(この記事は以前、他の場所で公開していた2019年6月のパナマ旅行記をリライトしたものです。)
パナマシティのアルブロック国内空港でレンタカーを借り、いよいよボケテ高原に向けて出発する。ボケテまではパナマシティからパンアメリカン・ハイウェイでチリキ県最大の町(と言っても人口12万人程度だが)Davidまで行き、そこから約35km北上するだけなのでルートとしては単純だ。さすが北アメリカから南アメリカを縦断するパンアメリカン・ハイウェイだけあって道路はよく整備されていて快適だ。
と思ったものの、状態が良かったのはパナマシティを出発してしばらくの間だけで、そのうち「これ本当にハイウェイなの?」というコンディションとなった。レンタカー屋の人に「ボケテまでどのくらい時間かかりますかね?」と聞いたとき、「そうですね。(夫に向かって)あなただったら7、8時間かかるかな。私なら5時間で行っちゃうけど。ヒヒヒ」と言われ、夫は「なんでオレだったらそんなに時間かかるんだよ」とムッとしていたが、この道路状態では結構時間がかかるかもしれない。とはいえ、私たちが住んでいるドイツ東部はかなり酷い道路がたくさんあるので慣れていて、まあ、苦痛を感じるほどではなかった。
道路沿いに民家はたくさんあるのだが、町らしい町はなく、似たような田舎の景色が延々と続いた。ハイウェイ沿いは森林はすっかり切り開かれている。4時間くらい車を走らせていたらお腹が空いてきた。「どっかのレストランに入ろうよ」と誰からともなく言い出したが、なかなか適当な店が見つからない。
「PIOPIOっていう看板をさっきから何度か見たね。チェーン店かな?」「じゃ、次にPIOPIOがあったら入る?」娘がスマホでPIOPIOを検索する。「ファストフードみたい」「どれどれ?うーん、マクドナルドとケンタッキーを足して2で割ったような店だね」。あまりピンと来ない。もっと他の店はないのだろうか。グズグズしていたら、少し大きめの町らしいSantiagoに到達した。「Santiago Mallって書いてあるよ。モールならフードコートがあるんじゃない?」車を停め、中に入ると大きくて新しいショッピングモールである。しかし、フードコートは、、、、。
ジャンクフードばっかり、、、。まあ、田舎のモールだからこんなものかな。もうちょっとパナマらしい食べ物を期待していたのだが、お腹が空いていたので文句を言わず適当なものを買って食べた。しかし、その数百メートル先にパン屋があり、エンパナーダなど売っていた。しまった!だったら最初からパン屋を探せば良かった。
サンチャゴを通過してしばらくしたら、突然景色が変わった。民家がまばらになり、青々とした森が広がった。それとほぼ同時になぜか道路の状態も再び良くなりスイスイと車を飛ばすことができたので、まもなくDavidの町に着いた。そこからボケテの町までも快適だった。
山間の小さな町ボケテはAlto Boqueteとその少し北のBaño Boqueteに分かれている。Baño Boqueteの方が栄えていて、お洒落な西洋レストランやカフェがたくさん並んでいる。しかし、私たちの宿はそのどちらのエリアでもなく、さらに数キロ北上したPalo Altoというエリアだ。車があるのだから、中心部から少し離れたところでもいいかなと思ったのである。
ようやく到着した宿はこんな川の側の野趣あるエリアでとても気に入った。
これから1週間、楽しく過ごせそうだ。