初めてのアフリカサファリとなったほぼ2週間のケニアでのサファリを終えて、今回の体験を振り返ってみたい。

ケニアサファリでは期待をはるかに超える数と種類の野生動物を見ることができた。ケニア旅行そのものも初めてだったが、全体的に良い印象で楽しい滞在だった。

特に良かったと思う点を具体的に述べると、こんな感じになる。

  • ツアーの手配を依頼した現地のサファリ会社の対応がとても良かった。
  • 組まれたツアーの内容(訪れた保護区のセレクトや数、スケジュールなど)にも満足できた。
  • サファリガイド兼ドライバーさんのサービスがきめ細かく、信頼できた。
  • 泊まったロッジ(ミッドレンジの価格帯)はどこも快適で、食事も美味しかった。

部屋の窓からシマウマやウォータバックを眺められるナイバシャ湖のロッジ

全体として、観光業が大きな産業であるケニアでは観光インフラが整っており、人々も観光客に対してフレンドリーで親切だという印象を持った。

一方で、少し残念に感じた点もある。

  • 夫と二人だけのプライベートツアーではあったものの、すべてをサファリガイドさんに委ねるかたちとなり、受け身の旅となった。私たちは通常、現地でレンタカーを借りて自力で移動するので、自分たちの好きなペースで移動し、気になるものを見かけたら車を止めて確認したり、その周辺を散策できることに慣れている。今回はそれができず、少々物足りなく感じた。ケニアでは外国人観光客のセルフドライブはあまり一般的ではないようで、また、あらゆるアクティビティにガイドを付けることが推奨されているので不自由だった
  • ゲームドライブと呼ばれるサファリカーに乗ってのサファリ体験は楽しかったが、大きい動物はよく見られる反面、車に乗った状態でトカゲや昆虫、花のような小さなものに着目することは難しい。その分、景色の解像度が下がる。
  • サファリカーから降りることは基本的にNGなので、自然の中を自分の足で歩いて自然と一体化する機会が少ない

 

私たちは自然体験や生き物観察の旅が好きで、過去記事に記しているように、これまでにコスタ・リカやパナマなどを旅して来た。野生動物を見るという点ではケニアと同様なのだが、ケニアでのサファリとの大きな違いは、コスタリカやパナマでのネイチャーウォークは「自分で歩いて動物を探す」点だ。視界の開けたサバンナと異なり植物の生い茂るジャングルにジープを乗り入れるのは現実的ではないので、自然の中に整備されたトレイルをネイチャーガイドさんと一緒に歩きながら、またはガイドさんなしで歩き、ジャングルの中にいる動物を探したり、植物を観察したりする。鬱蒼としたジャングルの中で動物を見つけるのはサバンナで動物を見つけるのよりずっと難しいし、いたと思っても、すぐに見失ってしまう。大型の肉食動物に遭遇することは極めて稀で(私たちはパナマで吊り橋の上からピューマを目撃したけれど)、見られるのは小さい生き物が多い。でも、生き物を見つけるのが難しいからこそ、見つけられたときの喜びは大きい。そして、リスクがないわけではないけれど、五感を働かせて危険を回避しながら歩くのは、とてもワクワクするのだ

高温多湿で足場が必ずしも良くないジャングルトレイルを歩くのは疲れるし、快適とは言い難い。だから、「安全に快適に、かつ簡単に野生動物が見たい」と思う人は、ケニアのサファリの方が圧倒的に向いているだろう。大型の動物をじっくり観察できるので、動物の生態に興味がある人も満足が得られると思う。でも、「自然を直に体験したい」「冒険感を味わいたい」人にはネイチャーウォークの方がより充実感を得られるかもしれない。

 

私はといえば、、、、どっちもそれぞれ良くて、どちらかを選ぶのは難しい。同じ野生動物観察でもまったく違う体験だと思う。