最寄りのビーチは上の地図の緑アイコンのSpiaggia Valle Muriaというビーチである。「坂を降りればビーチ」と管理人はこともなげに言ったが、そんなに楽な話ではなかった。坂道というか、崖のようなところを15分くらい降りると海岸に着く。行きはまだいいけれど、帰りはその崖をまたよじ登って来なければならないのだ。ちょっとひと泳ぎするだけでやたらと疲れる。これがハードモードなエオリエ諸島滞在の始まりであった。
ドイツから4日かけてシチリア島へやって来た。カラブリア州のメッシーナ海峡をフェリーで渡るのだが、ヴィラ・サンジョヴァンニ(Villa San Giovanni)から対岸のメッシーナ(Messina)は目と鼻の先で、20分ほどで着く。陽光にきらめく青い海の向こうに雄大なエトナ火山のそびえるシチリア島が近づくのを船上から眺めるのが楽しみだ。
自宅からオーストリアを抜けてイタリア本島を南下し、カラブリア州ヴィラ・サンジョヴァンニ(Villa San Giovanni)の港から車ごとフェリーでシチリア島のメッシーナ(Messina)に渡り、帰りはパレルモ(Palermo)から夜行フェリーでナポリ(Napoli)へ移動、そこから北上して帰って来た。シチリアへ到着してからの移動ルートは以下のマップの通りである。エオリエ諸島のリパリ島へも車ごとフェリーで渡り、その他の島へは小型ボートで移動した。
シチリア・エオリエ諸島ロードトリップ その5 ヴルカーノ島でフォッサ火山に登る
リーパリ島をぐるっと一周し、海でも何度か泳いだので、今度は日帰りでエオリエ諸島で3番目に大きい島、ヴルカーノ島(Isola Vulcano)へ行くことにした。火山のことを英語でvolcano、ドイツ語ではVulkanと言うが、それらの言葉の由来はこのヴルカーノ島である。そもそもなぜこの島がIsola Volcanoと呼ばれるようになったかというと、ギリシア神話ではこの島には火の神、へパイストスの鍛冶場があるとされた。ギリシアの神「へパイストス」に対応するローマの神は「Vulkanus」である。
ヴルカーノ島へはリーパリ島から観光ツアーも出ているが、リーパリ島とヴルカーノ島との間は頻繁に連絡船が行き来しているので、それを利用することにする。車はリーパリ島へ置いていくのでヴルカーノ島を自力で回ることはできないが、きっと現地ツアーがあるだろう。
ヴルカーノ島の港
ヴルカーノ島に到着。まずは観光案内所でパンフレットでももらおうかと思ったが、そのようなものはなかった。
港から集落への道
島に上陸すると、強い硫黄臭が鼻につく。ヴルカーノ島では古代ローマ時代から硫黄が採取されていた。キツくて危険で健康に悪い硫黄の採取作業は、古代ローマ時代には奴隷が、近代には囚人が担った。しかし、1880年から19990年にかけて起きた最後の噴火の際、硫黄の採取施設はすべて崩壊したそうだ。この噴火時に大規模な森林火災が起き、住民はボートでリーパリ島へ避難したという。
ヴルカーノ島には泥浴場があると読んだので、まずはその浴場を探しに行こう。地図を見ると、港からは目と鼻の先のようだ。
泥浴場は現在、閉鎖中だった。ガッカリ。
娘が「綺麗な洞窟があるらしいよ。それを見に行こう」と言う。案内地図を見ると、東の海岸に確かに洞窟があるようだが、陸路で到達できるようには見えない。島の西側のビーチへ行けば、そこからボートツアーが出ているのではないかと推測し、ビーチSpiaggia Sabbie Nereに向かう。
黒い砂のビーチの奥にボート乗り場があった。持ち主と思われる男性が何人か立っていたので、「洞窟に行くツアーはあるか?」と聞くも、言葉がまったく通じない。シチリア島もエオリエ諸島も基本的に英語はあまり通じないのだ。しかし、娘がどうしても行きたいと言うので、夫が諦めずに片っ端から船長風の人に声をかけていったら、ようやく洞窟までボートを出してもらえることになった。1時間クルーズで一人10ユーロ。さあ、真っ青な海とダイナミックな海岸線を眺めながらの小クルーズの始まりだ。
迫力ある崖の景色
「あの岩はライオンの横顔に見える」とか、、、
「あれはゾウの足にそっくり」とか、船長がいろいろ説明してくれたようだが、イタリア語がほとんどわからないので、他にどんな話をしてくれたのかは不明。こういうとき、現地の言葉がわからないと本当に残念。
そうこうしているうちに、見たかった洞窟、グロッタ・デル・カヴァッロ(Grotta del Cavallo)がいよいよ近づいて来た。
中はどのくらい深いのだろうか。遠くからだと暗くて中がよく見えない。洞窟の少し手前でボートを一時停止してもらったので、青い青い水に飛び込んで少し泳ぐ。最高。
泳ぎ終わってボートに上がると、船長がボートを洞窟の前に寄せてくれた。水面になにかがきらめいている。
うわー!
光って見えるものは水面に浮いた細かい軽石だそうだ。軽石と言われればそうかと思うけれど、まるでイルミネーションのようで美しく、魔法を目にした気分だ。ここでボートは来たルートを引き返し、出発したビーチに戻った。1時間ほどとはいえ、10ユーロで普段はできないことができたのだから、悪くない。
しかし、ヴルカーノ島でのアクティヴィティのハイライトはこれからである。vulcano(火山)という言葉の語源となったこの島で最も大きな火山、ヴルカーノ・デッラ・フォッサ(vulcano della Fossa)に登るのだ。
後ろに見えるのがヴルカーノ・デッラ・フォッサ
標高は391m。山頂付近には大きなクレーターがあり、グラン・クラテーレ(Gran Cratere)とも呼ばれる。赤っぽい山肌に斜めに通った黒いラインが登山道で、左上の煙の出ているところまで登るつもり。登山道はそれほど急ではないが、日陰がなく黒い地面が太陽光を吸収して熱いので、昼間登るのはやめたほうが良いとガイドブックに書いてある。夕方4時まで待って登り始めることにした。
午後4時過ぎでも暑ーい!あっという間に超汗だくになり、体力を奪われる。強い日差しにクラクラし、なんでこんなことやってるんだっけー?と叫びたくなった。
でも、1時間ほど頑張って登り、見下ろした景色の素晴らしさは感動的で、報われた。
ヴルカーの島の向こうにリーパリ島とその後ろにサリーナ島が見える。
そしてリーパリ島の東側にはうっすらとパナレーア島とストロンボリ島が見えるではないか。これはすごい!こんな景色、初めて見たよ。
山頂には直径500mほど、深さ200m のクレーターがある。
火山ガスの刺激臭が強くて、むせてしまった。長居はせずに下山しよう。
暑い中、登るのに1時間、降りるのに30分、港に戻るのにさらに30分くらいかかって結構疲れたけど、楽しかった!リパーリ島へのボートが来る時間まで、港のそばのレストランで美味しいご飯を食べて大満足である。充実してるなあ。
ところで、火山の噴火様式の一つに「ブルカノ式噴火」というのがあるが、それはこのヴルカーノ島(ブルカノ島とも表記される)でよく見られる噴火様式のことで、粘り気の強い溶岩の火山で爆発的な噴火が特徴である。桜島など、日本の火山にも多いタイプ。別の噴火様式に「ストロンボリ式噴火」があるが、それもこのエオリエ諸島の一つ、ストロンボリ島の火山が名前のもととなっている。
次回はいよいよそのストロンボリ火山に挑戦だ。
シチリア・エオリエ諸島ロードトリップ その4 リーパリ島を探検
シチリア島でエトナ山を軽く見た後、カターニアを離れ、エオリエ諸島(Isole Eolie)へ向かった。エオリエ諸島は海底の火山活動によりティレニア海南部に形成された、リーパリ島(Isola Lipari)、サリーナ島(Isola Salina)、ヴルカーノ島(Isola Vulcano)、ストロンボリ島(Isola Stromboli)、パナレーア島(Isola Panarea)、フィリクーディ島(Isola Filicudi)及びアリクーディ島(Isola Alicudi)の主要7島から成る火山弧である。
シチリア島からはミラッツォ(Milazzo)の港からフェリーが出ている。シチリアを経由せずにイタリア本島のナポリ港から直接行くことも可能だ。
車ごと乗り込み、1時間ほど船に揺られていると、エオリエ諸島のうち最もシチリア島に近いヴルカーノ島が見えて来た。
ヴルカーノ島の港
うわー!美しい景色に気分が一気に高揚する。青い海に飛び込みたーい!しかし、私たちが滞在するのはこの島ではなく隣のリーパリ島。もうしばらくの我慢である。
ヴルカーノ島から20分ほどでリーパリ島に到着した。事前に調べたところ、リーパリ島はエオリエ諸島の中で最も魅力的というわけではなかったが、7つの島の中で一番大きく道路も発達していて、またボートで他の島へも移動しやすいのでリーパリ島を拠点とすることにしたのだ。港のそばに島唯一の町があり、宿泊施設やレストランが集中している。しかし、私も夫もうるさい場所が苦手。町から少し離れた山の上にアパートメントを予約していた。
町からの直線距離はたいしたことがないが、細い蛇行した坂道はとてもきゅうで、舗装されていない部分も多い。車で上るのはなかなか大変だった(といっても運転したのは夫なので、私がした苦労ではないのだけれど)。通りに名前はなく、ナビで見ても宿の場所がわからないので管理人に電話したらバイクで迎えに来てくれた。
坂道を上るのはちょっと大変だけど、アパートメントのテラスからの眺めは抜群だ。ここで約1週間を過ごすことになる。やりたいことはたくさんあるが、まずは泳ぎにでも行こうか。
最寄りのビーチは上の地図の緑アイコンのSpiaggia Valle Muriaというビーチである。「坂を降りればビーチ」と管理人はこともなげに言ったが、そんなに楽な話ではなかった。坂道というか、崖のようなところを15分くらい降りると海岸に着く。行きはまだいいけれど、帰りはその崖をまたよじ登って来なければならないのだ。ちょっとひと泳ぎするだけでやたらと疲れる。これがハードモードなエオリエ諸島滞在の始まりであった。
リーパリの石のビーチ
誤解のないように付け加えると、島にはCannetoのビーチなど楽にアクセスでき、観光客向けに整備されたビーチもある。でも、自然を楽しみにエオリエ諸島に来たわけだから、アクセスの良い場所だけ見るというのもなんだか違う気がするしね。
上の写真の右側に白とグレーの層が縞状に重なった崖が写っているが、リーパリ島の地表は軽石と黒曜石で覆われている。白っぽくてスカスカの軽石とガラス質の黒曜石は互いに似ても似つかない見た目だけれど、どちらも同じ流紋岩質のマグマが冷えて固まってできた岩石である。黒曜石といえば石器時代、ナイフや槍の先端などの素材として使われた岩石で、黒曜石が豊富に採れるリーパリ島はその交易で栄えたのであった。今でもリーパリ島の主な土産物として黒曜石のアクセサリーがたくさん売られている。
また、リーパリの軽石もとても上質で、主に建材などの用途に世界中へ輸出されて来た。現在は主に島の北東部の石切場で採取されている。
軽石や黒曜石だけでなく、リーパリ島では粘土鉱物カオリナイトも採れる。リーパリ島におけるカオリナイトの利用は紀元前3-4世紀に遡る。島に入植したギリシア人が土器作りに使っていた。第二次世界大戦後から1970年代初めにかけては主にセメントの材料として大々的に採掘されていたが現在はもう採掘は行われていない。その跡地を歩いてみよう。
噴気孔と思われる穴があった。リーパリ島には現在、活発な火山活動はない。
石切場の奥まで歩くと、海へ続く道が延びている
普段住んでいるドイツでは日常的に散歩をしているけれど、同じ散歩でもリーパリ島ではまったく違う体験だ。平坦で直線的な北ドイツとは対照的に起伏が激しく表情豊かな風景に圧倒される。
海岸線も複雑だ。
絶景スポットBelvedere di Quattracchiから眺めたリーパリ島の美しい入江
以下は夫がドローンで撮影した写真。かなり高いところに登って撮っているので、危ないから真似しない方がいいです(私もドローン免許持っているけど、恐ろしくてこんなの絶対に撮れない)。
島の南部へ行ってみると、そこにも軽石の石切場があった。
島の南の先端近くには地質学観測所があり、そこからはヴルカーノ火山がよく見える。
よし!次に向かうのは、あの島だ!
シチリア・エオリア諸島ロードトリップ その3 地中海の最高峰エトナ火山に登る
「火山」がテーマのシチリア・エオリエ諸島ロードトリップ。前回の記事に書いたように、まずはシチリア北東部、エトナ火山の麓の町、カターニア(Catania)の溶岩でできた街並みを見た。その後は実際にエトナ火山に行ってみることにした。
地中海地域では最も高く、また世界で最も活動の活発な火山の一つである。頻繁な噴火によって標高は常に変化しているが、現在の高さはこちらのサイトによると3329mだそう。エトナ山とその周辺はエトナ山自然公園(Parco dellÈtna)という国立公園になっている。(以下のGoogleMapをズームして見てください)
カターニアからはツアーも出ているが、私たちは車があるので自力で行くことにした。エトナ山に登るにはエトナ公園の北側と南側からアクセスする方法がある。カターニアからは公園の南側のニコージ(Nicolosi)という町を経由するのが便利だと現地の人に教わり、ニコロージ方面に向かって、いざ出発。
途中で車を止め、小高くなった場所に上がって眺めた景色。地表の一部が溶岩流に覆われている(グレーの部分)。山麓の火山性土壌は肥沃で柑橘類や葡萄などの栽培に適しており、シチリア島の中で最も人口密度の高い地域の一つだが、恵み多い生活はリスクと隣り合わせでもある。最近では、2001年の大きな噴火の際に溶岩流がニコロージ市のわずか4km手前まで到達したそうだ。
溶岩流で崩壊し、埋もれた家屋
20kmほど緩やかな山道を登って行くと、山岳ホテルや土産物屋、駐車場のあるリフージョ・サピエンツァ(Rifugio Sapienza)に着く。そこからロープウェイ(Funivia Dell’Etna)に乗ることができる。この地点ですでに標高1900mを超えるので、夏でも肌寒い。この日はそれほどでもなかったけれど、風が強い日なら余計に寒いと思うので防寒対策が必要。でも、もし上着を忘れてもロープウェイ乗り場で登山靴と上着を貸し出しているので大丈夫。
黒々とした山肌を眺めながら標高2500mの高さまで登る。
ロープウェイの降り場にはミニバスが停まっている。バスでさらに登り、登山ガイドさんと一緒に歩くツアーが用意されているのだが、2017年に起きた噴火で、取材中のBBCのクルーや火山学者、観光客が噴石で怪我をする事故があり、現在は山頂まで行くことはできないことがわかった。残念!もちろん安全第一なのでしかたがない。でも、噴火口を見られないのであればツアーに参加してもあまり面白くないかな?と思い、ツアーには参加しないことにした。
下から見ると結構な急斜面に見えたが、登ってみたらたいしたことはなく、あっという間に上に着いた。この小山はピアノ・デル・ラーゴ(Piano del Lago) という火口丘だ。どんな感じか見たい方は以下の動画をどうぞ。
周囲をぐるっと歩く。ふと夫の背負っているリュックを見たら、テントウムシが1匹止まっていた。え?なんでこんな植物もない場所にテントウムシ?下界からうっかり連れて来ちゃったのかな?と思ったが、後でガイドブックを読んだら、火口周りは温かいので、テントウムシがたくさんいると書いてあった。へえー。
火山国、日本出身の私にとっては火山は珍しい存在ではないけれど、ドイツ生まれの娘には大変なインパクトのようで、「登って良かった!」と大喜びしている。来た甲斐があった。もちろん、私もエトナ山に登れてよかった。
まあ、登山といってもロープウェイに乗って少し小山を登っただけなのでイージーモードだ。しかし、私たちの火山旅行はまだまだ序の口。これからさらなる興奮が待っているのである。エトナ公園は広く、ビジターセンターやいろいろな見所があるようで、たっぷり時間をかけていろんなアクティビティを楽しむことができそうだ。私たちも後に改めてエトナ山を別の角度から見ることになるのだが、その前にシチリア島の北側、ティレニア海南部に連なるエオリエ諸島に向かうことにした。それについては次の記事で。
シチリア・エオリエ諸島ロードトリップ その2 溶岩でできた黒い町、カターニア
ドイツから4日かけてシチリア島へやって来た。カラブリア州のメッシーナ海峡をフェリーで渡るのだが、ヴィラ・サンジョヴァンニ(Villa San Giovanni)から対岸のメッシーナ(Messina)は目と鼻の先で、20分ほどで着く。陽光にきらめく青い海の向こうに雄大なエトナ火山のそびえるシチリア島が近づくのを船上から眺めるのが楽しみだ。
と思ったら、港に着いた瞬間に空が急に暗くなり、出港と同時にまさかの大雨である。視界はグレー一色、何も見えない状態でシチリア島に到着した。メッシーナから最初の目的地カターニア(Catania)方面へは高速道路を南下するだけだが、路面のコンディションが良くないので前の車の飛沫が凄まじい。シチリアはインフラが良くないだろうと想像していたが、早速、それを実感することになった。
カターニアはエトナ火山の麓にあるシチリア島で2番目に大きな町だ。今回の旅行では都市は避けると言いながらカターニアに向かったのは、シチリア旅行に飛び入り参加することになった娘をカターニア空港でピックアップしなければならなかったのと、旅の事前準備として読んだ本、「シチリアへ行きたい(小森谷慶子、小森谷賢二著)」にカターニアが「溶岩でできた」町だと書かれていたので、その街並みを是非見てみたかったのだ。
カターニアはかつてギリシア人の植民市として発展した町だが、その当時から現在に至るまで、エトナ火山の噴火の影響を受け続けて来た。1669年の大噴火と1693年の大地震では壊滅的な被害を負い、18世紀にバロック様式で再建された。
大雨の後のドゥオーモ広場
町は全体的に黒っぽく、独特の雰囲気を醸し出している。
地面のあちこちが黒い火山灰で汚れている
ユネスコ世界遺産に登録されている旧市街には美しい広場と大聖堂、城や宮殿、考古学博物館など見所がたくさんある。しかし、それらの観光名所についてはガイドブックやネット記事などに日本語の情報がたくさんあるので、このブログでは私の個人的な興味に沿って話を進めたい。
ヨーロッパでは古い建物の漆喰が剥がれて中の建材が剥き出しになっているのを目にすることがよくある。私が住んでいる北ドイツでは中のレンガが見えるが、カターニアでは溶岩だ。
すごい!
建物だけでなく、石畳や、
花壇も溶岩でできている
うおー!
と変なことに盛り上がってしまう。石造りの建物が多いヨーロッパに住んでいると、「町の景観はその土地の石がつくる」と感じるようになった。その町のある地域の自然条件によって多く採れる石材が異なるからだ。石が違えば町の色も質感も変わる。だから、知らない町を訪れるときには「どんな石の町だろう?」と気になるである。
カターニアの町は17世紀末にエトナ山の噴火で破壊されたと先に書いたが、旧市街のあちこちにギリシア時代や古代ローマ時代の遺跡が見られる。
ローマ帝政時代の円形競技場、Anfiteatro
全体の一部しか発掘されていない状態だが、総客席数はおよそ15000席と推定されるそうだ。当時の人口がどのくらいだったのかわからないが、こんな大きな競技場があったのだから繁栄していたんだなあ。黒い玄武岩でできたこうした古代建造物の名残を見ると、カターニアはまさにエトナ火山が生んだ町なのだと感じるのである。
競技場のエントランス
ローマ劇場(Teatro Romano di Catania)も見応えがあった。
溶岩という視点でカターニアの町を見た。それではエトナ火山を見に行くことにしよう。レポートは次回の記事で。
シチリア・エオリエ諸島ロードトリップ その1 なぜ車でシチリアへ?
2020年からパンデミックで自由に旅行ができない日々が続いていたが、EU内共通のデジタルワクチンパスポートが導入され、ようやくドイツの外に出かけられるようになった。とても嬉しい。そこで、久しぶりの本格的な旅行としてイタリアのシチリア島へ行ってきた。ドイツの自宅から車でシチリア島に渡り、シチリア島を周遊しティレニア海に浮かぶ火山島群、エオリエ諸島を巡るロードトリップ(一部は船)である。全行程3週間、満喫したので忘れないうちに記録しておこう。
旅行規制が緩和されたとはいえ、まだパンデミックが収束したわけではないので、当面は「ピークシーズンを外す」「人の多い都市部や人気観光地は避け、主に自然を楽しむ」を我が家の旅の基本方針とすることにした。
今回の旅の目的地になぜシチリア及びエオリエ諸島を選んだのか?
数年前から、長期の旅行に出るときには何かしらテーマを設定することにしている。2020年の2月には「火山」をテーマにニカラグアへ行く予定だった。ところが直前にパンデミックが起こり、泣く泣くキャンセルすることに。そのときには1年くらい待てば行けるかなと考えていたのだが、現状では中米方面には当分行けそうにもない。そこでニカラグアの代わりに欧州最大の活火山、エトナ火山のあるシチリア島とそのすぐ北にある火山性のエオリエ諸島に行こうということになったのだ。
なぜドイツから2200km以上も離れたシチリア島まで自宅から車で行ったのか?
私と夫はロードトリップが大好きで、一緒に旅行するときは自宅から車で行ける場所へはマイカーで、そうでない場合も現地の空港でレンタカーを借りて回る。車の旅を選ぶ理由は以下の3つだ。
夫は都市よりも圧倒的に自然を好み、私もメジャーな観光地よりマイナーな場所を探索するのが好きなので、能動的な移動手段が不可欠なのである。そして、旅行のスタイルもハイキングしたり野鳥を観察したりなどアクティブ系なため、道具がいろいろと必要になる。トレッキングシューズや双眼鏡、超望遠レンズのついたカメラ、そして最近はドローンを持って行くこともあり、車でないと運搬が大変だ。また、旅先でも化石を採集したりなど、持ち帰るものも多くなっている。幸い、夫は運転が苦にならないタイプで、知らない国でも悪路でもへっちゃらなのが助かる。
自宅からオーストリアを抜けてイタリア本島を南下し、カラブリア州ヴィラ・サンジョヴァンニ(Villa San Giovanni)の港から車ごとフェリーでシチリア島のメッシーナ(Messina)に渡り、帰りはパレルモ(Palermo)から夜行フェリーでナポリ(Napoli)へ移動、そこから北上して帰って来た。シチリアへ到着してからの移動ルートは以下のマップの通りである。エオリエ諸島のリパリ島へも車ごとフェリーで渡り、その他の島へは小型ボートで移動した。
今回はひとまずここまで。
ドイツ最大のコウノトリ繁殖地、リューシュテットを訪れる。
まだ9月の声を聞いていないのにすでに秋になったようなドイツである。今年の夏はなんだか短かったなあ。
私が住むブランデンブルクでは春から初夏にかけてコウノトリが多く繁殖する。ブランデンブルクで繁殖行為を終えたコウノトリたちは8月にはアフリカに向けて移動する。彼らが飛び立つ前に、コウノトリの村、リューシュテットへ行って来た。ブランデンブルクの外れにあるこの小さな村はドイツ最大のコウノトリの繁殖地でコウノトリの保護に力を入れている。アクセスが大変なのだが、ラジオで偶然、なぜこの村に多くのコウノトリが集まるのかについて聞いて、是非とも行ってみたくなったのだ。
すでに7月だったのでピークシーズンは過ぎていたが、それでも多くのコウノトリを見ることができた。コウノトリは大きな鳥だけあって、たくさんの個体が集まっている様子はなかなか壮観だった。野鳥観察は本当に楽しいなあ。
YouTubeチャンネル「ベルリン・ブランデンブルク探検隊」にスライド動画を公開したので、ご興味があったらぜひ見てください。