旅行記 その7 想像を超えたネイチャーウォーク ボケテ高原吊り橋ツアー
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
ボケテ高原3日目。この日はTree Trek Adventure Parkというところで吊り橋ツアーに参加することにした。吊り橋を渡りながらハイキングするツアーで、ネイチャーガイドさんが動植物について説明してくれるという。
現地に着き、受付でツアーに申し込もうとすると、「今、最初のツアーが出たばかりなので、次は1時間後です」と言われてしまった。1時間も待つのかあとがっかりしていたら、別の男性が隣の部屋から入って来た。受付係りはその男性と何やら話している。そして受付の人が急に言った。「やっぱり今すぐツアーできます。彼について行って」。わけがわからないが、出発できると聞いてついて行った。
「私、今日は本当はガイドの担当じゃないんですが、ちょうどヒマなので特別に案内しますよ。他の参加者と一緒の大きなグループより、あなた達だけの方がいいでしょ?」どうやらスケジュール外のプライベートツアーを通常料金でやってくださるということらしい。ついている。お願いすることにした。
ハイキングするのはLa Amistad Friendship International Parkといって、コスタ・リカとパナマにまたがり、両国が共同管理している自然公園だ。渡る吊り橋は全部で6つ。最初の橋の高さは40m、長さは135m。
怖そうに見えるかもしれないけれど、ジャングルの中は植物が生い茂っていて地面が見えないから、全く怖くない。ガイドさんがいろいろな植物や動物について説明してくれるのを聞きながらの散策はとても楽しかった。ガイドさんがいなければ気づかずに通り過ぎてしまうものばかり。但し、山を登りながら写真を撮るので精一杯でメモを取ることができなかったので、教えてもらった植物や虫の名前全部忘れてしまった。とても残念。
「この蜘蛛の巣を見てください。蜘蛛がまるで小枝のようでしょう?」なるほど擬態しているのか。面白い。
綺麗な花がたくさん咲いている。「これ、花びらがずいぶん硬いね」と花を触りながら娘が言う。「それは本当の花びらじゃないんですよ。本当の花はこっち」
歩いていると頭の上をいろんな鳥が飛んでいく。ガイドさんによると、鳥は赤、黄色、白しか認知できないので、ジャングルを歩くときにそれらの色の服を着ていると花と勘違いして鳥が寄って来やすくなるそうだ。
ガイドさんは今度は地面近くを指差した。斜面の下の方の少し窪んだところに細い透明な糸のようなものが張られている。
「これは蜘蛛の巣のようなものだけど、蜘蛛によるものではないんです。ほら、この白い細長いもの、この虫が蜘蛛のようにネバネバした糸を出しているんですよ。この虫は夜になると光ります」
ツマジロスカシマダラ (Glasswing butterfly)
うまく写真が撮れなかったが、羽がほぼ透明で向こうが透けて見える綺麗な蝶がいた。
2つ目の吊り橋を渡り終わって少し歩いたところで、ガイドさんが「上を見て。ケツァールがいますよ」と言った。目を凝らして指さされたあたりを見ると、枝の間に赤と鮮やかな青をした小さな何かがいるのが見えた。双眼鏡で見ると、本当にケツァール!?ケツァールは世界一美しい、幻の鳥と言われている鳥だ。それがそんなに簡単に見られるとは驚きである。写真を撮ろうとしたけれど、望遠レンズでも遠くてダメだった。「尾がありませんね。売り物にするために尾を切ってしまう人がいるんですよ。だから、尾のないケツァールが多いんです」
上から先に出発したハイキング客のグループが戻って来てすれ違った。「あの方達が予約したのはハーフツアーだから、3つ目の吊り橋で引き返して来たんですね。私たちは6つ全部渡りましょう」。
3つ目、4つ目と高度を上げながら吊り橋を渡って行く。4つ目の橋の高さは70m。吊り橋から見下ろすジャングルは素晴らしい。そして吊り橋から眺める滝も。
「あのオレンジの実は食べられますか?」
「あれはまだ熟していませんね。サルの好物ですよ」
「こっちは熟している」ガイドさんは一粒つまんで口に入れた。「あなた達も食べてみて」。食べてみるとそれほど甘くはなく、トマトのような味がする。でも、あ、あれっ?「後味がピリッとするでしょう?」かすかに唐辛子のようなスパイシーな後味が残った。
「あ、Black guanがいる。ほら、あそこ!」見ると、黒くて大きな鳥がいた。「あなた達、今日はずいぶんラッキーですね。バードウォッチングツアーでもblack guanはなかなか見られないんですよ」。日本語名はクロシャクケイというらしい。こちらも残念ながら写真は撮れず。
さらにいろいろなシダ植物や蘭などを見ながら歩いて行く。ふと足元に目をやると、赤いキノコが生えていた。「これ、毒キノコ?」
「そう。毒キノコです。ちょっと待って」。ガイドさんは小枝を2本拾い、キノコの赤い部分を両側から挟んでぎゅっと押した。
真ん中からパフッと胞子が出てくるのが見えた。「吸い込んじゃダメ。吸い込むと象が空を飛びますよ」「象が空を飛ぶ?幻覚を見るってことですか?」「そう、このキノコは幻覚作用のある毒キノコなんです」。あたりを見回すとあっちにもこっちにも生えている。
「あれえ?カニだ!何でジャングルにカニが?」驚く娘。「サワガニだね」と私。でも、ずいぶん高いところにまでいるんだなあ。
「さあ、一番高い場所に着きましたよ」。ここがトレイルの頂点。なんてクールな場所なんだろう!
さあ、ここからは下り坂だ。
「わ、見て。毛虫がこんなにびっしり!」「毒ありますか?」「これは毒なしだから触っても大丈夫。柔らかいですよ」。そっと触ると、毛がふわふわだ。小さなヘビやトカゲもいた。
マラカイトハリトカゲ (Sceloporus malachiticus)?
いろんなものを見てご機嫌な私たち。5つ目の吊り橋を渡っている時だった。先頭を歩いていたガイドさんが急に血相を変えて振り返った。口に人差し指を当てて「静かに」の合図をしてから吊り橋の下の茂みを指差す。「プーマがいる」。
ええっ!プーマ!?まさか、聞き間違いだよね?
「あそこ。見えますか?プーマですよ」。必死で目を凝らすが、見えない。どこ?
するとガサガサっと葉の動く音がし、茶色い大きな猫が茂みの中を走るのが見えた。呆然とする私たち。
「す、すごい、、、、」。ジャングルの奥地でもないのに、サファリツアーでもないのに、野生のプーマに遭遇するなんてことがあり得るんだろうか。信じられない。
ガイドさんもしばらく感慨深そうに橋の上に立ち尽くしている。
「あなた達は本当にラッキーですよ。私はよく一人でジャングルを散策しますが、いろんな動物を見つけることができます。でも、お客さんと一緒のときには難しい。あのプーマは多分、今夜この辺りで寝ていたんでしょう。あなた達の前に出発したグループ、途中で引き返しましたよね。もし彼らがここまで来ていたら、その時点でプーマは逃げてしまっていたと思います。だから、あなた達はラッキーだった。私がなぜプーマに気づいたと思いますか。かすかに唸り声が聞こえたんですよ」
驚きと感動で言葉が出て来ない。「ワオ、、、」と言いながら三人、顔を見合わせるばかり。ただの吊り橋ツアーだと思って申し込んだのが、記念すべき特別なものとなった。優秀なガイドさんに何度もお礼を言い、チップを多めに渡してお別れした。
ああ、本当に素晴らしい体験だった。パナマ、なんて素敵なところなんだ。
パナマ旅行記 その6 パナマで温泉 Los pozos termales de Caldera
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
前回の記事ではLost Waterfalls Trailを歩いたことについて書いた。これはその日の続きである。
ハイキングを完了して、「ああ、疲れた〜」と言いながら宿に戻ったが、部屋に着くか着かないかのうちに娘が「じゃ、今度は何する?」と言うではないか。彼らのエネルギー量は半端ではない。休むということを知らない人たちなのだ。私も精神的には活発な方と思っているけれど、そのわりに体力がないのが悩み。
「え、また出かける??」と驚く私に「温泉があるみたいだから行こうよ」と娘。温泉か、うん、それなら行ってもいいかな。動き回るわけじゃないしね。夫も温泉に入りたいという。私は出かけることに同意した。
地図で見ると温泉はCalderaというところにある。Palo Altoから25kmくらいだろうか。車だから大した距離ではない。しかし、宿の人に聞くと「あなたたちの車で近くまで行けないこともないけど、道が悪くて大変ですよ」と言われる。そう言われてひるむ夫ではない。運転するのは自分ではないので、私は何も言わずに車に乗り込んだ。
しかし、思った以上に酷い道だった。大きな石がごろごろした凸凹道をソロソロと進まねばならず、かなり時間がかかった。どうにかこうにかCalderaまで辿り着いたが、道はますます悪くなり、ついにこの状態に。
さすがにこれ以上は無理だろう。レンタカーを壊してもいけない。ここで車を停め、この先は歩いて行くことにした。またハイキングか、、、。
どんどん凄くなる。こんな道を10分ほど歩くと立て看板があった。
私有地のため立ち入り禁止。でも、温泉に入りたいなら2ドル払えばいいらしい。看板の横には民家があり、庭にいたおじさんがこちらにやって来た。温泉に入りたいことを伝え一人2ドル払うと、道順を教えてくれた。温泉は全部で4つあり、熱いのとぬるいのが二つずつ。と言ったと思うんだけれど、スペイン語なので正確に理解できたか自信がない。まあ行けばわかるだろうと、指さされた方向へ歩く。
森の中を少し歩くと芝生があり、石に囲まれた露天風呂が見えた。実際にはこの2倍の大きさで、すでに何人か人が入っている。外交的な娘は早速水着になって「ハロー」と彼らに仲間入り。アメリカ人だったので、お喋りに花が咲いた。ちなみにパナマでは英語はあまり通じないようだ。泊まっているPalo Altoの宿の経営者はアメリカ人でコミュニケーションに全く支障はないが、地元の人は英語が話せない人が多く、私と娘はドイツで習って来た下手なスペイン語で奮闘しているのである。
夫がドローンで撮影した写真。中央が露天風呂
こちらは二つ目の露天風呂。こちらも一つ目と同様、お湯はしっかり熱い。でも、外気温も高いので、とても長くは入っていられない。ぬるい方の温泉は川の方にあるというので、よくわからないが探しに行くことにする。
川縁に行くと、お湯が滝のように流れていた。そして、ぬるい温泉は「川の方」ではなく、川の中にあった。
中でくつろぐ夫と娘、そして米国人夫婦。この湯船?では温泉の熱いお湯と川の冷たい水がブレンドされ、いい具合の温度になっている。
河原にはヤギの群れがいた。ヒマそうに私たちの様子を観察している。さて、温泉にたっぷり浸かったことだし、そろそろ帰ろうか。
帰り道では孔雀の母子に遭遇。いろんな生き物がいて楽しいなあ。
車を停めてあった場所まで戻って初めて気づいたのだが、どうやら来るとき随分回り道をしてしまったらしい。帰りはそれほど酷い道路を走らずに済み、無事にボケテに戻って来た。でも、午前中は山登り、午後はドライブと温泉でもうクッタクタ。だけど、なんだか心地よい疲れだ。せっかくの休暇なのに何をそんなに疲れることをしているのかと言われるかもしれないけれど、昼間遊び倒して夜ぐっすり眠る、そんな休暇の過ごし方が嫌いではない。