(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)

前回の記事ではLost Waterfalls Trailを歩いたことについて書いた。これはその日の続きである。

ハイキングを完了して、「ああ、疲れた〜」と言いながら宿に戻ったが、部屋に着くか着かないかのうちに娘が「じゃ、今度は何する?」と言うではないか。彼らのエネルギー量は半端ではない。休むということを知らない人たちなのだ。私も精神的には活発な方と思っているけれど、そのわりに体力がないのが悩み。

「え、また出かける??」と驚く私に「温泉があるみたいだから行こうよ」と娘。温泉か、うん、それなら行ってもいいかな。動き回るわけじゃないしね。夫も温泉に入りたいという。私は出かけることに同意した。

地図で見ると温泉はCalderaというところにある。Palo Altoから25kmくらいだろうか。車だから大した距離ではない。しかし、宿の人に聞くと「あなたたちの車で近くまで行けないこともないけど、道が悪くて大変ですよ」と言われる。そう言われてひるむ夫ではない。運転するのは自分ではないので、私は何も言わずに車に乗り込んだ。

しかし、思った以上に酷い道だった。大きな石がごろごろした凸凹道をソロソロと進まねばならず、かなり時間がかかった。どうにかこうにかCalderaまで辿り着いたが、道はますます悪くなり、ついにこの状態に。

さすがにこれ以上は無理だろう。レンタカーを壊してもいけない。ここで車を停め、この先は歩いて行くことにした。またハイキングか、、、。

どんどん凄くなる。こんな道を10分ほど歩くと立て看板があった。

私有地のため立ち入り禁止。でも、温泉に入りたいなら2ドル払えばいいらしい。看板の横には民家があり、庭にいたおじさんがこちらにやって来た。温泉に入りたいことを伝え一人2ドル払うと、道順を教えてくれた。温泉は全部で4つあり、熱いのとぬるいのが二つずつ。と言ったと思うんだけれど、スペイン語なので正確に理解できたか自信がない。まあ行けばわかるだろうと、指さされた方向へ歩く。

森の中を少し歩くと芝生があり、石に囲まれた露天風呂が見えた。実際にはこの2倍の大きさで、すでに何人か人が入っている。外交的な娘は早速水着になって「ハロー」と彼らに仲間入り。アメリカ人だったので、お喋りに花が咲いた。ちなみにパナマでは英語はあまり通じないようだ。泊まっているPalo Altoの宿の経営者はアメリカ人でコミュニケーションに全く支障はないが、地元の人は英語が話せない人が多く、私と娘はドイツで習って来た下手なスペイン語で奮闘しているのである。

夫がドローンで撮影した写真。中央が露天風呂

こちらは二つ目の露天風呂。こちらも一つ目と同様、お湯はしっかり熱い。でも、外気温も高いので、とても長くは入っていられない。ぬるい方の温泉は川の方にあるというので、よくわからないが探しに行くことにする。

川縁に行くと、お湯が滝のように流れていた。そして、ぬるい温泉は「川の方」ではなく、川の中にあった。

中でくつろぐ夫と娘、そして米国人夫婦。この湯船?では温泉の熱いお湯と川の冷たい水がブレンドされ、いい具合の温度になっている。

河原にはヤギの群れがいた。ヒマそうに私たちの様子を観察している。さて、温泉にたっぷり浸かったことだし、そろそろ帰ろうか。

帰り道では孔雀の母子に遭遇。いろんな生き物がいて楽しいなあ。

車を停めてあった場所まで戻って初めて気づいたのだが、どうやら来るとき随分回り道をしてしまったらしい。帰りはそれほど酷い道路を走らずに済み、無事にボケテに戻って来た。でも、午前中は山登り、午後はドライブと温泉でもうクッタクタ。だけど、なんだか心地よい疲れだ。せっかくの休暇なのに何をそんなに疲れることをしているのかと言われるかもしれないけれど、昼間遊び倒して夜ぐっすり眠る、そんな休暇の過ごし方が嫌いではない。