(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
コロン島のボカス・デル・トーロは観光地なので、レストランがたくさんある。ただ、ボケテ高原でもそうだったのだが、大部分の観光客や外国人移住者が欧米人のため、レストランのメニューは洋食がメインで、メニューにローカルな料理はほとんど見当たらない。せいぜいセビーチェという魚介類のマリネや料理の付け合わせにキャッサバや調理用バナナのフライがあるくらい。屋台や簡易食堂ならば地元の人が食べているものが食べられるけれど、たいていは軽食で、あるものはどの店も同じような感じだ。欧米人観光客は自分たちの食べ慣れたものが食べたいようだが、私はパナマに来てまで洋食が食べたいわけでもないので、ちょっと残念である。
でも、意外なことにボカスタウンにはなんと日本食レストランがあった。
その名も「oh-toro」。Rahmen & Sushiと書いてあるではないか!
都会でもなく、日本人はほとんど誰も来そうにもないコロン島にラーメンの食べられる店があるということに驚いてしまった。魚介類の豊富な島だからSushiの店があってもまあ、不思議はないかもしれないけど、ラーメンだよ?
どうも気になって店内に入り、メニューを見せてもらった。
きっと日本のラーメンとは似ても似つかない料理を出すのだろうと想像したのだが、写真を見ると、案外普通の感じ。ますます気になる。これは一つ、試してみようか。私たちはここで食事をすることにした。
ドリンクメニューを見ると、JETROカクテルなるものがあって笑った。どういうこと?
料理はスシ、ラーメンだけでなく揚げ物から弁当まで幅広い。いろいろ注文してみた。
餃子。中は豚肉で普通に餃子。甘酢ソースがかかっているのがちょっと残念だけど、悪くない。
ゲソ揚げとたこ焼き。ゲソ揚げは日本のゲソ揚げとは少々異なる。日本のは衣が薄くてイカがジューシーな記憶があるけれど、ここのはもっと衣がカリカリとしている。でも、これはこれで美味しい。チリマヨネーズをつけて食べるのもなかなか良い。たこ焼きは焼いてあるというよりも軽く揚げてあり、表面がカリッとしている。これも普通に美味しい。
メインには味噌ラーメンを頼んだ。具の配置がやや微妙だ。麺を食べてみる。普通にラーメンだ。激ウマというほどではないけど違和感はない。スープも美味しい。チャーシューもちゃんとチャーシュー。このラーメン、はっきり言ってドイツのほとんどのラーメン屋のラーメンより美味しいよ。(注: これを記した2019年時点での感想です。その後、ドイツではラーメンのクオリティが上がり、今では美味しいお店が多くなりました)
夫はHagana Black Garlic Rahmenを頼んだ。しかし、、、「麺が白い。これ、ラーメンの麺じゃないよ」。味見させてもらうと、麺はソーメンであった。でも、だからといって不味いわけではなく、こういうソーメンもあると言われれば納得するかも。スープの味も悪くなかった。
娘は鮭の照り焼き弁当を注文。鮭の切り身が大きい!照り焼きソースはちょい甘すぎに感じたけれど、まあ許容範囲。ご飯の味は、、、おしい!日本のご飯の味を目指したことは伝わった。照り焼きの他のおかずは春巻きとサラダ、デザートは果物と餡入りの揚げゴマ団子。
カリブ海の島でこのレベルの日本食が食べられるとは想像していなかった。びっくり。先進国基準ではそれほど高い店ではないが、物価からして島の人たちがこのレストランで食事をするとはほとんど思えないので、観光客をターゲットにしているのは明らか。
oh-toroという店名はボカス・デル・トーロのトーロにかけたのかな?と一瞬思ったけれど、後から調べたらチェーン店のようなので名前の由来はわからない。