(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
パナマ旅行の最後の数日はパナマシティに滞在し、そこから日帰りできる場所を楽しむことにした私たち。パナマシティは近代的な高層ビルの立ち並ぶ大都市だが、都会は他の国にもいくらでもあるので、パナマではできるだけ熱帯の自然を楽しみたかった。
パナマは首都周辺も自然がとても豊かだ。パナマ運河地帯は広範囲が森林に覆われていて、いくつもの国立公園や自然保護区がある。他の場所では絶滅の危機にある希少な動植物が多く生息しているそうだ。運河の右岸に細長く広がるソベラニア国立公園(Soberania National Park)はパナマシティからわずか25km。森林をハイキングしたり、チャグレス川をボートでクルーズしながら動植物を観察できるという。
行ってみて、その素晴らしさに驚いた。特に野鳥の多さは感動的で、小一時間ほどのクルーズの間にすごくたくさんの水鳥を見ることができた。ソベラニア国立公園で生息が確認されている鳥類は525種にも及ぶそうだ。ボートの上から撮影したのでピンボケの写真ばかりになってしまったが、たとえば、
痛感したことは、熱帯に行くときにはその土地の野生動物や植物が載っているフィールドガイドを持って行った方が絶対にいいということだ。見たことのない生き物ばかりなので、フィールドガイドがないと「綺麗な鳥」「変わった動物」というので終わってしまう。それでも楽しいことには変わりないけど、なんという種類なのかわかった方がより楽しさが増すと思うのだ。私はパナマえはそれ以前のコスタ・リカ旅行の際に現地で買ったフィールドガイドを持って行った。生態系に共通項が多いので、まあまあ役に立った(画像の下の種名は今、この記事をリライトする際に調べて書いた。間違いがあったら是非コメントで教えてください)。実はこのときまで野鳥にはそれほど興味がなかったのだが、ソベラニア国立公園でたくさんの野鳥を見てすっかり魅了され、今ではすっかりバードウォッチャーになっている。
ボートから水鳥や亀、魚を眺めて楽しんでいると、そのうちにボートの運転手が「サルを見せてやる」と言って小島の岸辺にボートを寄せた。「バナナ持ってる?」と聞かれたので「ない」と答えると、「ちぇっ。ないのか」と言いながらも島の木々の上の方に向かって奇声を発してサルを呼んでくれた。餌をもらえると期待したノドジロオマキザルが数匹、木を降りて来た。枝伝いにボートに近づいて来る。
こういう展開を想定していなかったので、餌を用意していなかった。でも、野生のサルに餌付けをするのはどうなのかなあ。持ち合わせがなくてかえってよかったのかも。しばらくすると他の観光客らを乗せたボートが近づいて来て、彼らのうちの一人がバナナを岸に向かって投げたので、サルたちはそちらへ行ってしまった。
さて、私たちはそろそろ戻ろうかと思ったときだった。「見ろ!イグアナだ!」。夫の声に岸辺を見ると、そこには立派なイグアナがいた。すると、ややっ?2ひきのノドジロオマキザルがイグアナに近づいて行って威嚇を始めた。
そしてこのような結末に。予期せず面白い場面に遭遇し、興奮に沸く私たちであった。
ボートクルーズの後は公園内の森を散策。
「公園」とはいってもジャングルだからね。靴はすぐにドロドロになってしまう。汚れるのが好きでない人にはおすすめしない。毎日のようにこんなことをしているので、どんどん汚くなって行く私たち。
首都から30分の地点でこんな豊かな自然体験ができるなんて、パナマは信じられない国だ。そして、私たちはすでに2週間以上に渡って野外活動を楽しんでいる。こんな贅沢な機会を与えてくれるパナマの自然環境に感謝するのみである。