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パナマ旅行記 その17 ボカス・デル・トーロのスミソニアン熱帯研究所を見学
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
ボカス・デル・トーロ県コロン島には1週間滞在したが、滞在中にぜひ訪れたいと思っていた場所がある。それはスミソニアン熱帯研究所だ。スミソニアン熱帯研究所(STRI)は米国ワシントンに本部のあるスミソニアン研究所に属する機関で、パナマシティの近郊、バルボアに本部がある。そのSTRIの研究施設がコロン島にもあり、私たちの滞在している場所のすぐ近くだった。毎週、木曜と金曜に見学が可能とのことだが、私たちがコロン島に到着したのは金曜の夜で、コロン島を離れるのは1週間後の金曜の朝だったので、研究所を見せてもらうとすると滞在最終日の木曜しかない。そんなわけでコロン島に滞在中ずっと楽しみにしていたのだ。
とうとう木曜日がやって来て、張り切って研究所へ行く。米国人の夫婦が門の前で待っていたので一緒にそこで待機していると、所内を案内してくれる研究者と思しき若い女性が出て来た。
「ブエナス・タルデス。今日はようこそお越しくださいました。みなさん、スペイン語はおわかりになりますか?」と挨拶されたので、「ポキート(ほんの少しだけ)」と答える。「そうですか。じゃあ、英語でご説明しますね」となるかと思いきや、返って来た言葉はなんと「そうですか。じゃあ、ゆっくり話しますね」。えええ!?案内、スペイン語なの???ショック。スペイン語圏なのだから案内がスペイン語でも文句を言う筋合いはないとわかってはいるが、説明を理解する自信がないよ、、、。
どうにか少しでも聞き取ろうと必死に耳をそばだてたけど、半分くらいしかわからなかった。残念。
スミソニアン熱帯研究所はコロン島のマトゥンバル海洋保護区(Matumbal Marine Reserve)の湾に面した敷地を有し、そこに25名ほどの研究者が常在して生物の進化や気候変動や人間の活動がカリブ海の生態系に及ぼす影響などについて研究を行なっている。ボカス・デル・トーロは小さなエリアに非常に多くの生き物が生息し、生物多様性の研究に適しているそうだ。パナマの中でも特に雨が多く、湿度が高いのがこの地域の特徴だと研究者の女性が説明してくれた。確かにコロン島の湿度は半端ではない。今は雨季なのでボケテ高原も雨がちだったが、霧雨だったのであまり気にしていなかった。しかしコロン島にきてからは降るとなったら滝のような雨が降り、雨が止んだら止んだで蒸し暑い。洗濯物が乾く暇が全くないのだ。ランドリーの乾燥機で乾かしてもらい、ホカホカの状態で受け取っても、数時間経つとまた湿ってしまう。シーツもタオルもすべてがジメッとして、ガイドブックも水分を吸収してしなしなになってしまった。
研究湾はマングローブ林に縁取られている。コロン島には3種のマングローブがあるそうで、これはmangle rojo(直訳すると、赤マングローブ)。根が赤っぽい色をしている。マングローブは魚や貝などだけでなく、鳥や昆虫、哺乳類など多くの生き物に生息環境を与えるため、マングローブ生態系を保護することは”muy importante(大変重要だ)”だと言われた。重要だということはわかるけど、具体的にどのように重要なのか詳しいことが知りたかったけれど、質問したくてもスペイン語が出て来ない(悲)。
カイメンの実験設備。
ちょうどここで実験作業をしていた研究者の方は英語話者だったので、少し説明して頂いた。栄養液で満たされたこの水槽にはいろんな種類のカイメンが飼育されている。カイメンは細菌と共生関係にある。マーカーを含むこの栄養液中でカイメンを飼育した後、カイメンと細菌を分離し、マーカーを使ってそれぞれがどのくらいの量の栄養を体内に取り込むのかを量的に分析しているそうだ。ということだけ聞いた時点で案内役の人が歩き始めてしまったので慌ててついていく。もっと詳しくカイメンの話を聞きたかったのにー。
水槽を見て初めて気づいたのだが、私は今までサンゴとカイメンの区別がついていなかった。アイランドホッピングに参加した際にサンゴ礁でスノーケルをして「カリブ海のサンゴはカラフルで綺麗だなあ〜」と感動していたが、私がサンゴだと思っていたものの多くは海綿だったみたい。無知で恥ずかしい。海の中を自分で実際に見る機会は少ないから、と言い訳してみる。でも、興味が湧いたので家に帰ったら海の生き物の図鑑を入手して調べることにしよう。
敷地内には沼もあり、ワニやカメなどもいる。
カイマンが見えた。
施設では研究に使う水は雨水をこのようなタンクに溜め、
濾過装置で濾過した後、紫外線で殺菌している。
展示スペースには大きな鳥の巣が展示されていた。「これ、オオツリスドリのですよね?」。こちらの記事に書いたように、私たちの滞在している部屋の窓からはオオツリスドリが巣を作るために植物の繊維を集めているところが観察できた。でも、周りに大きな葉が多くて視界が遮られ、作った巣を確認できなかったのでここで見られたのは嬉しい。ここでは巣を横向きに展示しているけれど、実際には細い方を上に枝に吊り下げるようだ。親鳥は上の方に開いている穴から巣に出入りして子育てするんだね。
この研究所には日本人の研究者の方もいらっしゃると聞いた。お目にかかることはできなかったが、北海道出身でカエルの研究をされているそうだ。どんな研究をなさっているのだろうか。
施設を見学することができたのはよかったけれど、スペイン語力がなくてまともな質問が何もできなかったことにがっかり。読むのはそれなりにできるようになったんだけど、、、。悔しい思いをしたので、これからスペイン語を学ぶモチベーションになりそう。
パナマ旅行記 その16 海洋プラスチックを減らそう Plastic Bottle Village
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
パナマは自然がとても豊かだ。熱帯雨林、雲霧林、マングローブの林やサンゴ礁に様々な野生動物を見ることができる。でも、そんなパナマも環境破壊の問題を抱えている。観光客の私たちに特に目につきやすいのはゴミの多さだ。あちこちにゴミがポイ捨てされていて残念だ。
もちろん、ゴミ問題はパナマに限ったことではない。特に海に流れ込むプラスチックごみは増加する一方で、2050年には海にいる魚の量を上回ると予測されている。そんな中、私たちの滞在しているコロン島にプラスチックごみ問題に対するユニークなプロジェクトがあることを知った。それはペットボトルでできた村、Plastic Bottle Village。なにやら面白そうだ。見学に行ってみることにしよう。
ここが噂のPlastic Bottle Villageだ。メタルフレームでできた塀の中に使用済みのペットボトルがぎっしり詰まっている。
門が開いていたので入ってみた。四方の壁がペットボトルでできた建物があった。中を覗いていると、一人の男性が現れた。
ビレッジのオーナー、Robert Bezeauさんだ。「私のビレッジについて知りたいかい?」。オーナーから直接お話を聞けるなんてラッキーだ。コンセプトを説明して頂いた。
カナダ人のRobertさんは10年前にコロン島へ移住して来た。コロン島に住むことにしたのはここが気に入ったからだが、せっかくの自然豊かな素晴らしい場所なのにゴミが多いことが気になっていた。そこで、Robertさんは捨てられたペットボトルを拾い始めた。拾ったペットボトルはあっという間に山となる。拾っても拾っても追いつかない。このゴミをどうしようか、、、。考えて思いついたのが、ペットボトルでできた村、Plastic Bottle Villageだった。
「わたしが子どもの頃にはペットボトルなんてものは存在しなかった。40年前だよ、ペットボトルがこの世に登場したのは。それが世界をすっかり変えてしまったんだ。プラスチックは地球を汚染し続けている。これから生きていく子ども達がかわいそうだと思わないかい?私たちはみな、無思慮にプラスチックを消費することで環境を破壊するという犯罪を犯しているんだ。私も、あなたたちもだ!犯罪者は罪を償わなきゃ。このビレッジは罪を犯した者を収監する刑務所なのだよ」
ギロチンの刑に処された我が娘
Robertさんはプラスチックごみの問題について人々に考えてもらうためにコロン島のこの場所に刑務所風のリゾートを建設することにしたのだ。主に若者向けに低料金の宿泊施設を提供する。
まだ完成前(2019年6月時点)なので雑然としているが、これが刑務所風宿泊所。
鉄格子がはまっているような内装デザイン。
すでに宿泊している人がいた。収監者はここで犯した罪を反省し悔い改めると、出所の際にお勤めを果たしたという証明書を発行してもらえる。
もちろん刑務所云々というのはあくまでジョークで、リゾートで寛ぎながら宿泊者同士が環境についてインスパイアし合うというのがRobertさんのコンセプトなので、こんな広いプールもある。現在、プール横にバーを建設中で、敷地内に軽食コーナーも設ける予定だそう。
ビレッジには城もある。中に案内してもらった。
イベントスペースもある。
ビレッジの敷地はかなり広く、宿泊するだけでなく区画を購入してマイホームを建設することもできる。1区画は800平米、購入価格は19,000米ドルから。周囲はジャングルで野生のサルも生息している。1km先は海岸、ボートの停泊場もあるというから贅沢な環境だ。
土地を購入すると、Robertさんがペットボトルを利用した家の建て方を教えてくれる。コロン島のあるボカス・デル・トーロ県は雨がとても多く、湿度が高いのだけれど、基礎にペットボトルを使えば地面から湿気が上がって来るのを防ぐことができるそうだ。また、ペットボトルでできた壁はボトルの中の空気が断熱材となるので涼しい。島に溢れるペットボトルごみを減らしつつ、少ないお金で快適な家を作ることができるという。
Robertさんは子どもたちへの啓蒙活動にも熱心で、定期的に小中学校のクラスを招き、私たちが日常的に使用するプラスチックがいかに海の生態系を破壊しているかをこのような絵を使って説明しているそうだ。また、ペットボトルのリサイクルを普及させるため、ボトルに貼るステッカーも考案した。
子どもたちがこのフットプリントデザインのスティッカーが貼られたペットボトルごみを拾い集めると、1本につき5セントがもらえる。といっても現金ではなく、拾い集めた金額に応じて食べ物または文房具と交換してもらえる仕組みだ。
さらにRobertさんは丈夫で再利用可能なボトルを試作したと言って見せてくれた。
レゴブロックのように組むことができ、縦横に繋いで他の用途に使うこともできる。「災害時には被災地に大量の飲料水が支援物資として運ばれるよね。衛生的な飲料水の供給は不可欠だけど、それで被災地にゴミが増えるのでは意味がない。繰り返し使えて他の用途にも使える容器があったらいいと思うんだ」
Robertさんは工事を急ぎ、9月にはPlastic Bottle Villageをオープンさせたいと言っていた。完成を見ることができなくて残念だけれど、素敵なビレッジが出来上がると良いな。成功を祈ります!
(2022年追記: ビレッジはすでに運用開始しており、BBCを初め、多くのメディアで取り上げられている。詳しくはこちらを )
パナマ旅行記 その15 カリブ海でラーメンも悪くない
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
コロン島のボカス・デル・トーロは観光地なので、レストランがたくさんある。ただ、ボケテ高原でもそうだったのだが、大部分の観光客や外国人移住者が欧米人のため、レストランのメニューは洋食がメインで、メニューにローカルな料理はほとんど見当たらない。せいぜいセビーチェという魚介類のマリネや料理の付け合わせにキャッサバや調理用バナナのフライがあるくらい。屋台や簡易食堂ならば地元の人が食べているものが食べられるけれど、たいていは軽食で、あるものはどの店も同じような感じだ。欧米人観光客は自分たちの食べ慣れたものが食べたいようだが、私はパナマに来てまで洋食が食べたいわけでもないので、ちょっと残念である。
でも、意外なことにボカスタウンにはなんと日本食レストランがあった。
その名も「oh-toro」。Rahmen & Sushiと書いてあるではないか!
都会でもなく、日本人はほとんど誰も来そうにもないコロン島にラーメンの食べられる店があるということに驚いてしまった。魚介類の豊富な島だからSushiの店があってもまあ、不思議はないかもしれないけど、ラーメンだよ?
どうも気になって店内に入り、メニューを見せてもらった。
きっと日本のラーメンとは似ても似つかない料理を出すのだろうと想像したのだが、写真を見ると、案外普通の感じ。ますます気になる。これは一つ、試してみようか。私たちはここで食事をすることにした。
ドリンクメニューを見ると、JETROカクテルなるものがあって笑った。どういうこと?
料理はスシ、ラーメンだけでなく揚げ物から弁当まで幅広い。いろいろ注文してみた。
餃子。中は豚肉で普通に餃子。甘酢ソースがかかっているのがちょっと残念だけど、悪くない。
ゲソ揚げとたこ焼き。ゲソ揚げは日本のゲソ揚げとは少々異なる。日本のは衣が薄くてイカがジューシーな記憶があるけれど、ここのはもっと衣がカリカリとしている。でも、これはこれで美味しい。チリマヨネーズをつけて食べるのもなかなか良い。たこ焼きは焼いてあるというよりも軽く揚げてあり、表面がカリッとしている。これも普通に美味しい。
メインには味噌ラーメンを頼んだ。具の配置がやや微妙だ。麺を食べてみる。普通にラーメンだ。激ウマというほどではないけど違和感はない。スープも美味しい。チャーシューもちゃんとチャーシュー。このラーメン、はっきり言ってドイツのほとんどのラーメン屋のラーメンより美味しいよ。(注: これを記した2019年時点での感想です。その後、ドイツではラーメンのクオリティが上がり、今では美味しいお店が多くなりました)
夫はHagana Black Garlic Rahmenを頼んだ。しかし、、、「麺が白い。これ、ラーメンの麺じゃないよ」。味見させてもらうと、麺はソーメンであった。でも、だからといって不味いわけではなく、こういうソーメンもあると言われれば納得するかも。スープの味も悪くなかった。
娘は鮭の照り焼き弁当を注文。鮭の切り身が大きい!照り焼きソースはちょい甘すぎに感じたけれど、まあ許容範囲。ご飯の味は、、、おしい!日本のご飯の味を目指したことは伝わった。照り焼きの他のおかずは春巻きとサラダ、デザートは果物と餡入りの揚げゴマ団子。
カリブ海の島でこのレベルの日本食が食べられるとは想像していなかった。びっくり。先進国基準ではそれほど高い店ではないが、物価からして島の人たちがこのレストランで食事をするとはほとんど思えないので、観光客をターゲットにしているのは明らか。
oh-toroという店名はボカス・デル・トーロのトーロにかけたのかな?と一瞬思ったけれど、後から調べたらチェーン店のようなので名前の由来はわからない。
パナマ旅行記 その14 ボカス・デル・トーロでアイランドホッピング / 無人島に住む男
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
前回の記事で凄まじい雷雨におののいた夜について書いたが、その次の夜も全く同じ状況だった。最初の夜はビビりつつも、「こんな体験、滅多にできない」とどこかで面白がっていたのだが、二晩連続となると「もしかして、毎晩こうなの!?」と先行き不安になる。幸い、その次の夜は静かでホッとしたものの、その分、朝方にホエザルが絶唱してくれた。またもや睡眠不足。
そしてその次の夜はこうだ。夜中にふと目がさめると、小屋がユサユサと左右に揺れている。寝ぼけていて何が起こっているのかわからない。「あれ?なんで揺れてる?サルが木を揺すってるのか?」とありえない考えが頭に浮かんだ。向こうのベッドで寝ている夫がつぶやいた。「ジシン」。はっ、そうか。これは地震か。地震の滅多にないドイツに長年住んで感覚を忘れてしまっていた。高いところにあるウッドハウスだから揺れを余計に強く感じたのかもしれないが、後から思うと体感震度は3と4の間くらい、結構長いこと揺れていたように思う。
そんでもってその次の夜。夕食から戻りドアを開けた瞬間、何かがサッと室内を飛ぶのが見えた。「あれ?何か虫がいるよ」。夫が叫ぶ。「虫じゃない、コウモリだよ!」どうやって入って来たのだろうか、私たちのいない間にコウモリが部屋に侵入していた。「網戸を開けろ!」「でも、開けると虫が入ってくるよ」「コウモリと寝るよりもマシだ!」しかたない、ドアを全開にし、網戸を開けた。幸い、コウモリはすぐに出て行ったが、案の定、蚊が入って来てしまい、刺されて痒くてまた夜中に起きてしまう。ああ、自然の中でぐっすり眠ることの難しさよ!
前置きが長くなったが、雨季のコロン島、夜はいろいろあっても昼間は晴れていることが多く、いろんなアクティビティを楽しむことができる。とても気に入ったのは5つのスポットを回るアイランドホッピングツアーだ。これがなかなか盛りだくさんな内容である。
ピンボケ失礼
ボカスタウンの港から出発し、まずはイルカ湾でイルカを観察する。
2つ目のスポットは無人島Cayo Zapatillaのビーチ。ここでは2時間ほど滞在し、ゆっくりとビーチを楽しむ。20人ほどのツアー客はほとんどが外国人観光客だったが、その中に若い男の二人組がいた。島についてボートを降りると、この二人組は娘に寄って来た。「俺たちと一緒に泳がない?」。保護者がついているというのに、そう誘って来るではないか。
「そうしよっかな」と娘が呟く。はい、どうぞどうぞお好きなように。早速、娘は二人組の男たちと連れ立って歩き出した。私と夫は若者の邪魔をしないように別の場所を探すことにする。夫が「もっとあっちに行こう」とどんどん歩いていくので、ボートからは随分離れてしまった。誰もいないところで荷物を下ろす。
それにしても美しいビーチである。水温もちょうどよく、最高だ。
ひとしきり泳いでふと見ると、夫は波打ち際でラッコのような体勢になって何やら手を忙しく動かしている。「何してるの?」「きれいなサンゴを探してるんだ。ハイ、これあげる」。
いろんな形のサンゴのかけら。ハート形のやブレーツェルのようなのものも。中年夫婦が海ではしゃいでいるところなど誰も見たくもないだろうが、本人たちはなかなか楽しいのであった。そういえば子どもの頃、大人とは「遊ばない人たち」のことだと思っていた。子どもは遊ぶ存在だが、大人になると遊ぶのをやめて分別のあることだけを言ったりしたりするようになる。そう思っていたものだ。でも、自分が大人になってみると、その認識は正しくなかったことがわかった。いくつになっても遊ぶのは楽しい。
さて、ボートに置いていかれては困るから、そろそろ戻ろうか。もと来た道を戻り始めると、娘が男たちと陸に向かって歩いていくのが見えた。あれ?いつの間にか男が一人増えている。3人目の若い男はひょろひょろした痩せ型の男であることが遠目に見て取れた。彼らは何をしに密林へ入って行くのか?
先にボートへ行って待っていると、まもなく娘たちもやって来た。二人組の男たちはボートに乗り込んだが、痩せた男は乗る気配を見せない。娘は男に別れのハグをし、男はやや悲しそうな目で「良い旅を!」と娘に手を振る。どういうことなんだろう?ボートが岸を離れたとき、娘は言った。「彼はね、スペイン人で、今、この島に住んでいるの」。「え?でもここ無人島でしょう?」「そう。彼はこの島でボランティアとしてウミガメの保護の仕事をしているんだよ。ウミガメの産卵を観察して記録するんだって。他にもう二人、ボランティアがいて、三交代でモニタリングしているんだ。寝泊まりしている小屋を見せてくれたんだよ。食べ物は1週間に一度、コロン島から運ばれて来るものだけ。スマホはあるけど、電波が届く場所は1本の木の下だけ。それもいつも繋がるわけではなくて、だから繋がった瞬間にスペインにいる家族に、生きてるよ!とだけ言ってそれでおしまいだって。私がクラッカーを一袋あげたら、泣きそうになって喜んでいたよ」。へええ。
「でも、なぜそんな条件でボランティアを?いつからやってるの?」「2ヶ月前から。生物学を勉強していて、ウミガメについて研究しているんだって。島には2種類のウミガメがいるみたい。いろいろ教えてもらったよ」。過酷そうだが、意義あることをしているんだなあ。そんな青年に出会い、娘は大いに感銘を受けたようであった。私はといえば、このときには「へえ、そういう活動もあるんだな」と思っただけだったが、頭のどこかに引っかかったようで、後にドイツで野生動物のモニタリングに関わることになる。人生、何がきっかけになるか、わからないものだ。
船は島を離れ、その後はスノーケルスポットでスノーケリングしたり、ヒトデが浜でヒトデを観察(コロン島のヒトデが浜とは別のヒトデスポットで、こちらの方がたくさんヒトデがいる)したりして、ツアーは終了。一人25ドルで6時間半。盛りだくさんで良いツアーだった。
パナマ旅行記 その13 強烈!パナマの雷ナイト / コロン島のビーチ事情
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
カリブ海に浮かぶ島。開放的な高床式のウッドハウスで自然に包まれて眠る。なんて贅沢!と喜んでいたのはコロン島へやって来て最初の夜だけだった。昼間はアドベンチャー三昧、夜はクタクタに疲れてベットに倒れ、子どものように眠る、、、、はずが、2日目の夜は予想外の展開になったのである。
あまりに開放的なつくり
夜半から雨が降り出し、どんどん激しくなった。外壁のない網戸だけのウッドハウス、雨音がもの凄い。幸い、網戸がはまっているし、横殴りの雨ではないので濡れはしない。でも、窓際のソファーに寝ている私は安眠できそうにもない。やがて雨は雷雨に変わった。
この雷のすごいのなんのって。一晩にいったいどれくらいの稲妻が走っただろう。とにかくひっきりなしである。ベッドの横は全面窓であるから、「大スクリーンでオールナイト光のショー」状態だ。また、雷の音も途方もないボリュームである。ドーン!バーン!ドカーン!ズドーン!その度にびっくりしてまるで自分が打たれたかのようにえび反りになる私。到底、眠れるわけがない。10年ほど前から耳の持病があって、大きな音は耳に負担になるから避けなければならないのだが、そんなことを考えている余裕すらない強烈体験であった。ほとんど眠れない夜を過ごしヘトヘトになりかけた朝方、ようやく雨は止み、鳥たちがさえずり始めるのを聞きながら眠りに落ちた。後に知ったことには。コロン島は雷が多いので有名だそうだ。
目が覚めると、すっかり前は上がっている。青空だ!よかった、外に出られる。私たちはすぐそばのビーチ、Playa Blaffへ行くことにした。しかし、海岸へ行ってみると海は波が高く、泳げそうもない。見ると「離岸流に注意」と立て看板がある。うーん、、、、。
家族で顔を見合わせていると、サーファー風の白人男性が通りかかったので、「ここって泳いだら危ないですかね?」と聞いてみる。男性は言った。「ここでね、毎年一人二人、旅行者が死んでるよ。いつも今の季節。こないだもドイツ人が死んだ。離岸流で流されるっていうより、波で頭を海底に叩きつけられるんだ。現地のやつらは言わないけどね。だって、ただでさえ客の少ないシーズンオフだろ、ますます旅行者が減ったら困るもんね。オレもこないだ危なかったんだよ。サーファーだから海には慣れてるけどさ。それでもやばかったから、あんたらここで泳ぐのはやめときなよ」
死にたくはないので忠告に従うことにしよう。でも、コロン島のビーチはどこもそうなのか?と一瞬不安になる。しかし、島の北にあるPlaya Boca del Dragoなら安心して泳げるというので、行ってみることにした。
道路は大雨で土砂崩れを起こしているところがあり、気をつけながら進む。雨季をちょっと甘く見ていたかなあ。
Playa Boca del Drago。こちらは静かな良いビーチだった。
ハンモックやブランコが設置されていて、ハイシーズンにはきっと賑わうのだろうな。この日は誰もいなくて、貸切り状態だった。寛ぐ娘。
ペリカンが飛んでいた。カッショクペリカンかな。
このPlaya Boca del Dragoから少し南下したところにはヒトデが浜(Playa Estrella)というビーチもある。ボートタクシーで送迎してもらうこともできるけれど、2kmくらいなので海岸沿いを歩いてみよう。
マングローブの林に沿って歩く。カニがたくさんいた。
Playa Estrellaは魚がたくさん泳いでいる遠浅のとても綺麗なビーチだ。湾なので波もなく、泳ぐのに最適。でも、ヒトデが浜といいながら、ヒトデがうじゃうじゃといるわけではなかった。探せばいるという程度。季節にもよるのかもしれない。
コロン島に気に入ったビーチを見つけ、まずは満足。
パナマ旅行記 その12 コロン島のコウモリの洞窟、La Gruta
(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
滞在している場所からそう遠くないところにコウモリの棲む洞窟があることがわかったので、行ってみた。
コロン島は長さ13.6km、幅7.2kmの小さな島だけれど、道路が穴だらけで穴をよけながら運転しなければならない。また、コロン島に限ったことではないものの、犬がとても多く、必ずしも野良犬ではないが基本的に放し飼いになっていて路上をたくさんの犬が歩いている。そんなわけで、ちょっと移動するにも結構時間がかかる。
洞窟の看板があった。自然保護のために一人1ドルの入場料を払ってくださいと書いてあるが、受付は見当たらない。道路を挟んで向かいの民家からおばさんが出て来て、「洞窟?一人1ドルね」と言うのでお金を払った。「懐中電灯、ある?なければ貸すけど」「持って来ました」「中に入ってぐるっと回ると出口があるからね」。
洞窟は鍾乳洞で、下には水が流れている。
中から外を見るとこんな感じ。最初は岩づたいに進もうとしたが、ぬるぬるしていてとても滑りやすく、危険だ。諦めて水の中を歩くことにした。靴が濡れてしまうがしょうがない。でも、水は綺麗で不快さはなかった。
洞窟に入って数メートルのところで立ち止まり、頭上を見ると、
いるいる!小さめの黒いコウモリだ。
コウモリは窪んだ場所に集まっているようだ。この写真は現像の際に明るくしたので、肉眼ではこんなにはっきりは見えない。黒い塊があるなというくらいである。
野生のコウモリは何度も見たことがあるが、洞窟の中で見たのはこれが初めて。私たちの住むドイツにもコウモリがたくさん生息していて、南ドイツのカルスト地形の洞窟など、コウモリの寝ぐらになっている場所が少なくないが、コウモリの冬眠を邪魔しないように冬眠の時期には洞窟が立ち入り禁止になることが多い。コロン島のこの洞窟は年中入れるようで、熱帯だからコウモリは冬眠をしないのだろうか?ときどきコウモリがバサバサバサと飛んで、顔の横をかすめていく。寝ているところを私たちが起こしてしまったかな。
洞窟の中は蛇行しているが全長は100メートルちょっとだろうか。入り口と出口のあるトンネルのような洞窟だった。出口の少し手前に来ると、おびただしい数のコウモリがぶら下がっていた!
これはすごい、、、、。野生のコウモリを間近で数匹見られるだけでも十分だと思っていたので、ここまでの数は期待していなかった。
あとで調べたところによると、コロン島には13種ほどのコウモリが生息している。ところで、コウモリは狂犬病ウィルスに感染している場合があるので注意が必要だ。自然の中を歩くことが好きな私は破傷風などのワクチン接種を定期的に受けていて、初めての国へ行く際には、追加で受けるべきワクチンがないか確認している。
洞窟の周辺には動物に齧られた植物の実がたくさんあった。何の植物かわからないけど、食べかすが洞窟の中にたくさん落ちていたので、きっとコウモリが洞窟に入る前に食べたのだろう。
ミステリアスな洞窟を通り抜ける体験は面白かった。しかし、マジカルなパナマの自然体験はこの後もまだまだ続くのである。