(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)

コロン島に来るにあたってとても楽しみにしていることがあった。それは森の中のツリーハウス風の小屋に宿泊すること。旅行計画を立てているときに偶然ネットで見つけ、良さそうだったので予約しておいた。コロン島の宿は港のあるボカスタウンに集中しているが、私たちが滞在するのはタウンから少し離れたブラフビーチ付近にある。

壁のない開放的な造りで窓にはガラスもなく、網戸だけなので自然をダイレクトに感じることができそうだ。

ドイツでは聞いたことのない種類の鳥たちがさえずり、虫が鳴いている。海が近いので、潮騒も聞こえる。静寂とはとても言えない賑やかな環境だ。でも、自然の音に包まれながら眠り、朝はホエザルの吠え声で目が覚めた。気分は最高。

高い場所なので鳥たちが飛び回る様子がよく見える。キッチンから尾の黄色い大きな鳥が数羽、忙しそうに何かをしているのが見えた。「見ろ、紐みたいなのを引っ張ってるよ!」と夫が興奮して叫ぶ。

網戸越しなので画像が不鮮明だけれど、黒い大きめの鳥が植物の繊維を引っ張り出して、その繊維で何かを編んでいるようなのだ。ツリーハウスだからいきものが観察できるかな?と期待はしていたが、初っ端からこのようなものを間近に見られるとは。

何の鳥だろう?生き物の種類を特定できるように家から中米用フィールドガイドを持参していた。それによると、どうやらmontezuma oropendoraという鳥だとわかった。日本語名は「オオツリスドリ」。植物の繊維で袋を編んで巣にするらしい。残念ながら葉っぱが邪魔して巣がよく見えない。ネット検索したら、ナショナルジオグラフィックに連載記事を書いていらっしゃる昆虫研究者、西田賢司さんのオオツリスドリに関する記事に巣の画像が載っている。編んだ袋は枝にぶら下げてヒナを入れておくようだ。私なんて、手が2つ指が10本あっても編み物は得意じゃないのに、クチバシだけで編むなんてオオツリスドリは器用だなあ。

他にもいろんな鳥が飛んでいる。「ティリッタラ、ティリッタラ、ティリッタラ」と可愛い声でリズミカルに歌い続ける鳥もいる。何の鳥だかわからないけど、すごく気になる。(残念ながら、最後までその鳥の名はわからなかった)

ツリーハウスから鳥を観察したり、外に出て周辺の植物や虫を眺めるだけでもかなり楽しくてそれだけでも私は満足だ。

でも、家族がじっとしているのは退屈だ、何かしようとうるさい。近くにコウモリの洞窟があるというので行って見ることにする。それについては次の記事で。